豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

団・菊・左の豆本

2010年04月23日 | 豆本

 「団・菊・左」といっても御存じない人もあるかと思うが、明治前半期の三大名優、九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎、初代市川左団次のことである。この豆本は、三名優の多彩な役を、「明治の写楽」といわれる豊原国周(荒川八十八)が「団十郎演芸百番」「梅幸百種之内」として描いたものをそれぞれ纏めたものである。梅幸は菊五郎の俳名。
 残念ながら団十郎は78図しか入手出来ず百番揃わないので、他の作品から補填して百番とした。しかも、なぜか熊谷直実など三役がダブっているので実際は97番にしかならない。
 また国周の作品には左団次の百役を纏めたものはないようだが、個々には百以上の役を描いたものが残されているので、何か理由があったのだろう。
 その左団次、「団十郎名人、菊五郎上手、左団次下手」といわれているが、役によっては最も多く客を呼んだといわれているから、一般の意味での「下手」ではもちろんない。オリンピックなどの世界大会の銅メダルと似たようなもので、総合は銅でも種目別では金もあるというような僅少差の最高レベルの話であろう。
 その意味で、左団次の百番ものがないのが残念なので、いずれ勝手に百役の作品集を作れれば、とも考えている。

 下の三図は国周描く「団・菊・左」である・

          




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