夏休みの課題として提出された作品が,校内選考を経てそれぞれの研究会に提出され,高い評価を得て学校に戻ってきている。全校生徒の前での表彰は後日になるが,その概要について報告する。
まずは,第65回北都留地区児童生徒理科自由研究発表会で「優秀」に輝いた,卯月龍君の「二十日ダイコンの継続観察」を紹介しよう。
二十日ダイコンの継続観察
1年 卯月 龍
目的
夏休み中に収穫できる野菜を探していたら,二十日ダイコンが短期間で生育できることを知ったので,本当に二十日で育つか観察してみようと思いました。
観察対象
二十日ダイコン
今回はベビーラディッシュという種類を調べました。通常二十日ダイコンは,発芽温度が15度から28度くらいなので,真夏や真冬は難しいそうですが,八月の暑い時期にどれだけちゃんとしたものができるか調べてみようと思いました。
経過(抜粋)
7月31日,観察開始。天気と温度,変化の様子を記入。
8月2日,早朝に5つ発芽。夕方には大量に発芽。
8月7日,予想以上にたくさん発芽。間引きをした部分としない部分では成長がどのくらい違うのか調べることにする。
8月16日,さらに間引いたものを,即効性のある液体肥料を使用し,肥料の有無で成長に差があるか見ることにする。
8月20日,20日過ぎたが収穫できない。暑さ負けで生育が遅いのだろうか。
8月23日,ダイコンの葉の形になり,根本の赤い玉が見えてきた。
8月26日,収穫。冒頭の写真。左:間引き・肥料あり,中:間引きのみ,右:間引き・肥料無し。
結果・考察
27日間でここまで育った。肥料の有無では葉の大きさに差が出た。
肥料ありの方は,たくさん丸くなったが,肥料無しの方はあまり丸くならなかった。
間引き無しの方は太陽光があたらなくて,光合成ができず,葉が変色してしまった。
種袋には約25日間で収穫できるとあるが,これほどの暑さだと30日くらいかかるのではないかと思った。
虫の被害を心配していたけど,葉をかじられたりはなかった。
晴天続きの猛暑だったけれど,なんとか収穫することができて良かった。
ダイコンの生育の様子を毎日観察し記録する。動植物を題材にした自由研究の王道を行く作品。
簡単そうに思えて,案外と「毎日」がたいへん。3日坊主で終わることが多い中,龍くんはやり通した。それだけでも立派。
それに加えて,観察途中で疑問に思ったことを,次々と研究課題に加えて発展的に研究していく探求力もすばらしい。
さらに,実証した結果ばかりでなく,「光合成」という理科で学んだ知識を活用して考察も行っている。
継続する力,探求する力,身につけた知識や技術を活用する力。
単に理科ばかりでなく,他の教科でも,日常の生活の中でも必要とされる力だ。
さらに磨きをかけていこう。