県民の日の前日,養護教諭の正木先生が「保健だより」を出した。毎回,「なるほど」と思うようなことが書かれていてとても勉強になる。今回は「睡眠」について。その一部を紹介しよう。となり
「夕べは何時だった?」「昨日の睡眠時間は4時間」「夕べは早く寝たよ。1時頃だったかな」「エー,それで早いの?」「だって塾が11時までなんだもん」
保健室でみんなとよくする会話である。
睡眠は大切であるとわかっていても,なかなか充分な睡眠をとれない現状にある皆さんのようですが・・・・。私たちは一日の約3文のくらい眠っています。80年生きるとして,26年間は眠っていることになります。睡眠の大切さをもう一度確認し,少しでも就寝時刻を早くして,睡眠時間をできるだけ長くとることができるよう心がけてほしいと思います。
~睡眠のすごい働き・・・眠っている間こそ体は動いている!~
1 脳を休ませる
私たちは,目を開けたまま眠ることはできません。外からの情報の80%は目から入っていきます。目を開けている,どんどん情報が入ってきて,脳を休ませることができません。
2 体の疲れをとる
座って寝るより,横になって寝たほうが楽なのは,使う筋肉がずっと少ないからです。睡眠は体の大部分の筋肉を休ませることができます。
3 情報の整理
レム睡眠の時に,脳は情報の整理という,とても大切な仕事をしています。ものを出しっぱなしにしていると,部屋の中が散らかって,どこに何があるかわからなくなりますね。頭の中も同じです。たくさん取り入れた情報はその日のうちに整理しておかないと,混乱してしまうのです。睡眠不足が続くとイライラしたり,忘れっぽくなるのは,情報を整理できなくて,散らかったままになっているからです。ストレスがあっても,ぐっすり眠ると記憶や感情が整理されて,たいていスッキリした気分で落ち着いた気持ちになれますね。落ち着いた心で生活するためにも,睡眠は重要です。
4 睡眠と成長ホルモン
睡眠中に,成長ホルモンがたくさんぶんぴつされています(赤ちゃんから老人まで)。成長ホルモンは,骨や筋肉などの成長を促進させる作用,代謝を高めて脂肪細胞を燃焼しやすくする作用,細胞の修復や再生を促す作用があります。睡眠不足をすると,この働きが悪くなり,傷が治りにくくなったり,肌が荒れ,風邪が治りにくくなります。また,肥満の原因にもなりますよ。
5 記憶力と睡眠
同じ時間勉強しても,夜きちんと睡眠をとったほうが,勉強した内容が長く記憶されることもわかっています。徹夜の試験勉強は逆効果になることもあります。
よい睡眠のために
・寝る前に,カフェインが多く含まれているコーヒーや紅茶,緑茶などを飲まないようにしましょう。
・夜に,コンビニエンスストアなどで明るい光(2,500ルクス以上ある)を浴びたり,携帯電話やテレビ,パソコンなどの画面の光を見ると,脳が覚醒し,眠りにつきにくくなります。
・牛乳のカルシウムには脳神経の興奮をおさえ,イライラを解消する働きがあります。また牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は「メラトニン」となり,「メラトニン」は脳に働いて眠りを誘い出しますので,お腹がすいて眠れないときや何か飲みたいときにはオススメします。
※おまけ
一年中で,今が一番日の入り時刻が早い時期だ。晩秋を迎え,陽が落ちると急に寒さが増し,いきおい屋内で過ごす時間も多くなる。秋の夜長,何をするにも時間がたっぷりあっていいのだが,その余裕からかついつい物事に熱中し過ぎて,夜更かしをしてしまう。
そんな君たちに(私にも),正木先生がアドバイス。まずは,「寝る子は育つ」という諺があるが,育つのは子どもばかりでなく,大人も含めてすべての年代にあてはまるとのこと。そして,体の健康ばかりでなく,心の健康の保持増進,学力向上にも睡眠の果たす役割は大きいという。ついでに,美容にも!
一週間後に期末テストを控えるこの時期に,「よく寝ましょう」とは言いにくい気もするが,要は時間の使い方の問題だ。よーく「保健だより」を読み返して,睡眠の大切さを理解し,睡眠時間の確保に努めていこう。
※おまけのおまけ
マスクを配布しました。
大月市教育委員会からマスクが配布されました。これは大月市の小中学校適正配置計画により閉校になった小中学校の図書館の本約2,000冊を,「東日本大震災の被災地で有効活用してほしい」と提供したお礼に,被災地を支援するNPOから「2,000冊の本をありがとうございました。大月の子がかぜをひかないように」と寄贈されたものです。NPOの方々の行為をむだにしないように大切に使ってください。