リフォーム徒然なるままに Reform turezure naru-mamani

我が家のリフォーム日記です。忘れないように記録していきます。参考になれば幸いです。

和室は究極の光と温度のコントロール  そしてわび、さび

2007-04-19 21:04:22 | Weblog
我が家のリフォームでは、和室はまったく手をつけなかった。
しかし、和室の快適さは数々ある。

まず、障子。
これが、実にいい。
まず、間接照明としてこれ以上柔らかい光を届けてくれる照明は、ほかにあるだろうか。
障子紙が柔らかな光を室内に入れてくれる。
勝手な仮説だが、おそらく昔の人が、笹から漏れる光をなんとか実現できないかと考えた末に生まれたのではないかと思う。
その、写真が下の写真だ。



竹林。
そこから、木漏れ日として差す光の柔らかさは、障子が外の光を和らげる効果と似ているところがある。
竹林と障子、これぞJapaneseではないか。
余談だが、障子の断熱効果はかなり高い。
一度部屋を暖めれば、紙(和紙)が窓との空間に断熱層(空気)をつくり、室内の熱が逃げない。
もちろん、夏の冷房でも同じことが言える。
和紙(障子)は、エコロジーで快適な空間をつくっている。

そして、障子の空間を仕切るという機能。
これは、ふすまと同じで、フレキシブルなことこの上ない。
先日の休みの時も、昔は雨戸と障子しかなかったことを思い出して、ガラス戸は閉めないで、障子一枚で外と空間を仕切ってみた。
空間は遮るが、外の音や気配は分かる。
風の音もわずかではあるがする。

そして、究極は室内の明るさが外の明るさに応じて変化するのだ。
これほど、「わび」「さび」があるものはほかにない。
一言で言うと、こころが落ち着く。
室内の明るさは、外の明るさの変化を受けて、直接ではなく間接的に柔らかく変化する。
こんな究極の光と温度のコントロールは障子のほかない。

和室の良さはまだある。
畳の良さだ。
ただし、畳はその中身がわらである場合に限る。
最近の建材の中にはそうでないものが大量にあるからだ。

これは、実にいい。
部屋の温度に応じて暖まる。
しかも、そのままマットになるので、うとうとと眠ってしまっても大丈夫。
優しく、身体を保温してくれる。
マットだから、ベッドのように身体が沈むこともなく、腰痛の心配もない。

さらに、和室は融通が利く。
夜はベッドルーム。
昼間は、客間などいくらでも対応が可能だ。
こんなフレキシブルな空間はない。

さらに、我が家にはないが、私の子どもの時の父の実家。
ふすまを数枚取り外せば、20畳から30畳の一続きの空間がいつでも生まれる。
この変幻自在な空間は、和室でなければ生まれない。

そして、壁は塗り壁。
これも保温にも適している。
さらに、見た目の柔らかさは、ほかの建築材にない優しさがある。

我が家のリフォームで手を入れたところは、主に水回り。
しかし、手を入れなかった和室がとても大きな価値をもっているということについ最近気づいた。

その、大きなきっかけとなったのが土曜日(正確には、今週日曜日の0時40分~)のNHKの「ニッポン先端人」で紹介されていた、堀木エリ子さんの活動である。

その中で、堀木エリ子さんのアトリエ?(京都)には、海外からたくさん外国人が来て堀木さんの作品に感動しているとのこと。

堀木エリ子さんは、銀行員だったらしいが和紙職人の技に魅せられてこの世界に入ったとのこと。
そして、なんとかこの技を残さなければと決意し、日々新しい和紙づくりに挑戦しているとのこと。

私は、写真で紹介したように竹藪こそ和の世界だと思う。
それが、開発でどんどん失われることに危機感を抱いている。
海外が注目するこのもっとも日本的な世界にぜひ、多くの外国人にふれて欲しいと思っている。
それは、都市からそんな遠くないところにまだまだたくさん残されている。
しかし、放置すれば開発の名の下に限りなく失われていく。

それは、私の孫の世代に残すことのできるほんとうに価値ある財産がなくなることを意味する。
そして、最後に誰もこの国に来なくなることを、誰も住まなくなることを。

私たちの祖先は自然に学び、それを生活に生かしてきた。
しかし、それがなくなることは、学ぶ手本がなくなることを意味する。
堀木エリ子さんもまったく同じことを考えたのだと思う。

最後に、ウィキペディアの「わび」の説明文の中に、言わんとしていることが書かれていたので紹介する。
「priceは高くないが、qualityは高い」
これこそ、最高のエコではないだろうか。

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