フリークライミング、しかも室内派が盛況な昨今の風潮ではありますが、アルパインクライマーなら一度は登りたいのが、穂高屏風岩ではないでせうか?
OPANDAこれまで、天候やらなんやらの原因で、まったく行けませんでした。
今回の首尾や如何に?
7/24(土) 先週に引き続き、上高地バスターミナルは好いお天気
河童橋もいつもと変わらぬ人手
明神から眺める明神岳
明神の鴨 右端は親、左2羽はほとんど親鳥と変わらぬ大きさだけど小ガモらしい
徳沢の貸しテント しかしこれだけ密集してると、1人大いびきの人がいると、4~5軒先まで眠れない?
徳沢園 空いてますなあ
夕方横尾山荘着 早速下見 先週は大変な水量で渡渉が危ぶまれたが、今日までに相当引いたようです どこから渡渉するかは・・・・ひ・み・つ・
横尾山荘の良さは、この風呂場
どうです? いい雰囲気でしょう?
石鹸、シャンプー使用禁止ですが、山小屋で風呂とは天国です
夕食もまあまあ
明日朝が早いので、槍経由南岳小屋行くというアメリカ人に行程のアドバイスなんぞして即寝
1人1人ベッドなのでよく眠れました
7/25(日) 1:30起床、2:10頃ヘッデン点けて出発 とにかくロングルートなんで、先行パーティがいると上高地バス最終に間に合わなくなるんで早出です。 それと東面なので、この時期陽が登るとフライパン上のアヒル状態・・・朝のウチに抜けてしまおうと言う魂胆
朝は水流が減って渡渉楽勝! 1ルンゼ押し出しを熊に会わぬよう闇の中声出しながら詰める
T4尾根(雲稜取り付きまでの尾根)取り付き4時前着 残雪多く吹き出す風が寒くて寒くて、日の出前に登攀開始 まだ暗いんで手ぶれご容赦
こんな感じのところを雲稜取り付きへ向かう
あちゃー先行パーティ発見! と思いきや、彼らは難関ルート「東壁ルンゼ」でした
さて、我々も雲稜取り付き到着 ラッキーなことに先行パーティなし
これでもう、成功間違いなし! 我々がたとえ1時に出発して来ても、この取り付きにビバーグされているとトップが取れないと言うこと
1P目(Ⅳ級)は赤線を黄丸までOPANDAリード 久々に全装備背負っての登攀なので、重い!
お隣「東壁ルンゼ」組 こちらはひたすら「アブミ」
1P目上から見ると
2P目(A1、Ⅴ) 凹角を登り突き当たりの岩をアブミで越える
で、右に出てビレー
OPANDAこのピッチで時間がかかりリード失格 交代 だって、わし、アブミ嫌いなんだもの
だったら屏風岩なんて来るな! ・・・だよな
3P目(A1、Ⅴ+)アブミでちくっと右へトラバース後直上・・・・この辺から高度感満点
ルンゼ組はアブミなんで時間がかかります
場所的にうまく写真でお伝え出来ないが、コース中唯一日陰で一服出来る扇岩テラス
2人くらいなら寝られるね
赤丸ルンゼ組、ハング乗越A2核心 こりゃあ、三つ峠アパッチハングのトレーニングが必須ですな
今空中アブミ、 次の一手が核心だす さすがリード、この後うまく乗越ました
あっしらはこの垂壁をアブミ掛け替えで登ります 4P目(A1、Ⅲ)
スタートは扇岩に足を突っ張り、こうっ! 校長模範演技
早!
直上はボルト豊富、しかしリングが切れそうなのや、腐ったシュリンゲ等、何時壊れてもおかしくない支点ばかり、そこで、左のフリー用のハンガーボルトで支点を取るわけ これで安心
三つ峠「逆V字ハング」や「空間リッジ」で練習を積んでいれば楽勝! 天空のアブミングを楽しめます
んで、4P目終了点 思わず「ウッヒョー!」と声が出そう 爽快です
5P目(A1) アブミ1~2回で小ハング乗越、恐怖のトラバース(三つ峠八寸バンドの比ではないよ)を右へ
ここで切った方が、写真も撮れるしロープの流れも良いだろうけど、校長は続けて直上6P目(Ⅲ)一緒に
7P目(Ⅳ) 簡単そうで一手難しい リードならA0だろうな
8P(Ⅳ)だんだん傾斜も緩くなり、屏風岩の上部に来たことを実感
ここも簡単そうで、実は岩が滑る 特にワシは今回アナサジレースアップ、なぜかよく滑りました
川の横に涸沢へ向かう登山道 登山者はほとんど「けし粒」です。 このつるつるの岩がソールによっては滑るのでご注意あれ ここまで来て墜ちたくない
最後は草付きを登る9P(Ⅱ)
終了点でごわす
終了点からの眺め 常念岳方面 結構緑豊富なテラスでした
あたしゃ、ここから屏風の頭なんてすぐだと思ってました ところがどっこい
深いやぶこぎが小一時間続きます どのくらい深いか? 前を行く校長見てください
時々休んで眺望でも楽しまないと・・・・体中ハイマツの松ヤニや虫だらけ
もう、何がなんやら 暑くて、蒸して・・・ 登攀で疲れたあとなんでつらい
ようやく抜けました 屏風の頭 でっかいケルンがあります 約2,500m
う~ん 屏風岩を登ってきたモノだけに与えられるご褒美のパノラマじゃ
では、そのパノラマを360°ご覧下さいませ
まずは前穂高岳手前にのびる尾根が北尾根、右にのびる吊り尾根 右端一番高い奥穂高岳
左端奥穂から、グッと切れ込むキレットを越え、北穂、南岳、中岳、大喰岳に槍が岳
槍のアップ 既に暗雲たちこめ始める
手前緑の横尾尾根 後ろは西岳など
ほんで、大天井と常念岳
更に、蝶ヶ岳(右赤棒)
わしらここを登って来たわけ 遠くに富士山&南アルプスも見えるんだろうね、天気よけりゃ
手前小高い緑のピークが「屏風の耳」ワシは何度もここまでは来た・・・ パノラマ楽しみに
右後ろ、前穂の左下にそびえる岸壁がⅣ峰正面壁 「北条・新村ルート」等があるところ そこを左におりた台地に奥又白池がある(見えない)
下には梓川のほとり、今朝2:15に出発した横尾山荘 今回全装備背負ってきたのであそこまでは戻らない
徳沢へ向かって降りる
コルまで下降 右涸沢、左徳沢 道標壊れてました
一般道なのにまったくステップが切ってない悪い雪渓
日曜なのに、なんか人がいないなあ・・・とパノラマコース降りきると・・・・
どーりで つうこって、最後明神の橋を渡り上高地へ到着が3時ちょい過ぎ
全行程13時間15分の充実の屏風岩登攀、無事終了致しました。
クラシックルートなので、わたしゃ初め、どーせ、たいして難しくないだろうと思ってましたが、なかなかどーして
がつんっ! と登り堪えのある好ルートでした。 先人は偉い!!
まあ、とにかく・・・・\(^(エ)^)/バンザ~イ!!
帰りは、中央線落雷でダイヤ滅茶苦茶、もう、大変でした よって下山後のお約束はなしです。
とほ・ほ・ほ・ほ ・゜・(ノД`;)・゜・
Yetiホームページから拝借致しました。
この場を借りて御礼申し上げます。
http://www.agg-yeti.com/index.html
1P目リード中のワシ まもなく支点です
扇岩テラスから「雲稜ルート:ワシ」と「東壁ルンゼ:後ろ2人」を俯瞰
4P アブミング中のワシ 下の大フレークが扇岩ざんす この岩と壁の間に2人くらい寝られる
でも、朝登ってきて、ここに人が寝てたら怖いかも・・・墜落遭難者とおもうべな