音楽療法のライブ日記

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VRを用いたオランダの介護施設「Hogeweyk」

2020-05-21 17:23:27 | 研究関連
認知症に関するフリー課題を読んでいる中で、‘Hogeweyk approach’という
聞きなれない言葉があり、ネットで調べてみると以下の記事がありました。
因みに、「TED TALK」では 2018年にイヴォンヌさんが紹介しています。

VRの「いま」を掘り出すニュースメディア『MoguraVR』 2019.01.07の記事を紹介します。

『認知症高齢者のQOLを高めるVRセラピー』
松村雅代さん : (株)BiPSEE代表取締役。心療内科医。

VRを活用した回想法で、認知症高齢者のQOLと尊厳を高める
英国の医療VR企業Virtueによる、「LookBack」というVRを用いた
回想療法(Reminiscence Therapy)についての報告です。

回想療法とは、積極的に過去を想起して語るように促すことで心理的な効果を導くアプローチ。
欧米を中心として、高齢者の医療や福祉、介護などの場面で広く実践されています。
「LookBack」では、独自の回想療法とその効果で注目を集めている
オランダの介護施設Hogeweyk(通称「認知症村/Dementia Village」)
のエッセンスをVRで実現しています。

Hogeweykは認知症患者のみが生活している施設で、究極の回想療法が実践されています。
高齢者に馴染み深い昔の街並みや生活環境がデザインされ、
認知症患者の記憶を刺激し、認知機能の回復や維持、精神面での安定を実現。
店主など日常サービスを提供するのは全て介護スタッフです。
認知症患者のアイデンティティや尊厳を維持できるアプローチとして賞賛されていますが、
同様のプロジェクト実現に必要な資金・人材・ノウハウ・時間が
大きなハードルとなっていました。

「LookBack」はVRによる没入感を活用し、Hogeweykのエッセンスを
誰もが享受できるようにした画期的なサービスです。
2019年1月現在、Virtue社は小規模な試験導入を行っており、
英国のNHSが長期間の大規模な試験導入を行う予定となっています。
また、米国でも試験導入が予定されています。
高齢化のスピードが加速する日本でも、極めてニーズの高いサービスであると考えます。


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