音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

ALSの当事者研究

2010-05-06 21:15:18 | 研究関連
日本音楽療法学会を始め、音楽療法に関連する分野の諸学会に
所属して研究を継続していますが、
その中で、当事者の方が発信される研究および当事者個人に
焦点を当てた研究が増えていることを実感しています

当事者と関係者でなくては分からない多様な感情や社会への提言に関して
広い視野を持ちながら、啓発し続けている研究が重く響いてきます。
私が現役の時に立命館大学大学院の異なる研究科に所属されていた
川口有美子さんがALS(筋萎縮性側索硬化症)患者のお母様を介護しながら、
活発にALSに関するシンポジウムを開催されていました。
参加した時の衝撃とも言える感覚を思い出します。

先月、12年間の介護記録を執筆された川口さんの『逝かない身体(医学書院)』が
第41回大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれました
研究としてではなく淡々と書かれていますが、壮絶な事実に私の想像力が追いつかず、
療法で言われる「寄り添うこと」が遠く感じられてなりません。

ただ、全ての患者さんとご家族さんに温かく力強いエールを送られている
想いはひしひしと伝わってきました。
「いのちの尊厳」について自ら問いながら、優しい気持ちにもなれる本です
ALS患者さんへの訪問音楽療法は関西で実施されています。
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