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ガチンコ対決

2010-05-07 15:46:06 | 日記
いまではとんと見られなくなってしまったが、
私が子供のころは、歌合戦の番組が沢山あった。

私はブルースミュージシャンなのだが、ブルースにも
そういった類の「競い合い」がある。
若い頃はよくそういうのにも参加した。
よく仲間とつるんでは、勝負をしかけたものだ。
才能のない奴らはこの手でたたきつぶしてやる、などと本気で思っていた。

最近はそういう人達のバックをつとめることはあっても
自分から好きこのんではやらない。
ブルースでセッションという言葉があれば大体がそれなのだが、
正直、あんなもの何が楽しいのだろうとさえ思っている。

まあ、頼まれて、そういう人達のバックをやることはしょっちゅうある。
なかには、すごい演奏する人が出来てきたりするので、
そういう時は楽しいな、と思う。
でもそれは、一緒に演奏していること、
同じ空間を共有しているということを楽しんでいるのであって、
誰かに勝ったとか負けたとかいう視点ではあり得ない。

反面、「俺にもギターを弾かせろ」と酔っ払って舞台に上がって、
ふざけた演奏をされた日にゃ、
「この野郎、蹴飛ばしてやろうか」と思う(笑)

アメリカに留学していた友人から聴いた話だが、ニューヨークでは
毎日、ジャズでもこうしたセッションが行われているらしい。
そこではスタンダード曲をもとに、そうしたバトルが展開しているそうだ。

今日紹介するCDはこれ、



以前にも紹介したKurt RosenwinkelとJakob Dinesenという新進気鋭の二人による、
いうなればギターとサックスのバトルが展開している。
もちろん、俗に言う同じ楽器どうしのバトルではなく、違う楽器が共演しながら
火花を散らすような演奏をしている。

カート・ローゼンウィンケルは独自の感性をもつ、天才ギタリストだが、
彼のすごいところは、その演奏にはいつでも火花が飛び散るような感覚を覚えることだ。
たった一人で演奏している時にもそれを感じるのだから相当なものだ。

ガチンコで彼に勝てる人はそんなにいないと思う。

プロレスラーでいう、藤原 喜明さんみたいな人だ。
プロレスというショーがうまい人もいるが、彼は本当にケンカが強かったらしい。


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