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大倉草紙

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【東京】 奇想の絵師・歌川国芳展〈文化末習作期から天保中期 Ⅰ〉 (礫川浮世絵美術館)

2009年11月21日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月12日(木)
当日の行程:(東京メトロ・上野駅) → 【皇室の名宝 ― 日本美の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)】 → (東京メトロ・上野駅~三越前駅) → 【夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ― (三井記念美術館)】 → (東京メトロ・日本橋駅~竹橋駅) → 【河口達夫展 言葉・時間・生命】 【権鎮圭 -韓国近代彫刻の先覚者-】 【平成21年度第2回所蔵作品展「近代日本の美術」】(東京国立近代美術館) → (東京メトロ・竹橋駅~後楽園駅) → 【奇想の絵師・歌川国芳展〈文化末習作期から天保中期 Ⅰ〉(礫川浮世絵美術館)】 → (東京メトロ・後楽園駅~乃木坂駅) → 【THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち】 【第41回 日展】(国立新美術館)

国芳が展示されているということで、行ってみた。
礫川浮世絵美術館は初めて。
小さいけれど、好感が持てる美術館。

『本朝水滸伝豪勇八百人一個 犬村大學礼儀』
尻尾が太い化け猫の顔がスゴイ。
「ふんぎゃー」と叫んでいるようだ。

『あふみや紋彦』
竹格子の影が畳の上に広がってゆくさまがイイ。

『通俗水滸伝豪傑八百人之一個 撲天鴎李応』
作品保護のため、室内は明るさを抑えてあるが、美術館の方がペンライトで作品を照らして細部を見せて下さった。
撲天鴎は、獣の上衣を着ていたのだそうだが、空刷りで表現された獣の毛の感じは見事!
本当に、細かい。
訊けば、1ミリの間に5本彫りを入れる技術をもって頭彫りができるようになるのだという。
そう知ってから、毛割ばかり気になって見てしまう。

11月25日までがⅠ期。
12月1日~25日まではⅡ期で、全点入れ替えるようなので、時間があったらまた観に行ってみよう。



【東京】 夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ―  (三井記念美術館)

2009年11月20日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月12日(木)
当日の行程:(東京メトロ・上野駅) → 【皇室の名宝 ― 日本美の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)】 → (東京メトロ・上野駅~三越前駅) → 【夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ― (三井記念美術館)】 → (東京メトロ・日本橋駅~竹橋駅) → 【河口達夫展 言葉・時間・生命】 【権鎮圭 -韓国近代彫刻の先覚者-】 【平成21年度第2回所蔵作品展「近代日本の美術」】(東京国立近代美術館) → (東京メトロ・竹橋駅~後楽園駅) → 【奇想の絵師・歌川国芳展〈文化末習作期から天保中期 Ⅰ〉(礫川浮世絵美術館)】 → (東京メトロ・後楽園駅~乃木坂駅) → 【THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち】 【第41回 日展】(国立新美術館)


「夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ―」の後期を観る。
前・中・後期で、全作品の展示替えを行うとのこと。
前期も中期も行っておけばよかったなあ。


菱川師宣『よしはらの躰』
吉原の厨房を描いたもの。
色彩は地味だけれど、とっても面白い。
鯛をさばく人、蛸をつかまえようとしている人……慌ただしく動く人の気配が伝わってくる。
それをじっと座って見詰めている犬がかわいい。


鈴木春信『双六のけんか』
色が美しい。
思わず微笑んでしまうような場面だ。


東洲斎写楽『市川鰕蔵の竹村定之進』
チラシにでーん!と載っているだけあって、展示室2にこの1点だけがでーん!と置かれているだけあって、素晴らしくキレイ。


月岡芳年『平維茂戸隠山鬼女退治之図』
水面に映る女性の顔は、鬼。

【東京】 皇室の名宝 ― 日本美の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品 (東京国立博物館)

2009年11月19日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月12日(木)
当日の行程:(東京メトロ・上野駅) → 【皇室の名宝 ― 日本美の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)】 → (東京メトロ・上野駅~三越前駅) → 【夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ― (三井記念美術館)】 → (東京メトロ・日本橋駅~竹橋駅) → 【河口達夫展 言葉・時間・生命】 【権鎮圭 -韓国近代彫刻の先覚者-】 【平成21年度第2回所蔵作品展「近代日本の美術」】(東京国立近代美術館) → (東京メトロ・竹橋駅~後楽園駅) → 【奇想の絵師・歌川国芳展〈文化末習作期から天保中期 Ⅰ〉(礫川浮世絵美術館)】 → (東京メトロ・後楽園駅~乃木坂駅) → 【THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち】 【第41回 日展】(国立新美術館)


12日は無料だからか、初日だからか、入館するまでに1時間余りもかかった。
この日だけで15,000人が訪れたのだという。
会場に入ってからも混雑していて、最初のほうに展示されている石器や銅鐸などは、背伸びをしてもなかなか観ることができない。
まるで人の頭を観に来たような感じだった。

チラシの中央に写っているのは、『螺鈿紫檀阮咸(げんかん)』の裏側。
小さな花々も美しいが、鸚鵡の羽根の様子が、実に細かく表されていて素晴らしい。
表側はだいぶおとなしい印象だが、非常に凝ったつくりで、こちらのデザインも観ていて飽きない。
聖武天皇愛用の品だとか。

『螺鈿紫檀阮咸』(奈良時代・8世紀 正倉院宝物)

螺鈿といえば、『平螺鈿背円鏡』(奈良時代・8世紀 正倉院宝物)も、目の前から立ち去り難いほどに愛らしく、混雑を気にしながらも見入ってしまった。


『黄金瑠璃鈿背十二稜鏡』(奈良時代・8世紀 正倉院宝物)
七宝でできた鏡。
色がとてもいい。
古くて美しいものを観ると、どうしてこんなに楽しい気持ちになるのだろう。


高階隆兼筆『春日権現験記絵』(部分)(鎌倉時代・1309年 三の丸尚蔵館)
展示会場では、壁一面に人が張り付いていた。
なので、目にすることができたのは一部分。
雪景色が美しかった。
色鮮やかなこの絵巻が700年前に描かれたものだとは、驚きだ。
数日前にテレビで『春日権現験記絵』に関する番組を見ていたので、とりわけ興味深く鑑賞することができた。


『蒙古襲来絵詞』(部分)(鎌倉時代・13世紀 三の丸尚蔵館)
こちらも大混雑。
教科書でおなじみの絵巻。

並んだ甲斐のある充実した展覧会だった。

【東京】 柳宗悦の世界 -生誕120年記念特別展- (日本民藝館)

2009年11月18日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(京王井の頭線・駒場東大前駅) → 【柳宗悦の世界 -生誕120年記念特別展-(日本民藝館)】 → (京王井の頭線・駒場東大前駅~渋谷駅…JR渋谷駅~原宿駅) → 【特別展 菱田春草〈後期〉(明治神宮文化館 宝物展示室)】【東郷神社】【特別展「江戸園芸花尽し」(太田記念美術館)】


日本民藝館にて、「柳宗悦の世界 -生誕120年記念特別展-」を楽しむ。
明日までなので、慌てて出かける。
入口は、靴が溢れている。
すごい人出だ。

入ってすぐ、受付の前にあるケースには、河井寛次郎の作品が並んでいる。
どれもみな、素敵。

河井寛次郎『辰砂筒描花文茶碗』


河井寛次郎『辰砂丸文角瓶』


大津絵『鬼の行水』
大津絵もあった。
滋賀県の圓満院門跡にある大津絵美術館で観てから、大津絵が気になっている。
この『鬼の行水』は滑稽味溢れる絵なのだが、どんな意味があるのだろう?
帰宅後調べてみた。
外見ばかりを気にする人間を諷刺した絵なのだそうだ。
上のほうに飛んでいるのは何なのか分からなかったが、これは、鬼が脱いだ腰蓑を雨雲に引っ掛けているのだとか。


木喰仏もあった。
今まで、なんとなく不気味だと思うこともあったが、今日は、なぜだか心にしっくりときた。
落ち着く。

今日は、旧柳宗悦邸である西館も公開していた。
こういう住まいはいいなあ、と憧れる。

風邪をひいたのだろうか?
帰宅途中から頭が痛く、寒気がする。
これを書いていても、頭がぼーっとしてきたので、今日は早めに休む。


今日の歩数:14,314歩

【東京】 激動の明治国家建設 〔特別展〕 (衆議院憲政記念館)

2009年11月15日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:【旧乃木邸】【高橋是清翁記念公園】【豊川稲荷東京別院】【「虎屋・寅年・虎づくし」展(虎屋ギャラリー)】【圓通寺】【鈴降稲荷神社】【浄土寺】【激動の明治国家建設〔特別展〕(衆議院憲政記念館)】【藤本能道 命の残照のなかで(菊池寛実記念 智美術館)】【特別展 根来(大倉集古館)】【特別展 幻の京焼 京都瓢池園(泉屋博古館分館)】


衆議院憲政記念館で開かれている「激動の明治国家建設特別展」に行く。
2階の展示場入口で、自由民権運動や憲法の制定について15分ほどでまとめられた映像を見る。
展示は、西南戦争に関するもの、自由民権運動や私擬憲法や大日本帝国憲法誕生に関するもの、そして、以上の事柄に関係していた人々に纏わる品々を「人物回想」と題して紹介している。
そういえば、太融寺は国会期成同盟結成大会が開かれた場所だった、と思い出す。


太融寺にある「国会期成同盟発祥之地」の碑

書状には、それぞれ解説が付されている。
また、一部写真付きの展示品一覧と解説をまとめた小冊子もいただける。
憲法の制定と国会開設に至るまでの決して平坦ではない道のりが、よく分かる。
展示の最後のほうにきて、独語版の『ベルツの日記』があった。
「憲法発布の奉祝準備に慌ただしい東京市内の様子に、『こっけいなことには、誰も憲法の内容をご存じないのだ」とつづっている」と。
複雑な気持ちで、1階の展示場へ。


議場体験コーナー
映像は、麻生太郎前内閣総理大臣。
「鳩山由紀夫内閣総理大臣の所信演説の映像は、現在制作中です」とあった。

1階には、尾崎行雄の遺品や写真などを展示する「尾崎メモリアルホール」もある。
こちらは、三重県の尾崎咢堂記念館を訪れたときの記録。

憲政記念館の周りを歩いてみる。

記念館の前に建つ尾崎行雄銅像

国会前庭へ。

時計塔
尾崎記念会館(現・憲政記念館)が建てられた時に設計され、昭和35年(1960)に完成した時計塔。
三面塔星型は、三権分立を象徴している。
塔の高さは、「百尺竿頭一歩を進む」ということわざから、百尺(30.3メートル)より高い31・5メートルあるのだそうだ。


日本水準原点標庫(千代田区特別登録有形文化財)
「日本全国の統一された標高決定のための基準として、明治二十四年(一八九一)五月に水準原点が創設されたが、この建物はその水準原点標を保護するために建築されたものである。設計者は工部大学校第一期生の佐立(さたち)七次郎(一八五六~一九二二)。(中略)
 日本水準原点標庫は石造による小規模な作品であるが、ローマ風神殿建築に倣い、トスカーナ式オーダー(配列形式)をもつ本格的な模範建築で、明治期の数少ない近代洋風建築として建築史上貴重である。
 平成九年三月三十一日 建設 東京都教育委員会」


「この地の由来」の碑
碑によれば、江戸時代のはじめ加藤清正が居住し、寛永年間に井伊家の居所となり、井伊直弼もここに住んでいたという。
明治以降は、弾正台ついで参謀本部となり、昭和27年に衆議院に移管されたそうだ。


すぐそばに、皇居のお堀も見える。


国会議事堂


銀杏もそろそろ色づいてきた。


今日の歩数:18,485歩

【東京】 権鎮圭 -韓国近代彫刻の先覚者- (東京国立近代美術館) 

2009年11月12日 23時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(東京メトロ・上野駅) → 【皇室の名宝 ― 日本美の華 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品(東京国立博物館)】 → (東京メトロ・上野駅~三越前駅) → 【夢と追憶の江戸 ― 高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 ― (三井記念美術館)】 → (東京メトロ・日本橋駅~竹橋駅) → 【河口達夫展 言葉・時間・生命】 【権鎮圭 -韓国近代彫刻の先覚者-】 【平成21年度第2回所蔵作品展「近代日本の美術」】(東京国立近代美術館) → (東京メトロ・竹橋駅~後楽園駅) → 【奇想の絵師・歌川国芳展〈文化末習作期から天保中期 Ⅰ〉(礫川浮世絵美術館)】 → (東京メトロ・後楽園駅~乃木坂駅) → 【THEハプスブルク 華麗なる王家と美の巨匠たち】 【第41回 日展】(国立新美術館)



今日11月12日は、天皇陛下御即位20年を記念して、国立の博物館や美術館などの入館料が無料であったり、割引料金であったり。
それで朝から張り切って出かけたのだが、欲張りすぎて、くたくた。

権鎮圭という彫刻家については、数日前に東京国立近代美術館のHPを見て初めて知った。
舟越桂の木彫半身像をテラコッタでつくったみたいな作品だなあ、というのが第一印象。
「圭」と「桂」が似ているから、余計にそういうふうに感じたのかも知れない。


『志媛』(1967年)

でも、実際に目にしてみると、全く違っていた。
人物は中性的ではなく、その性も生も、主張している。


『馬』(1969-70)

作家の年譜には、1973年に高麗大学校博物館に展示している自分の作品を見たあと「人生は空、破滅」ということばを遺してアトリエで自ら命を断った、とある。
作品を観ている間じゅう、その最期が頭を離れなかった。
だからだろうか、とても疲れた。
強すぎて、受けとめきれない、そんな感じがした。

実際、今日はとても疲れていたのだけれど。


今日の歩数:17,075歩

【東京】 新創記念特別展 第1部 新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形 (根津美術館)

2009年11月08日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館

新しくなった根津美術館が開館して1カ月。
国宝那智瀧図の展示は今日までなので、くたびれていたが、出かけてみた。



 
『那智瀧図』(国宝)鎌倉時代13-14世紀
右側は、1年半ほど前に撮った那智の滝の写真。



吉野龍田図 江戸時代17世紀
とても鮮やかで美しい。
特に、川の紺色がよかった。


蔵三筆『牡丹猫図』 室町時代16世紀
猫の視線の先には、蝶が舞っている。
実際は、紙が茶色く変色しているので、蝶だとすぐには分からない。
ミュージアムショップにて絵葉書を見ている時に蝶の存在に気が付いて、あわててもう一度観に行った。


庭から見た本館


庭の緑は素晴らしい。


飛梅祠


渡唐天神像が祀られている。
これは、天神となった菅原道真が中国で参禅した姿を表しているそうだ。




庭には、茶室がいくつも設けられている。


紅葉にはまだ早い。
季節が変わるごとに訪れて、庭をゆっくり歩いてみるのもいいかもしれない。

【東京】 荻泉翁コレクション ― 藝に游ぶ ― (世田谷区立郷土資料館)

2009年11月04日 22時10分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(小田急線・経堂駅) → 【世田谷八幡宮】【勝光院】【世田谷代官屋敷】【荻泉翁コレクション ― 藝に游ぶ ―(世田谷区立郷土資料館)】【豪徳寺】【世田谷城址】【松陰神社】


世田谷郷土資料館で、荻泉翁(てきせんおう)コレクションを観る。
荻泉翁こと、小林克弘氏は、古美術商を営みながら近世文人画の研究もなさっていた方なのだそうだ。
荻泉翁は、一昨年に亡くなり、故人の遺志でコレクションが世田谷区立郷土資料館に寄贈されたことから開かれた展覧会だという。


谷文晁筆『富士三保清見寺図』
富士山の画を多く残した谷文晁。
文晁には「写山楼」という別号があり、それは、下谷の家から富士山が良く見えることから付けたのだという。
よっぽど富士が好きだったのだろう。


こちらは展示されているものではないが、歌川広重の「清見潟・清見寺」。
谷文晁も同じような位置から描いたのであろう。
いずれも、お寺の鐘の音が聞こえてきそうだ。
そういえば、高山樗牛の「清見寺の鐘声」というのがあったっけ。


岸駒筆『竹虎図』
岸駒といえば、虎。
岸駒は、迫力ある虎を描くために中国から虎の頭のはく製を取り寄せて、それに虎の毛皮を被せてみたとか、毛の生え方、牙や歯の本数を調べてみたとか、実に様ざまな実験をしている。
驚くべき努力だ。
さて、『竹虎図』の虎が、いささか可愛らしく見えるのは気のせいか、それとも若書きであるせいか。

今日は、このあたりへ用事で出かけたついでに、豪徳寺周辺を散策してみようと考えていた。
予め道順も調べていたのだが、そのメモを家に忘れてしまった。
それで、携帯で思いつく場所を調べながら歩くことになった。
世田谷代官屋敷に寄った際に、隣の郷土資料館でこの展覧会をやっていることを知り、軽い気持ちで建物に入る。
予定にない思いがけない展覧会もいいものだ。

【東京】 特別展 菱田春草〈前期〉 (明治神宮文化館 宝物展示室)

2009年10月30日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月28日(水)
当日の行程:(千代田線・明治神宮前駅) → 【特別展 菱田春草〈前期〉(明治神宮文化館 宝物展示室)】【明治神宮】


前期の展示は10月29日まで。
だから、明治神宮前駅を通ったとき、今日行くしかない、と地下鉄を降りた。
書簡や兄の菱田為吉の多面体などを含めた33点の展示。
決して作品数は多くないのだが、その分ゆっくり観ることができたのはよかった。


『落葉』(部分)個人蔵(明治42年)
他の『落葉』とは違い、大地が描かれているという説明があった。
福井県立美術館所蔵の『落葉』がパネルで紹介されている。
あぁこれは、ちょうど1年ほど前、松伯美術館で開かれた『革新者たちの挑戦~よき人よき友 松篁の見つめた人々~』で目にしたな、と思い出す。
パネルをたよりにそのときの記憶と呼び戻し、目の前の『落葉』と比較しながら観る。

春草のエピソードが紹介されている。
猫を描くのに、近くの焼き芋屋の猫を借りてきていたが、すぐに逃げ出すので何度も借りに行かねばならなかったという息子の話はおもしろい。
『黒き猫』をはじめ、春草は、何点もの猫の絵を残している。
会場にも、『竹に猫』水野美術館(明治33年)と『白き猫』春草会(明治34年)の2点が展示されている。
そんなわけで、春草のことを猫好きだと勝手に思っていたのだが、実際はそうではなく、あまり好きではなかったようだ。
『竹に猫』の凛とした猫の佇まいが印象的だ。
『竹に猫』という作品名ではあるが、猫が見詰めているのは竹林ではなく、大輪の百合の花。
まるで勝負をしているかの如く、向かい合っている。

息子の話は、代々木での生活についても触れている。
『落葉』が生まれたのが、この代々木の地であるとは知らなかった。
木々も多く、散策するのにちょうどよい場所であったのだろう。
そもそも、「代々木」という地名は、代々大きな樅の木が育つ地であったことから付けられたのだそうだ。

昭和20年の戦禍で焼失した後、植え継いだ現在の「代々木」


『躑躅図』遠山記念館(明治38年)
淡い緑の山に、朱色の躑躅が映える美しい作品。

そのほか、『伏姫』長野県信濃美術館(明治33年)や『寡婦と孤児』東京藝術大学(明治28年)などが印象に残っている。
後期は『雀に鴉』も展示されるそうだから、また足を運んでしまうだろう。

【三重】 伊賀流忍者博物館

2009年10月29日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
7月20日(月)
当日の行程:(車) → 【高山神社】【津城】【伊勢上野城跡】【神戸城】【大黒屋光太夫記念館】 → 【心海寺(磯吉の菩提寺・大黒屋家の菩提寺)】 → 【大黒屋光太夫らの供養碑】 → 【宝祥寺(小市の供養碑)】 → 【白子新港(大黒屋光太夫出帆の地)】【伊賀亀山城】【関宿旅籠玉屋歴史資料館】 → 【関まちなみ資料館】【芭蕉翁生家】 → 【芭蕉翁記念館】【伊賀流忍者博物館】【伊賀上野城】【蓑虫庵】【鍵屋ノ辻】【御斎峠】【多羅尾陣屋跡】 


伊賀といえば、忍者。
忍者と聞くと、わくわくしてしまう。
この忍者屋敷は、伊賀市高山にあった忍者屋敷を移築、復元したもの。


どんでん返し
右側の板壁は回転扉。
人が入ると同時に板壁の状態に戻り、入口であることが分からないようになっている。


仕掛け戸
左端に紙片を上下同時に差し込むと閂が外れ、脱出できる仕組み。

忍者体験館では、手裏剣、水くも、まきびしなど、忍者の道具が展示されている。
くさびかたびら体験コーナーというのもある。

身に付けてはみなかったが、手に取ってみると、ずしりと重い。
くさりかたびらの中には、重さが20キロに及ぶものもあるという。
身を守るためというより、体力、筋力のトレーニングをしていたとか。


秘密文字
漢字が伝来する以前に日本に存在していた文字。
忍者が活躍した戦国時代には、この文字を読解することのできる人はいなくなっていたので、秘密文字として使用されていたそうだ。