大倉草紙

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【京都】 伏見稲荷大社

2008年12月31日 19時04分11秒 | 旅 - 京都府
7月26日(土)
当日の行程:(京阪電車・伏見稲荷駅) → 【伏見稲荷大社】 … (自転車) → 【鳥羽伏見戦跡石碑】【城南宮】【鳥羽離宮跡公園】 → 【戊辰戦争東軍戦死者之墓(悲願寺墓地)】【寺田屋】【月桂冠大蔵記念館】【鳥羽伏見戦の弾痕】 → 【伏見奉行所跡】【伏見桃山城】【桓武天皇柏原陵】 → 【明治天皇伏見桃山陵】 → 【昭憲皇太后伏見桃山東陵】


   
                  楼門

伏見稲荷大社は。全国に約4万社ある稲荷社の総本宮。
祭神は、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)を主神に、佐田彦大神(さたひこのおおかみ)、大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)、田中大神(たなかのおおかみ)、四大神(しのおおかみ)の5柱。

楼門は、天正17年(1589)、豊臣秀吉が母親の病気平癒を祈願して建てたものだという。


   

楼門の両脇にいるのは、狐の「狛犬」。


   
                  外拝殿

外拝殿の軒には、吊り灯籠が12基下がっている。
灯籠の窓には、黄道十二宮の星座の意匠が施されている。


   
                  内拝殿

元禄7年(1694)に造営。
当初は本殿に付いていたが、昭和36年(1961)に本殿と切り離した形となった。
内拝殿の奥に本殿があり、内拝殿の前で参拝するようになっている。


   
               本殿(重要文化財)

以前の本殿は、応仁の乱の兵火で焼失し、現存の本殿は、明応8年(1499)に再興されたもの。


   
          
                 千本鳥居

お山めぐり。
千本鳥居は、千本どころか、約1万基もあるらしい。
下の写真のように、ぎっしりと鳥居が並んでいるところもあり、それが陽を遮ってくれるので歩きやすい。


   
                 奥社奉拝所

   
                奥社奉拝所の絵馬

千本鳥居を抜けると、奥社奉拝所がある。
奥社奉拝所の絵馬は、狐の形。


          
                おもかる石

奥社奉拝所の奥には、おもかる石がある。
灯籠の前で願い事を祈念し、灯籠の頭を持ち上げて、そのときに感じる重さが思っていたよりも軽ければ願いは叶い、重ければ叶わないとされる試し石。
思っていたのと同じくらいだったのだけれど、努力次第ということだろうか。


   
        熊鷹社                  三徳社

熊鷹社は、勝負事の御利益があるそうだ。
三ツ辻を過ぎると、三徳社がある。


   
              三ノ峰・下ノ社御神蹟

下ノ社御神蹟は、白菊大神と崇められてる。
明治20年代の半ば、ここから変形神獣鏡が出土したそうだ。


   
              二ノ峰・中ノ社御神蹟

中ノ社御神蹟は、青木大神と崇められている。


   
              一ノ峰・上ノ社御神蹟

ここが稲荷山の最高峰。
標高は、233メートル。
思いのほか楽に登ってくることができた。
あとは下りのみ。


   
               御膳谷のお塚

御膳谷神蹟には、かつて、御饗殿(みあえどの)と御竈殿(みかまどの)があり、三ヶ峰の神々に神供をしたところと伝わる。
御膳谷には、たくさんのお塚が並んでいる。


   
   
いろんな狐と出会う。
おかしな格好をしていると、思わず笑ってしまう。


   
              四ッ辻からの眺め

四ッ辻からの眺めは素晴らしかった。


   

お腹が空いてきたので、四ッ辻にある「にしむら亭」にて、いなり寿司をいただく。
景色はいいし、いなり寿司はおいしい。
こちらのお店、俳優の西村和彦さんのご実家なのだそうだ。


   
                  末廣大神

たまたま通った末廣大神、こちらは蛙の「狛犬」。

   
                手水舎の蛙

          
蛙の背には、2匹の子蛙が乗っている。
後ろ姿は、かなりキュートだ。


          
            伏見稲荷大社の手ぬぐい

お尋ねしたところ、手ぬぐいは販売していないとのこと。
かつて「記念品」として作ったものを、分けていただいた。
ありがたい。


          
            伏見稲荷大社の御朱印


  
伏見稲荷大社奥社奉拝所の御朱印 

【鳥取】 鳥取砂丘

2008年12月30日 23時12分55秒 | 旅 - 鳥取県
本日の行程:(車)→ 【鳥取砂丘】【鳥取城跡】【城崎(温泉寺・一の湯)】【智恩寺】【天橋立】【元伊勢籠神社】 


鳥取砂丘を初めて見た。
その姿は写真やテレビの映像では知ってはいたものの、やはり実際に目にすると感動するほどにスケールが大きい。


こんなふうに、すり鉢状になっている場所もある。


こうやって、よじ登っていく。


すると、日本海が顔を現わす。


日本海とは逆の方を振り返ると、このような水の流れがある。
この水は、どこから沸いてくるのだろう。


今日の歩数:25,511歩

【鳥取】 鳥取砂丘 砂の美術館

2008年12月29日 20時31分34秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(車) → 【松江郷土館】【松江城】【小泉八雲記念館】【松江の武家屋敷】【月山富田城跡】【足立美術館】【名和神社】 → 【元弘帝御着船所】 → 【後醍醐天皇御腰掛石】【白兎神社】【鳥取砂丘砂の美術館】 → (鳥取泊)


兵馬傭

鳥取砂丘砂の美術館へ行ってみる。
来年1月3日までは、「世界遺産・アジア編~アジアの風にのって~」というタイトルで、兵馬傭、人頭有翼の雄牛像、ペルセポリスのレリーフ像、古都アユタヤの遺跡、カジュラホ寺院の壁画、エローラ石窟寺院とその彫刻、バーミヤン大仏と石窟、アンコールトム、タージマハル、姫路城、万里の長城の11の世界遺産の見事な彫刻が展示されている。


ペルセポリスのレリーフ像


万里の長城


姫路城

どの彫刻もすばらしかったが、最後に観た姫路城が一番心に残っている。
会場内には、幸福の鐘があり、訪れた人が順に鳴らしていた。
そのそばで、新しい彫刻にとりかかっている人がいた。
新年に向けて、丑の彫刻を作っているのだという。
思いがけず、製作の現場を見ることができ、得をした気分だ。
あと3日後には新しい年、丑年か。
早いなあ。


今日の歩数:14,477歩

【広島】 豊国神社(千畳閣)

2008年12月28日 19時42分41秒 | 旅 - 広島県
本日の行程:(車…JR宮島連絡船・宮島口~宮島) → 【豊国神社(千畳閣)】【厳島神社】【大願寺】【宮尾城跡(要害山)】 → (宮島松大汽船・宮島~宮島口…車…自転車) → 【石見銀山(石見銀山資料館〈大森代官所跡〉・熊谷家住宅・大森町並み交流センター〈旧大森区裁判所〉・旧河島家住宅・豊栄神社・龍源寺間歩・清水谷製錬所跡・大久保石見守墓・羅漢寺)】 →(車)→ (松江泊)


千畳閣と呼ばれるこの建物は、天正15年(1587年)、豊臣秀吉が戦没将士の慰霊のため、安国寺恵瓊に命じて建立したもの。
重要文化財。
瓦には、「王」の文字が入っている。

厳島神社で、厳島合戦の合戦場跡をお尋ねしたところ、現在の豊国神社あたりが激戦地だったとのこと。


千畳閣、または千畳敷と呼ばれるのは、畳857枚分もあるというその広さ故である。
明治の神仏分離令で、閣内の仏像は大願寺に遷され、明治5年には秀吉公を祀り豊国神社と改称し、厳島神社の末社となった。


千畳閣の隣にある五重塔は、応永14年(1407)の建立。
重要文化財に指定されている。


豊国神社(千畳閣)の御朱印


今日の歩数:14,270歩

【岡山】  星野仙一記念館

2008年12月27日 23時10分27秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(車) → 【備中高松城跡】【最上稲荷】【鯉喰神社】【大原美術館】【星野仙一記念館】 → (広島泊) 


倉敷では、当地出身の星野仙一氏の博物館に立ち寄る。

1階は土産物屋。
ラーメン、饅頭など、見事なまでに星野仙一の顔入り。
また見事なまでに、阪神一色。
まるで中日時代がなかったようだ。

2階はミュージアム。
まず、15分間、星野の半生を振り返ったビデオを観る。
その後、倉敷商業時代から北京五輪日本代表監督までの野球人生を振り返る記念品を観る。
こちらには多少なりとも中日時代の記念品が陳列されていた。
それにしても、美観地区の一角に場違いな博物館を作れるほどなのか、星野の政治力は。


今日の歩数:16,465歩

【京都】 修学院離宮

2008年12月26日 22時49分01秒 | 旅 - 京都府
本日の行程:(京阪・出町柳駅…叡山電鉄・出町柳駅~修学院駅) → 【修学院離宮】【曼殊院門跡】【八大神社】【詩仙堂丈山寺】



修学院離宮は、後水尾上皇によって造られた上皇の離宮。
下離宮」「中離宮」「上離宮」から成る。
時折、雪が舞っている。
聞けば、今年初めての雪なのだそうだ。

【下離宮】

御幸門
こけら葺きの屋根。
板戸には、花菱紋の透かし彫りがある。


寿月観の御輿寄


寿月観は、こけら葺き数奇屋造りの建物。
文政7年(1824)に改造されたもの。


「寿月観」の扁額は、後水尾上皇の宸筆。


寿月観の一の間は、15畳、そのうち3畳を上段とし、背後には一間半の床、その脇には琵琶床と違棚がある。


違棚の絵は、原在中の筆による。


虎渓三笑の襖絵は、岸駒(がんく)の筆による。


この珍しい形の灯籠は、「袖形灯籠」というのだそうだ。


【中離宮】

松並木を通って、中離宮へ。

松並木から山のほうを見る。
奥のほうに、うっすらと白く雪で覆われた山が比叡山。


楽只軒
楽只軒は、上皇の第八皇女・光子内親王の朱宮御所の最初の建物。
その後、朱宮内親王が仏門に入り林丘寺という尼寺となる。
明治18年(1885)、その一部の建物が返還されて現在に至る。


林丘寺二代普光院宮が疱瘡にかかり、治癒祈願のために護摩が焚かれ、そのために煤で室内の壁は黒くなったという。
その後の修復でかなり綺麗にはなったそうだが、それでもまだ煤の痕が残っている。


客殿は、楽只軒のすぐ隣に建っていて、階段で繋がっている。
東福門院の御所の一部を移築したものなのだそうだ。


霞棚
客殿の内部は、修学院離宮の他の建物と比べ、かなり豪華な装飾が施されている。
室内の違棚は「霞棚」と呼ばれ、桂離宮の「桂棚」、醍醐三宝院の「醍醐棚」と共に、天下の三大名棚として名高い。


引手は羽子板の形をしている。


杉戸に描かれた鯉。
網がかかっているのが面白い。
鯉を描いたのは誰であるのか定かではないが、網は円山応挙の筆によると言われているそうだ。


山鉾を描いた杉戸もある。
住吉具慶の筆による。


網干の欄干


【上離宮】

浴龍池
上離宮に入り、大刈込みの間を登っていくと、急に視界が開ける。
思わず声を上げてしまうほど、感動的な光景だ。
山々が美しく、寒さも気持ちよく感じる。
「浴龍池」はその名の通り、龍が水浴している池なのだそうだ。
池の中央に浮かぶ島を龍に見立てているのだという。


隣雲亭
修学院離宮のなかで、一番標高の高いところに位置する茶室。
それで「隣雲亭」か。
しゃれている。
建物は外観も、内部も、簡素なものだ。
写真の左手にある板の間は、「洗詩台」と呼ばれている。


一二三石(ひふみいし)
隣雲亭の軒下のたたきには、漆喰に石が埋め込まれている。
よく見れば、石が一つ、二つ、三つ、そんなふうに組み合わされている。
だから、「一二三石」と呼ばれるそうだ。
赤いのが鞍馬石で、黒いのが鴨川石だという。

 
隣雲亭の裏手には、「雄滝」が山から浴龍池に向かって流れ落ちている。
その滝を眺めるように「滝観灯籠」が建っている。


千歳橋


楓橋


「窮邃亭」は改修工事中で中を見ることはできなかった。


「窮邃亭」の扁額は、後水尾上皇の宸筆。


西浜


土橋


御舟宿


大刈込み
浴龍池の水は、谷川の水を集めたものである。
水を堰き止めるための土堤や石垣を隠すために、このような生垣が作られている。
生垣は数十種類の常緑樹からできているという。

幾度も抽選もれをして、ようやく訪れることができた修学院離宮。
ここは秋の紅葉の頃が素晴らしいと聞いていたが、冬の修学院離宮もなかなか良かった。


今日の歩数:16,140歩

【京都】 琳派ⅩⅠ 花の協奏曲 (細見美術館)

2008年12月25日 20時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月27日(木)
当日の行程:(JR・京都駅…タクシー) → 【東福寺】【龍吟庵】【即宗院】 → (タクシー) → 【開館25周年記念 館蔵名品展(野村美術館)】 → (タクシー) → 【琳派ⅩⅠ 花の協奏曲(細見美術館)】【ふたつで一つ(京都市美術館)】 


細見美術館の琳派展は、11回を数えるそうだ。
今回は、花鳥図に焦点をあてた展覧会。
魅力的な作品が揃っていた。


「伊年」印「四季草花図屏風」(部分)
60種類もの草花が描かれている。
屏風の解説として草花の名前が示されているので、それと照らし合わせながらひとつひとつの草花を調べるように観る。
素朴に佇む草花も、金地の背景に照らされて、ゴージャスに見える。


尾形光琳「柳図香包」
これは、もともとはお香の包みだったそうだ。
なんとも贅沢な!
お香を包んでいたときの跡が残っている。


渡辺始興「簾に秋月図」
作品の前から離れがたく思うほど、美しかった。
秋の草花と月といった、よくある風景なのに、簾が一枚掛かっているだけでこんなにも印象が変わるのかと驚く。


鈴木其一「白椿に楽茶碗花鋏図」
シンプルなのだけれど、椿の白と茶碗や鋏の黒のコントラストが美しい。
同じ黒を基調とした濃淡なのに、葉のみずみずしさ、花鋏の鋼の手触り、それから茶碗の質感など、様ざまな感じが伝わってくる。


酒井抱一「紅梅図」
吉原の遊女・小鸞をやっとのことで身請けした幸せに満ちた頃に描かれたものだそうだ。
漢詩は、「雪を踏み分けて行くことも、二人ならば労を厭わない。春は遠いが、梅の良い香りは漂ってくる」という内容だとのこと。
繊細な枝の先の、まだ咲き初めの赤い梅が可愛らしい。

展示では、「梅くらべ」「菊くらべ」「朝顔くらべ」など、別の作者によって描かれた同じ花を比べる試みもあり、これもまた、楽しめた。



【京都】 ふたつで一つ (京都市美術館)

2008年12月24日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月27日(木)
当日の行程:(JR・京都駅…タクシー) → 【東福寺】【龍吟庵】【即宗院】 → (タクシー) → 【開館25周年記念 館蔵名品展(野村美術館)】 → (タクシー) → 【琳派展ⅩⅠ 花の協奏曲(細見美術館)】【ふたつで一つ(京都市美術館)】 


京都市美術館で「ふたつで一つ」を観る。
屏風をはじめとして、一対になった絵画や彫刻などが展示されている。
展示の後半では、作者が対を意図したわけでなくても、モチーフが共通していたり、画面形状が共通するといったことから、対と見立てることのできる作品が並ぶ。
なかには些か強引ではないか、対にすることでイメージの膨らみが期待できるのだろうか、と疑問を抱かせる組み合わせもあったように思える。


(三代)伊東陶山「牛、飾皿一対」(昭和28年〔1953〕)
これは、おもしろくて、好き。
来年は、丑年。
こんな飾皿を眺めながらお正月を迎えられたら、良い気分だろうなあ。


北野恒富「いとさんこいさん」(昭和11年〔1936〕)
下駄の朱色と、左端にぽつんと朱い花が目をひく。
向かって右がいとさんで、左がこいさんかな。

 
(左)上村松園「人生の花」(桜)(明治32年〔1899〕)
(右)上村松園「人生の花」(梅)(明治32年〔1899〕)
桜と梅は、女性の着物の図柄。
色彩、袖のかんじ、俯き加減、着物や帯の柄が微妙に異なる2つの作品。
見比べるのも楽しいし、それぞれをじっくり観るのもいい。


菊池契月「少女」(昭和7年〔1932〕)
この女性は、息子・隆志のお嫁さん。
対になっているのは息子の作品、菊池隆志作「爽夏」。
いずれも魅力的な作品だ。
きりりとした眼差しが、いい。

この展覧会での展示は無いが、菊池契月は、この女性を「友禅の少女」や「散策」でも描いている。

菊池契月「友禅の少女」(昭和8年〔1933〕)


菊池契月「散策」(昭和9年〔1934〕)
よっぽどお気に入りのお嫁さんだったのだろう。
「友禅の少女」や「散策」のほうが描かれた年代は新しいのだが、「少女」に比べて少女っぽいのはなぜだろう。


【大阪】 酒器に酔う-東アジアの酒文化 (大阪市立東洋陶磁美術館)

2008年12月23日 21時22分15秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月19日(水)
当日の行程:(大阪市営地下鉄・淀屋橋駅) → 【酒器に酔う-東アジアの酒文化(大阪市立東洋陶磁美術館)】 → (大阪市営地下鉄・淀屋橋駅~梅田駅…阪急・梅田駅~伊丹駅) → 【旧岡田家住宅、旧石橋家住宅(伊丹市立伊丹郷町館)】 → 【2008伊丹国際クラフト展[酒器・酒盃台](伊丹市立工芸センター)】 → 【生誕200年記念ドーミエ★人間喜劇(伊丹市立美術館)】 → 【柿衞文庫小企画展 山陽の柿・子規の柿(柿衞文庫)】 → 【向井潤吉展-風土をみつめる旅-(伊丹市立美術館)】【有岡城跡】




チラシにあるのは、「五彩金襴手 花鳥文 瓢形瓶」〔明時代・16世紀〕(重要文化財)。
対になった孔雀、鶴、鹿など吉祥の鳥や動物が描かれている。
形は瓢箪型。
瓢箪は、種子が多いことから多子多産の吉祥だという。
実におめでたい酒器である。



「青花 草花文 面取瓶」〔挑戦時代・18世紀〕

とても美しい酒器。
安宅コレクションの生みの親である安宅英一氏が執念を燃やして手に入れた一品だという。



左上:「青磁 杯」〔南宋~元時代・13世紀〕
右下:「澱青釉紅斑 杯」〔金時代・12~13世紀〕

このような杯でお酒をいただいてみたいものだ。
右下の「澱青釉紅斑 杯」は、青と紫の上品な色がいい。

ほかに、「青粉引 瓶」〔朝鮮時代・16世紀〕や「白磁 面取瓶(銘「国宝」) 」〔朝鮮時代・18世紀〕がよかった。

こちらの美術館の常設展を観るのも楽しみだ。
ついつい時間を忘れて見入ってしまった。

【奈良】 秋の美・冬の美 (大和文華館)

2008年12月22日 20時04分31秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
11月30日(日)
当日の行程:(近鉄・学園前駅…奈良交通バス・学園前~大渕橋) → 【革新者たちの挑戦~よき人よき友 松篁の見つめた人々~(松伯美術館)】【秋の美・冬の美(大和文華館)】 




大和文華館で「秋の美・冬の美」を観る。


李迪「雪中帰牧図」(国宝)

のんびりとした感じがなんとも言えずによい。
獲物は雉だろうか。
描かれている牛も人物も、なんだか嬉しそうだ。
左右の大木も印象深い。


伝本阿弥光悦「沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒」(重要文化財)

蒔絵、青貝、金貝で鹿が描かれている。
その数は23頭!
ケースに入って展示されていたが、正面からのみ観ることができ、残りの3面に布が掛けられていて見えなかったのが残念。

そのほか、好みであったもの、気になったものをいくつか。
「青花栗鼠山査子文鉢」は、栗鼠が山査子の枝に登っている姿を見込み一面に描いた鉢。
山査子のくるくるした弦と栗鼠が可愛らしい。
側面には、驚くべき細工が施されている。
見込みに描かれた栗鼠を裏側から見た図を立体的に表しているのだ。
ちょうど、山査子の木の下から覗いた具合になる。
いっぺんに気に入ってしまった。

英一蝶の「僧正遍照落馬図」もおもしろい。
タイトル通り、女郎花に見惚れて落馬した僧正遍照が描かれている。
きょとんとした馬の表情もいい。
僧正遍照の歌「名にめでて折れるばかりぞ女郎花われ落ちにきと人に語るな」(古今集)をもとに描かれた作品とのこと。