大倉草紙

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【奈良】 幕末明治の銅版画 上方のモノトーン風景 (天理参考館)

2008年08月31日 23時46分22秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
   
          

天理参考館で開かれている企画展「幕末明治の銅版画 上方のモノトーン風景」を観る。

3階の会場に展示されているのは、玄々堂、水月堂、春泉堂らの銅版画。
作品は、はがきサイズの小さなものが多いのだが、実に細かい部分まで描かれている。
作品を拡大複写したものも並べられていて、それを見て、作品中の文字を確認するほどである。
昔はこんなふうだったのか、と比較しながら眺めるのは楽しい。
銅版画に混ざって、北斎の木版色刷「阿蘭陀画像 江戸八景」のなかから、吉原、観音も展示されていた。
木版画で、銅版画風に描いているとことがおもしろい。
さすが北斎と思える構図で、小さな画面に広がりを感じてしまうから不思議だ。

「世界の生活文化」と「世界の考古美術」のふたつのコーナーから成る常設展も見応えがあった。


天理参考館の近くを歩いてみる。

   
すぐ目の前にあるのは、天理高校。
高校ではないような建物だ。

   
天理参考館の裏手には、天理教教會本部。
建物も、敷地も大きく、驚かされた。


今日の歩数:16,048歩

【東京】  近代工芸の華 明治の七宝-世界を魅了した技と美-(泉屋博古館分館)

2008年08月30日 18時23分19秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
8月23日(土)
当日の行程:(日比谷線・神谷町駅) → 【第14回秘蔵の名品 アートコレクション展-パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋-(ホテルオークラ東京アスコットホール)】【紙で語る Paper Materials(大倉集古館)】【近代工芸の華 明治の七宝-世界を魅了した技と美-(泉屋博古館分館)】 


   
          

知らないことが多い。
たいていは、知らないということに気付くことすらなく、通り過ぎてしまうのだが。

ホテルオークラ東京アスコットホールの「第14回秘蔵の名品 アートコレクション展-パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋-」のチケットで、大倉集古館と、泉屋博古館も観ることができる。
七宝というと、小さい頃に、知り合いのおばさんが趣味で作ったブローチを見た記憶くらいしかなく、それはそれで美しかったのだけれど、強い興味を持つこともなかった。
そんなわけで、「近代工芸の華 明治の七宝-世界を魅了した技と美-」というタイトルを見ても、具体的なイメージは湧いてくることもなく、チケットがあるのだからついでに観てみよう、と軽い気持ちで会場を覗いてみた。

ところが、息を呑むほど美しい作品がずらり。
難しいことは何も分からないけれど、雷に打たれたような衝撃があった。
会場に入ってすぐのロビーで上映しているビデオで、七宝の技法について初めて知る。
今度、清水三年坂美術館にも行ってみようと思う。

【東京】 第14回秘蔵の名品 アートコレクション展 (ホテルオークラ東京アスコットホール)

2008年08月29日 17時35分58秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
8月23日(土)
当日の行程:(日比谷線・神谷町駅) → 【第14回秘蔵の名品 アートコレクション展-パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋-(ホテルオークラ東京アスコットホール)】【紙で語る Paper Materials(大倉集古館)】【近代工芸の華 明治の七宝-世界を魅了した技と美-(泉屋博古館分館)】 


   
          

ホテルオークラ東京アスコットホールで、「第14回秘蔵の名品 アートコレクション展-パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋-」を観る。

展覧会は、3部構成になっている。

(1)西洋絵画“パリのエスプリ”
モネ、ドービニー、ピサロなどの作品が並ぶ。
モネの『ヴェルノン教会の眺め』(1883)とセザンヌの『庭にある大きな花瓶』(1897-98頃)が良かった。

(2)日本画“京の雅・江戸の粋”
竹内栖鳳『虎』(1928)は、体を見れば虎そのものなのだけれど、顔がかわいい。
北沢映月『舞妓』(1960)は、斬新で、印象に残っている。
あとは、葛飾北斎『日月龍図』(1801-04)が良かったかな、ちょっと贔屓目に見ているけれど。

(3)版画
葛飾北斎と歌川広重の作品が展示されている。
北斎は、観ていて楽しい。
広重の『東海道五十三次』(1855)のなかでは、「庄野(白雨)」が良かった。
激しい雨音と、人々の足音が聞こえてくるようだ。


充実した展覧会だった。
また来年、観に行こう。

【岐阜・滋賀】 伊吹山ドライブウェイ

2008年08月28日 23時55分29秒 | 旅 - 岐阜県
本日の行程:(車および徒歩) → 【関ヶ原の戦いゆかりの地①東軍②西軍③傍観軍・反応軍④陣跡以外の史跡】 → 【美濃不破関跡・壬申の乱史跡】【寝物語の里】 → 【おくのほそ道芭蕉道・野ざらし芭蕉道】【伊吹山ドライブウェイ】【国友鉄砲の里史料館】【姉川古戦場跡】【小谷城跡】


関ヶ原の戦いの陣跡を見て回ったあとに、伊吹山ドライブウェイを走る。
入口の料金所で、山頂は霧が出ていると聞くが、登ってみることにした。
料金は、普通自動車で3000円。
高いなあ。

伊吹山の標高は1377メートル。
伊吹山ドライブウェイは、1260メートル地点まで車で登ることができる。


   

途中、対向車線に黒ヤギが歩いていた。
山から出てきてしまったのだろう。
対向車線の車は止まって、ヤギがどこかへ逃げるのを待っている。
こちらも、ヤギが飛び出してくるのではないかとヒヤヒヤする。

   

ヤギは、のんびりした足取りで、山へと戻っていった。
一安心。


山頂に近づくにつれ、霧は濃くなっていく。
山頂駐車場に車を停め、外に出ると、肌寒いほど気温が低い。

   

残念ながら、霧が遮ってしまっていて、眺望がきかない。
案内板によれば、ここからは、琵琶湖、竹生島、賤ヶ岳が見えるそうなのだが。


          
                芭蕉の句碑

芭蕉の句碑がある。
「そのままよ 月もたのまし 伊吹山」


   
               恋慕観世音菩薩

いわれは分からないのだけど、伊吹山は、「恋人の聖地」らしい。


   
                 遊歩道

山頂まで約20分の「中央遊歩道コース」と山頂まで約40分の「西遊歩道コース」、そして、下り専用の「東遊歩道コース」がある。
写真は、「西遊歩道コース」の入口。

このあとすぐに、大雨が降りだした。
山頂まで遊歩道を歩くことなく、遅い昼食の「伊吹そば」を食べて、山を下る。
駐車場から車を出すときも、周りが見えないほどに霧が濃い。

伊吹山の遊歩道では、美しい高山植物が目を楽しませてくれるという。
きょうは花々を見ることができなかったけれど、黒ヤギに遭遇できたし、しかも、黒ヤギは無事に山に戻ることができたし、まあいいか。


今日の歩数:18,130歩

【岐阜】 問屋場跡・大垣宿本陣跡

2008年08月27日 22時23分36秒 | 旅 - 岐阜県
本日の行程:(車) → 【問屋場跡】 → 【大垣宿本陣跡】【奥の細道むすびの地】 → 【奥の細道むすびの地記念館】【大垣城跡】【中山道赤坂宿本陣跡】【勝山】【南宮大社】【美濃不破関跡・壬申の乱史跡】 → 【関ケ原の戦いゆかりの地①東軍②西軍③傍観軍・反応軍④陣跡以外の史跡】 → (大垣泊)


【問屋場跡】

   
          

問屋場跡の札には、次のようにある。
「宿場において人馬の継立の業務を行った所が問屋場である。ここへ問屋役をはじめ、その助役の年寄、事務担当の帳付、その他、馬指や人馬指が詰めていた。大垣宿の問屋場は本町にあったが寛文の頃にここ竹島に移った。問屋役は飯沼家が本陣役と兼帯して勤めていた」

この札のほかにも、天保十八年(一八四三年)当時の大垣宿と近隣の宿との家数、人口、旅籠の数、本陣の数、脇本陣の数、問屋場の数、助郷村の数、宿並町の数を比較した表などがあり、楽しめる。



【大垣宿本陣跡】

   
   
     昭和初期の本陣表門(大垣宿本陣跡前の案内板より)

大垣宿本陣跡の札には次のようにある。
「本陣は、宿場のほぼ中央に位置し、お大名や宮家・公家・幕府役人などの貴人が利用した休泊施設である。
 大垣宿本陣は、永禄の頃沼波玄古秀実が竹島町を開き、はじめて本陣を創立したと伝えられる。以後、本陣役は、宝暦五年(一七五五年)には玉屋岡田藤兵衛が勤め、天保十四年(一八四三年)には、飯沼定九郎が問屋を兼ねて勤めた」

「明治天皇行在所跡明治11年(1878)10月22日明治天皇は、東海・北陸御巡幸の帰途、美濃路大垣宿の旧本陣飯沼武右衛門邸に泊まられた。
 飯沼邸は往還に沿って南面し、主屋には上段の間・下段次の間・家老の間・台所等の諸室が配され、なかでも明治天皇が泊まられた『上段の間』は、奥庭に面した書院造りの大変風格のある8畳間であった」


今日の歩数:23,864歩

【兵庫】 第53回全国高校野球軟式野球選手権大会 (明石公園野球場)

2008年08月26日 22時29分16秒 | スポーツ観戦
本日の行程:(車) → 【明石魚の棚】【明石城】【第53回全国高校野球軟式野球選手権大会(明石公園野球場)】【三木城跡】 → (大垣泊)


   
   


明石公園野球場で、全国高校軟式野球選手権大会1回戦を観戦。
カードは広島商対修徳と甲子園でおなじみの高校同士。
どんなもんだろうと、興味津々で球場に向かう。

両チームともブラスバンドを呼び寄せる熱の入れよう。
広島商はチアガールも来ていた。

両エースとも球威・制球は十分。
特に広島商の浜井智弘投手はそのまんま甲子園のマウンドに立たせてもいいレベルで、かなりの好投手。
窪田直也捕手も強肩で、バッテリーがかなり固い。

試合は8回に3点を取った広島商が5対0で勝利。
1・2年生が8人の修徳は惜しいことに守備が乱れた。

硬式と違ってバットとボールの反撥が小さいため、飛球は伸びず、ゴロは遅い。
そのため投手が有利な競技。どうやって1点を取るか頭を使う。
走者がいる状況で思い切りたたき付けたり、逆打ちをしたり、またランナー3塁でエンドランをかけたり。

試合終了後、観客が自転車に乗ってこぞって帰っていった。
地元に密着した大会であることを実感。


今日の歩数:15,353歩

【滋賀】 大津絵美術館・圓満院門跡

2008年08月25日 22時31分18秒 | 旅 - 滋賀県
本日の行程:(JR大津京駅) → 【近江神宮】 → (京阪・近江神宮前駅~別所駅) → 【大津絵美術館・圓満院門跡】 → (京阪・三井寺駅~京阪膳所駅) → (【義仲寺】月曜日は閉まっていて拝観できない) → (京阪・京阪膳所駅~石山寺駅) → 【石山寺】【瀬田の唐橋】


先日、大倉集古館で、「紙で語る Paper Materials」を観た。
大津絵が数点、展示されていた。
決して巧くはないのだけれど、素朴な味わいがあり、風刺の効いた大津絵は、観ていて楽しい。
大津に「大津絵美術館」があるというので、行ってみることにした。


   
              圓満院門跡・勅使門

大津絵美術館は、圓満院門跡にある。


          
                芭蕉の句碑

境内には、大津絵を詠んだ芭蕉の句碑がある。
  「大津絵の筆のはじめは何佛」


   

このチケットで、圓満院門跡の宸殿と庭園、大津絵美術館を回ることができる。
順路に従い、宸殿と庭園から。


   
              宸殿(重要文化財)


    

宸殿の襖絵は、狩野探幽の筆によるもの。
ただし、観ることができるのは、複製。
オリジナルは、京都国立博物館が所蔵している。


   

宸殿では、投扇興を楽しむことができる。
所要時間30~60分(制限時間なし)で、800円。
圓満院門跡では、このほかにも、座禅や僧・尼僧体験もできるらしい。


   
                  玉座

   
                  庭園

   
            宸殿の廊下から見える本堂  



宸殿をぐるっと回り、回廊でつながった大津美術館の建物へ。
大津絵美術館の1階には、鳥羽絵も飾られている。
鳥羽絵は、江戸中期に大坂で流行した滑稽画。

   
              鳥羽絵『放屁合戦』

この作品には、驚いた。
人気があるのか、有名なのか、『放屁合戦』の複製が売店にも置かれていた。


2階は大津絵コーナーになっている。
大津絵は、江戸初期に、大津の宿場で、縁起物としての神仏画を旅人に売ったのがそのはじまり。
パンフレットで挙げられている大津絵の特徴は以下の4点。
 ・名も無き画工たちが書き始めた
 ・多くの絵柄は風刺、教訓の意味を持つ
 ・他の絵画にはない独自の筆致を持つ
 ・多くの色を用いない


          
          
               大津絵『猫と鼠』

これと同様のものが、大倉集古館の「紙で語る Paper Materials」でも展示されていた。
鼠は、自分の体ほどもある大きな盃でお酒を飲んでいる。
猫は、唐辛子をつまんで、鼠にお酒を勧める。
お酒に酔った鼠を捕らえようという魂胆だ。
この大津絵には、お酒に呑まれて我を忘れることを戒める意味があるそうだ。


          
            大津絵『猫と鼠の酒盛り』

こちらは、大津市の歩道の脇に置かれた大津絵のプレート。
先ほどの大津絵とは違って、鼠が猫にお酒を勧めている。
プレートの下にある解説には、次のように書いてあった。
『鼠が差出す肴の唐辛子、猫の肴は当然鼠で、「聖人の教えを聞かず終に身を滅ぼす人のしわざなりけり」とある』


          
             圓満院門跡の御朱印


今日の歩数:21,809歩

【東京】 結婚披露宴

2008年08月24日 23時10分05秒 | 雑記


義弟の結婚披露宴。
お嫁さんは、明るくしっかりした女性。
おめでとう。お幸せに。



ハート型のウエディングケーキは、かわいいだけでなく、とてもおいしい。
あっと驚く演出もあって、楽しい雰囲気の披露宴だった。

【東京】 紙で語る Paper Materials (大倉集古館)

2008年08月23日 22時45分32秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
本日の行程:(日比谷線・神谷町駅) → 【第14回秘蔵の名品 アートコレクション展-パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋-(ホテルオークラ東京アスコットホール)】【紙で語る Paper Materials(大倉集古館)】【近代工芸の華 明治の七宝-世界を魅了した技と美-(泉屋博古館分館)】 

   
                大倉集古館
  
大倉集古館は、日本初の私立美術館なのだそうだ。
建物は、国の登録有形文化財に指定されている。


          

ここで、「紙で語る Paper Materials」を観る。
書状、屏風、絵巻、かるた等、紙に描かれた美術品が並ぶ。
「源氏香かるた」は美しいだけでなく、面白い。
「大津絵」は、先日、大津に出かけた時に、歩道の脇に置かれた大津絵のプレートを見たばかりなので、興味深かった。
鼠に唐辛子のお酒を勧める猫の絵は、滑稽で、かわいらしい。

紙の役割は、昔と今とでは、だいぶ変わってしまっている。
手紙は電子メールに、ニュースはネットで、紙をつかって遊ぶ子どもは減って、紙幣までも電子マネー。
それが悪いわけではないけれど、紙で残された趣ある文化に触れ、たまにはのんびりと過ごしてみるのも必要なのかな、と思った。

【滋賀】 石山寺と湖南の仏像 ―近江と南都を結ぶ仏の道― (大津市歴史博物館)

2008年08月22日 18時15分15秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
8月16日(土)
当日の行程:(JR・堅田駅)…(江若交通バス・堅田駅~佐川美術館) → 【冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く(佐川美術館)】 → (江若交通バス・佐川美術館~堅田駅)…(JR・堅田駅~大津京駅) → 【石山寺と湖南の仏像 ―近江と南都を結ぶ仏の道―(大津市歴史博物館)】【弘文天皇長等山前陵】 → 【新羅善神堂】 → 【フェノロサの墓】 → (京阪・皇子山駅~出町柳) → 【五山送り火】


   
              大津市歴史博物館

          

大津市歴史博物館で、企画展「石山寺と湖南の仏像 ―近江と南都を結ぶ仏の道―」を観た。

大津市の南郊を流れる瀬田川流域、田原道沿道の湖南地域は、近江と大和(南都)を地理的に結んでいるだけではなく、文化的にもつないでいたといわれる。
その交流の跡を、仏像を通して辿るというのが、この展覧会の趣旨であるようだ。

方々の仏像がこれだけ集まるというのは、貴重な機会だろう。
飛鳥時代や白鳳時代の仏像から、江戸時代の仏像まで、時代の変遷を見ることもできる。
浄光寺の木造阿弥陀如来立像(鎌倉時代)は、裸形阿弥陀像。
裸形の像に布製の衣を着せ、写実的な表現を目指したのだそうだ。
石山寺の木造二天立像(平安時代・重要文化財)は、截金と銀のあられ文様が施されていて、豪華である。
石山寺の木造大日如来坐像(鎌倉時代・重要文化財)は、快慶作。
この展覧会のポスターやチラシになっているだけあって、存在感ある仏像だった。
大津周辺の地理を勉強していけば、もっと楽しめたかな。