沖縄Daily Voice

沖縄在住の元気人が発信する

歌をたずねて、あまハイ くまハイ vol.1 しゃかりチアキ

2009年07月06日 | 月曜(2006年7~8月):チアキさん
 ハイタイ!
今日拝なびら(ちゅーうがなびら=ご機嫌いかがかしら?)
皆さま、こんにちは。
初めましての方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
私は『しゃかり』という音楽ユニットでボーカルを担当しており、
沖縄を中心に活動をしておりますチアキです!
今回ステキな縁で、こういう風にブログを書かせて頂ける事となりまし
た。
でーぢでーぢ(とてもとても)嬉しく思っております。
という事で私のコーナーでは、私が日頃生活している中で、観て聞いて
感じた事をお伝えし、
そして私自身も、沖縄音楽に更に目を向け、皆さまと一緒にあまハイ!
くまハイ!(あっち行ったりこっち行ったり)しながら、歌の旅が出来
たら嬉しいな~と思っております。
それではこれから2ヶ月間、ユタシクウニゲーさびら!(よろし
くお願い致します)


☆第一回目の旅 「花ぬカジマヤー」☆
 
 私が歌を歌うきっかけとなったのは、祖母の影響からでした。
私の祖母はとても音楽が好きで、家の中では毎日ラジオや録音したカ
セットから音楽が流れ、
そして一緒に歌っておりました。
また私の祖母は全盲でしたので、外で私を遊ばせる事が出来ず、家で一
緒に出来る「うた遊び」が、
私の一番の楽しい遊びでした。
そんな祖母からは、たくさんの歌を学びました。
 さて今回はその中から「花ぬカジマヤー」をご紹介したいと思います。

 「花ぬカジマヤー」は、沖縄一円で親しまれているわらべ歌で、メロ
ディーも覚えやすく楽しい曲です。
標準語表記だと「花の風車」。
そして夏の風物詩であります『エイサー』では必ずと言って良いほど演
舞される曲なので、
きっとウチナー大好きな皆さんは、どこかで聞いた事があるかも知れま
せんね。

「カジマヤー」とは風車を意味し、風をうけてクルクルと回る風車が、
花のように美しい様子を歌にしています。
歌詞の途中で「チントゥンテントゥン、マンチンタン」というお囃子が
出てくるのですが、
「チントゥンテントゥン」はきっと、三線の音を表しているのかと思わ
れますが、
「マンチンタン」とは、ハテ?。。。何を意味しているのか。。。謎な
んです(笑)
ちなみに島唄にはこういう面白い反復表現が結構多いんですよ~。
なので先人達はその頃から言葉遊びも楽しみ、ユニークな人が多かった
のが思い描かれますね。

その「花ぬカジマヤー」、沖縄では旧暦の九月七日に数え年の九十七歳
の長寿を祝う
『カジマヤー』という行事にも、深い繋がりがあると考えられます。

人は誰でも『カジマヤー』を迎える歳になると童心に帰るとされ、風車
はそれを象徴するもの。
そして楽しかったこと、辛かった事、色んな出逢いと別れを意味し、
その人の一生に例えられていると言われています。

その行事では、祝い座にたくさんの風車を飾り、カジマヤー(九十七
歳)を迎えた本人も風車を持ち、
街中をパレードするんですね。
そしてその長寿にあやかろうと参列した大人、子供達にもみんなに風車
が配られ、
集落全体で盛大にお祝いをします。
それはそれは華やかで優しくて、で~ぢ感動する光景なんですよ。
 

 沖縄のわらべ歌は、風土に育まれた自然発祥の明るく元気な歌がたく
さん残っています。
その多くが詠み人知らずという点からも、文明はどんどん変化しており
ますが、
今も昔も『心』は同じなんだということを、その時の「ウチナーン
チュ」が語ってくれています。
そしてこの「花ぬカジマヤー」も永い歴史の中、色あせることなく多く
の人に愛され、
歌い継がれた名曲に違いないでしょう。

 私達しゃかりも、こんな風に永遠に歌い継がれる歌が創れたらいい
な~!!歌者冥利に尽きますね♪
そしてそして、私がカジマヤーを迎えた時、百人くらいの子や孫に囲ま
れて、そして片手には三線を持ち、
この「花ぬカジマヤー」を大熱唱したいさ~♪
はまてぃ、いちゅんどー!(がんばるねー!)



「花ぬカジマヤー」

♪花ぬ風車(カジマヤー)や
風連(かじち)りてぃ 回(みぐ)る

(花のような風車は 風を連れて回るよ)

♪我(わん)や友連(どぅしち)りてぃ
 今(なま)どぅ 戻る(むどぅる)

(私は友を連れて 時間を戻るよ)

国際通りでカジマヤーパレードの様子



写真右)カジマヤーの風車 左)カジマヤーパレードの様子


text:しゃかりちあき



しゃかりオフィシャルサイト(言葉のかわりに心の歌を)
http://www.syakari.jp/



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