沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

沖縄県(本島)における市町村の溶融炉依存率

2015-09-06 11:11:31 | ごみ処理計画
どれだけの沖縄県民が知っているかは分かりませんが、沖縄県(本島)における市町村の溶融炉依存率は約80%に達しています。つまり、本島においては約100万人の沖縄県民が溶融炉に依存して暮らしていることになります。

本島で溶融炉を整備している市町村のうち中城村北中城村清掃事務組合は平成26年度から溶融炉を休止(平成27年度からは事実上廃止)していますが、同組合は人口が少ないので本島における県民の溶融炉依存率はやはり約80%ということになります。

全国的な統計データはありませんが、この依存率の高さは間違いなく日本一です。

最近、内地では溶融炉を整備する市町村が激減しています。「維持管理費が高い」とか「トラブルが多い」という理由もありますが、溶融炉を選定しない決定的な理由になっているのが「溶融スラグの安定的な利用が困難」というものです。

内地における溶融スラグの利用率は平均すると50%以下です。そして人口の多い市町村ほどこの利用率が低くなっています。

沖縄県の本島は内地においては政令指定都市並みの人口ですが、その住民の約80%は溶融炉に依存しています。この場合1年間に約5万トン(全国平均)の溶融スラグが発生していることになりますが、これだけの量を「沖縄県の本島」という限られた地域で長期間100%安定した利用を続けていくことは不可能に近いと考えています。

実は、このブログの管理者は沖縄県民としてこのことを一番心配しています。

会計検査院は溶融炉を稼動していても溶融スラグの利用が行われていない場合は「補助目的を達成していない」と判断しています。そして国(環境省)もそのことに同意しています。そうなると、沖縄県においては約100万人の県民が今後とも溶融スラグの安定した利用を続けていかなければならないことになります。しかし、実際に利用を行っていくのは国の補助金を利用して溶融炉を整備している市町村になります。国や県はアテになりません。

仮に、各市町村において溶融スラグの利用が困難になった場合はどうなるか?

このブログの読者であれば容易に理解できるはずです。

沖縄県が県の計画において今後とも溶融炉の整備を推進していくのであれば、県の公共事業において溶融炉を整備している全市町村から排出される溶融スラグの利用を引き受ける必要があると考えます。

※沖縄県において溶融炉を休止している市町村が、法令違反を是正するために溶融炉を再稼動しても、国の計画に従って長寿命化を行い、補助金適正化法の規定に従って補助目的を達成するために溶融スラグの100%利用を続けて行かなければなりません。それができない場合は、国の財政的援助が受けられなくなります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。