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増加する心の病の労災申請

2012-07-26 17:05:39 | インポート
 厚生労働省の発表によると、平成23年度に心の病が職場のストレスなどによるものだと労災申請された件数は、1272件で(昨年度比91件増)過去最高となり、そのうち約4分の1が労災として認定されたということです。
 申請した人の内訳をみると、職種別では、「事務従事者」が323件と最も多く、次いで「専門的・技術的職業従事者」の318件、販売従事者167件と続きます。年代別では、30代が420件で最も多く、40代が365件、20代が247件となっています。
 申請が認められたなかで最も多かったのは、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」という理由で52件です。次いで、「職場で悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」という理由が48件、3番目に多かったのが、「職場で(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という理由が40件でした。
 近年、精神障害の労災請求件数が大幅に増加しており、認定の審査には平均約8.6ヶ月を要しているのが実情で、このため、審査の迅速化や効率化を図るための労災認定の在り方について、新しい基準が設けられたようです。ストレスを引き起こす業務上の出来事を具体的に36項目示し、そのストレスを「強」「中」「弱」に分類し、実際の出来事をこれに当てはめて認定の判断基準とするということです。
 「強」に分類されるストレスには、①会社の経営に響く重大なミスをし、事後対応もした ②退職を強要された ③ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた などがあります。しかし、「達成困難なノルマが課せられた」や「複数で担当していた業務を一人で担うようになった」は「中」程度のストレスとされ、労災と認定されません。
 過酷な競争原理にさらされて心の病を発症した人にとって、そのストレスの程度は「中」だとか「弱」だとか判断され、それを不服として訴訟などで争うことになったら、新たなストレスをつくり出すことになってしまうと思うのですが。
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