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未来の記憶または展望記憶について №214

2014-03-15 09:54:02 | インポート
記憶は、思い出のように、後で思い出す過去の出来事ばかりだけではありません。会議の予定やデートの約束のように、将来のある時点で行う行為を覚えておかなければならない記憶もあります。このような記憶を、未来記憶または展望記憶といいます。未来記憶の特徴は次のように説明されています。
①記憶の対象が「計画された『行為』」であること
②その行為を意図してから実行に移すまでの間に、ある程度の「遅延期間」があること
③その行為を実行しようとする意図が一度意識からなくなり、再度それを「タイミングよく自発的に想起」する必要があること。
 未来の記憶では③の「想起のタイミング」が最も重要な特徴と言われています。お客との約束や恋人とのデートの約束などを忘れると信頼を失い、契約の破棄や破局を迎えることになるからです。
 私たちは、大事な約束を忘れないように、手帳やメモなどの補助記憶用具を利用しますが、その効果には限界があります。なぜなら、多くの補助記憶用具は行為の内容を思い出す際に手がかりにはなりますが、「タイミングよく」その行為を想起させてくれるわけではないからです。
 年を取ると誰もが経験することですが、認知機能が衰えたのを自覚してメモを取るようにしていても、メモしたことを忘れてしまうこともあります。近年は、パソコンや携帯電話の普及により、自分の頭で物を考えなくても済んでしまう傾向が強くなり、若年性健忘症になる人も少なくないといわれています。年齢とは関係なく、刺激が少なかったり使う機会が減ると、脳が衰えて健忘症を引き起こす可能性が高くなります。
 20代~30代で人の話している事が理解できなかったり、聞いた事もすぐに忘れてしまったり、日にちや曜日など同じ事を何度も尋ねたり、食べたものを思い出せないなどの症状のある人は要注意です。
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