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苦しむ(2)

2006-09-02 20:55:10 | 雑談
考えがまとまらないので、他人の説を借りてくるしかない。といっても生活と密着した日中関係についての本はあるのかしら?とにかく切羽詰まっているので、手元にあるものを利用するしかない。加藤徹『貝と羊の中国人』を利用しよう。

私の中国イメージでは、中国人は利を重んじる合理主義者である。しかし同時に中国はイデオロギー的な正義を振りかざす。このあたりを加藤氏は、「羊の文化」と「貝の文化」という形で説明する。

加藤氏の説明はおおよそ次の通りである。

中国人の祖型は、今から3000年前、殷と周という二つの民族集団がぶつかり合ってできた。前者の気質を貝の文化、後者を羊の文化と加藤氏は呼ぶ。

貝の文化の特徴
殷人的・農耕民族的
本拠地は東方・東南の地
多神教的
有形の財を重んじる
老荘的=道教的

羊の文化の特徴
周人的・遊牧民族的
本拠地は西方・西北の内陸部
一神教的
無形の「主義」を重んじる
孔孟的=儒教的

「現代中国人は、太古の二つの祖先から、ホンネとしての貝の文化と、タテマエとしての羊の文化の両方を受け継いでいる。異質の二つの性向が、どちらも彼らの血肉となっている。ここに中国人の強みがある。」

「2005年4月の「反日デモ(反日暴動)」においても、貝と羊の使い分けが見られた。政府の愛国教育は「羊」である。日本との経済関係は維持したいというホンネは「貝」である。反日デモに対する中国政府の対応は、…ある意味で見事だった。政府は頃合いを見計らって「デモ以外にも愛国心を表現する方法はある」と愛国主義の旗を振りつつ、実際には反日デモを封殺した。民衆のほうも心得たもので、風向きが変わったのを感じたとたん、ピタリと反日デモをやめた。三千年にわたって貝と羊の両方を使い分けてきた中国人ならではの、阿吽の呼吸である。」

なるほど中国人はホンネとタテマエを見事に使い分けることが巧みなのか。われわれのように、反日デモにカッカしたり、落胆するよりもたくましいかもしれない。でもホンネとタテマエどちらが重要なのかな?タテマエがホンネを侵食することは可能なのだろうか?
コメント
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