国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

苦しむ(3)

2006-09-03 23:44:03 | 雑談
話がズレ気味だが続ける。中国のホンネとタテマエに関して、加藤徹『貝と羊の中国人』のノートの続きである。

加藤氏は抗日戦争六十周年の2005年8月北京にいた。テレビのゴールデンタイム枠は連日、抗日戦争特集を放映した。生き残りの老人が、日本軍がいかに残虐であったかを涙ながらに証言するようなものである。さらに、日本人の民族性は残虐と野蛮さにある。中国の農村が遅れているのは日本軍の蛮行のせいであると断ずる。

日中関係の未来が絶望的であるように思える。しかし同じ時期でも夕方には「頭文字D」「ドラえもん」等の日本アニメが放映されていた。町の中では「吉野家」や日本風の回転すしの店なども中国人客で繁盛していた。加藤氏は滞在の3週間、日本人という理由で中国人から不快な目に遭わなかった。

北京の大型書店の外国書籍の品揃えから見れば、日本語学習者の層の厚さは、英語よりは少ないが、ロシア語や韓国語に比べるとずっと多い。また日本から輸入したコミックやファッション雑誌が特別の棚に陳列されていた。親日派かはともかく、日本に興味ある人が多いようだ。

中国人がもし全員「反日」で、心の底から日本人を憎んでいるなら、日本語の教科書や、日本のコミックなどが、これほど売れるだろうか。商品経済は、「貝の文化」であり庶民のホンネを示している。

「日本人が中国の表層だけを見て、感情的「嫌中」に走るなら、心のなかで日本に好意を寄せる中国人までをも、「敵」に回してしまう可能性がある。」

要するに感情に走って中国人のホンネを見失うなということである。聞くべき意見であると思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする