どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

聴耳頭巾

2012年11月02日 | 昔話(日本)
 動物の話がヒントになって、そのとおり行動すると結末がハッピーエンドに終わる昔語も多い。

 昔の人は動物を理解するとことについてどのように考えていたのか。動物だけでなく草木についても精霊の存在を信じていたのか。
 
 日本昔話百選(稲田浩二・和子編著/三省堂)にある「聴耳頭巾」は、おじいさんがお宮にお参りしているときに、神様から鳥がさえずっているのも、木がはなしているのも人が話しているように聞こえるという宝頭巾をさずかります。

 この頭巾のおかげで貧乏なおじいさんが、庄屋からたくさんのほうびのお金を手に入れ、一生安楽に暮らします。
 
 この物語が木下順二の戯曲では、「聴耳頭巾」を
 「あまり使うもんではねえな」
 「いいこともあるが悪いこともあるべ」
 「鳥の話など聞いてまたどげな悪心をおこしとうなるもんではないわ」
 「地道に働くが何より大切だろうて」ということでおわるのが印象的である。

 助けられるのは、狐、蛇、亀、鯛、ねずみなどがでてくるほか、「聞き耳」は頭巾や、杖、笠、しゃもじが、聞き分けるのは、カラス、スズメ、シカそれに木などがでてくるといいますから、全国に幅広く分布しているようです。

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