どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

カヌーをなくした少年・・クック諸島

2021年03月04日 | 昔話(オセアニア)

      おはなし島/南太平洋クック諸島から/文・カウラカ・カウラカ 版画・田主誠訳・生田節子 熊谷俊美/保育社/1996年

 

 南太平洋にあるクック諸島の昔話。ほとんどなじみのない地名も、昔話をとおしてふれる機会をもてるのも、不思議な縁。

 北クック諸島にあるマニヒキ島の話です。

 

 二人の兄弟が、カヌーで遊んでいると、強い風でカヌーがあっという間に波にさらわれてしまいました。

 兄がカヌーを探して、小さな島にやってくると、島の人たちは、隣の島に行くようおしえてくれます。その島に行くと、隣の島に行くよういわれ、三番目の島にいくと、そこには、少年のおばあさんがいて、カヌーを探すのはやめて帰りなさいといわれます。

 少年がカヌーをあきらめきれずにいると、おばあさんが、人食いの化け物が、カヌーをさらっていったので、カヌーをとりもどしたら、けっして声を出さずにかえってきなさいと、教えてくれます。

 少年は、化け物が波乗りを楽しんでいるうちに、カヌーを取り戻しますが、あまりのうれしさに、林を走っているとき、おばあさんの忠告をわすれて、声をあげてしまいました。

 声を聞いた化け物たちは、少年をとらえて殺し、こんがりやいて食べてしまいます。

 しかし父親が、息子を探して化け物がいる島にいき、こん棒をふりまわして、おおぜいの化け物をやっつけてしまいます。

 父親が、かまどのまわりにちらばっていた骨を拾い集めてココナツの殻に入れ、息子の命をよみがえらせてくださいと神さまに祈ると、生き返った息子が姿を現します。

 

 クック諸島は、北クック諸島と南クック諸島からなり、ニュージーランドと自由連合形態をとっています。


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