南アフリカの民話/アーダマ:編・再話 掛川恭子・訳/偕成社/1982年初版
楽しそうなタイトルで、たしかに家は道のまんなかにあるのですが、内容とはあまり関係がありません。
夫に死に別れたウナナナが、子どもたちの世話をノンタンドという若い娘にまかせて、野生のジャガイモをとりにでかけました。
ウナナナは、子どもに手を出そうとする動物があったら「これはウナナナの子どもだよ。ウナナナの魔法の力でまもられているんだから。」と、いってやるようにノンタンドにいいつけます。さらにアバトワがやってくるようなことがあったら「ずっと遠くから、おいでになるのがわかりましたよ」と、あいさつするように、教えました。
アバトワは人間の指ぐらいの大きさですが、小さな体で草のなかにかくれて、毒をぬった矢を射てきます。
ヒヒ、ライオンがやってきますが「ウナナナの子です。ウナナナの魔法の力でまもられているんです。」とノンタンドがこたえると「かわいい子どもたちだ。ウナナナの子でなけりゃ、つれてくんだが」といいながら、いっていまいます。
次に馬にのり、矢のたばをせおった百人のアバトワがやってきますが、ノンタンドが「こんにちわ、アバトワ! 丘の上をやってくるところがみえましたよ」と話すと、アバトワも去っていきます。
「まじないのことば」と自尊心を傷つけないことばが子どもをまもってくれていたのですが、それだけではおわりません。
きばが一本しかないゾウがやってきて二人の子どもを飲み込んでしまいます。
家に帰ってきたウナナナは子どもたちをさがしにでかけ、ゾウと遭遇しますが、ナイフや食べ物もろとも、飲みこまれてしまいます。
しかし、ウナナナはあわてず騒がず、ナイフでゾウのろっ骨のあいだを、大きくきりさいたので、ゾウの胃袋からは人間も犬もヤギも、切り口から飛び出します。
道のまんなかにある家には、助けられた人がお礼の品をもってきたようですよ。
小さいことを気にしていたアバトワは、人間の指の大きさとありますから、こびとより小さいようですが、なにか気になる存在です。
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