どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

すてきなテーブル

2021年12月22日 | 絵本(外国)

     すてきなテーブル/ピーター・レイノルズ 島津やよい・訳/新評論/2021年

 

 おとうさんは おきにいりのソファーに腰掛け、大画面のテレビに夢中

 おかあさんは スマホでチャット中

 おにいちゃんは 自分の部屋にこもって タブレットでオンラインゲーム中

 ヴァイオレットは たくさんおしゃべりして 笑いあったり お祝いをしたり うれしいことも いやなことも わかちあった テーブルにすわり ひとりで食事

 ところが 思い出が詰まったテーぶるが だんだん ちぢんでいって しまいには てのひらに すっぽり おさまるほどになり まばたき したとたん 消えてしまいます。

 バラバラになった家族の絆を取り戻すため、ヴァイオレットは とっておきの作戦に挑戦します。あたらしいテーブルを つくることです。

 おとうさんといしょにDIYの番組を見て

 おかあさんには、SNSで ともだちにテーブルの作り方を きいてもらい

 おにいちゃんには タブレットで 設計図の 書き方を調べてもらい

 みんなで いっしょに テーブルを つくることを 提案したのです。

 

 みんなが一緒になって テーブルをつくっている会話が聞こえてきそうです。

 今日的なテーマで、これまでなかったのが不思議なくらい。

 バイオレットちゃんの家族、また語り合う場所ができたのですが、一歩間違えるとすれ違いが拡大していく危うさもはらんでいる 今の社会状況です。

 

 歩きながら、そして電車にのるとほぼ全員スマホで沈黙というのも珍しくありません。少し距離を置く時間も必要です。


この記事についてブログを書く
« そもそもオリンピック | トップ | 「ふるやのもり」と類似する... »
最新の画像もっと見る

絵本(外国)」カテゴリの最新記事