どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふたりはいつも

2014年01月18日 | 絵本(外国)
ふたりはいつも  

   ふたりはいつも/アーノルド・ローベル・作 三木 卓・訳/文化出版局/1977年初版

 

 季節をめぐる五つの話から構成されている絵本。
 絵本といいながら挿絵風に描かれ、かえるくんとがまくんの友情がほのぼのとしています。

<そりすべり>
 寒い寒い冬。いやがるがまくんをそりすべりにさそったかえるくん。
二人でそりすべりをはじめたのはいいが、かえるくんはそりから落っこちて。それに気がつかないがまくんは、かえるくんが一緒に乗っているものと思ってどんどんすべりおります。
 途中、からすが、ひとりだよと声をかけると、そりは木にあたってゆきにつっこみます。

 がまくんは暖かいベッドのほうがよかったみたいです。

<そこの かどまで>
 雨に降られたかえるくんとがまくん。かえるくんがお父さんから聞いたお話をはじめます。
春を探しにいったかえるくんのお父さん。角を曲がって、曲がって、曲がっていくと、鳥が歌って、お父さんとお母さんが働いているところへ。
 雨が止むと、かえるくんとがまくんは、春を探しに外にでかけます。
 「春がそこのかどまできているんだよ」と、春を探すに行く気持ちがつたわってきます。

<アイスクリーム>
 暑い暑い夏の日。がまくんはアイスクリームを買いに。
 かえるくんのアイスクリームも買って帰る途中、アイスクリームが溶けてしまいます。溶けたアイスクリームが上着や足や顔の上にかかっておばけのよう。

 でも、かえるくんはそんなことはきにしません。二人でお店に行ってアイスクリームを買って、大きな木の陰で二人仲良くアイスクリームを食べます。

<おちば>
 10月になって地面は落ち葉だらけ。
 友だちおもいのかえるくんは、がまくんの家の落ち葉をかきあつめに。
 一方、がまくんは、かえるくんの家の落ち葉をかきあつめに。

 お互いに驚かそうと考えたのですが、かきあつめた落ち葉は、かぜにまってもとのもくあみ。
 二人は、明日は自分の家の落ち葉をかきあつめようとおもって、ねむりにつきます。

<クリスマス・イブ>
 クリスマスのばん。がまくんはごちそうをつくって、かえるくんを待ちます。
 ところが、かえるくんがなかなかやってこないので、心配になります。
 深い穴におこっていないか、森で迷子になっていないか、おおきなけものにおっかけられていないか?
 フライパンでけものをぶんなぐってやろうと外に出たがまくん。そこでかえるくんに出会います。かえるくんはプレゼントを用意するのに時間がかかっていたのです。

 <アイスクリーム>や<落ち葉>ではよかれと思ってやったことがうまくいきませんが、二人はそんなことは気にしてなくて、怒るなんてことはしません。

 <そりすべり>や<クリスマス・イブ>では、友だちを思う気持ちがつたわってきます。
 <クリスマス・イブ>では、がまくんがいろいろ想像をたくましくするところは笑えます。

 劇的なことはありませんが、気持ちがやさしくなれる絵本です。
 小型本なので、眠る前に親子で読みたい本です。
 
 同じ作者の語りも聞くことがありましたが、新鮮な感じでした。          


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