どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

コヨーテの二つの話

2021年03月05日 | 昔話(北アメリカ)

      コヨーテのはなし/アメリカ先住民のむかしばなし/リー・ベック・作 ヴァージニア・リー・バートン・絵 安藤紀子・訳/徳間書店/2020年

 

・コヨーテ、ガラガラヘビをこらしめる

 恩を仇でかえそうとするガラガラヘビをこらしめる話。どこの国でも同じようです。

 ウサギが坂道を下っていくと、石の下にガラガラヘビが下敷きになっていました。ウサギが力いっぱい石を押したり引いたりして、ヘビを助けますが、ヘビは助かるとウサギを食べようとします。

 そこへコヨーテが通りかかります。それぞれの言い分を聞いたコヨーテは、当時の状況を再現するよういいます。へびがそれでいいといったので、コヨーテは、ウサギと力を合わせ、重い石をまたヘビの上において、そのままにしておきます。

 

・コヨーテ、オオカミからヒツジをすくう

 ふとったヒツジと、とてもやせたヒツジにであったオオカミが、ヒツジを食べようとします。

 やせたヒツジは「わたしはおいしくないですよ。がりがりで、おまけに骨がかたいのなんのって」、ふとったヒツジは、「あぶらっこすぎて、食べたら、むかむかしますよ!」といい、「あしたまでに、もう少しふとって、きょうよりおいしくなりますから」「もう少し痩せて、食べてもむかむかしないよういなりますから」と、なんとか食べられないようにします。

 オオカミは、コヨーテにきめてもらうことに。

 コヨーテは、オオカミは印のつけたところに立ち、ふとったヒツジは、印の北へ20歩、やせたヒツジは南へ20歩から走ってくるよういいます。そしてオオカミの方に先についた方が、あすまでいきのびられる。しかし、負けたほうは、きょう食われる競争をもちかけます。

 同じぐらいの早さで駆けだした二匹が、両側からオオカミのあばらに頭突きをすると、オオカミは息もたえだえで、地面にたおれてしまいます。二匹のヒツジは、すぐに一目散に逃げだしてしまいます。

 

 コヨーテはヒツジの頭突きの威力を知っていたのでしょう。


この記事についてブログを書く
« まいにちがプレゼント | トップ | インディアンのシンデレラ姫 »
最新の画像もっと見る

昔話(北アメリカ)」カテゴリの最新記事