どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ジメリの山

2020年03月12日 | グリム

    グリムの昔話2/フェリックス・ホフマン:編・画 大塚勇三・訳/福音館文庫/2002年

 

 アラビアンナイト「アリババと四十人の盗賊」の前段部分のみの話です。

 一人は金持ち、一人は貧乏な兄弟がいて、穀物をあきなっていた貧乏な男が山のなかで、でくわしたのが荒っぽうそうな男12人。

 木の上にのぼってようすをみていると、男たちが「ゼムジの山よ、ゼムジの山よ、開け!」というと、山の真ん中が左右にわかれて、ぽっかり口が開き12人はそのなかへ。

 12人が背中に重たい荷物をかついででてきて「ゼムジの山よ、ゼムジの山よ、閉じよ!」というと、山の入り口はふさがってしまいます。

 貧乏な男が盗賊たちの真似をすると、同じように入り口が開き、なかには金や銀がぎっしりつまり、真珠や宝石などが山のようにつまれていました。男は金貨だけをもって家に帰ります。

 金持ちの男も山に出かけますが、入り口を閉じるまじないをわすれてしまい、盗賊たちにみつかって命を落としてしまいます。

 「開けゴマ!」というフレーズは、何十年たっても記憶にのこっています。

 グリムの昔話は、ドイツの昔話がもとになっていると思っていたら、アラビアンナイトのなかのものもあってびっくり。

 「アリババ」はアラビアンナイトの原本になく、1710年ごろ発行されたものにはじめてみられるといいます。グリムの昔話の初版は1812年といいますから、ほぼ100年前。

 前段部分だけでは物足りないと思うのは、アラビアンナイトのほうに親しんでいるからでしょうか。


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