さじかげんだと思うわけッ!

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ガリレオ、無罪記念日

2008-05-09 23:19:43 | 
ガリレオ・ガリレイ(1564~1642)といえば、天文学の父と呼ばれ、フランシス・ベーコンと並んで、近代科学の門扉を押し開いた偉大なる科学者です。
その功績は、実に多彩。
身近なところでは、望遠鏡を天体観測に使う。それから、記録上では黒点の最初の観測者。ほかには月面の正確なスケッチを残しましたし、木星の衛星を見つけたのも、ガリレオです。
物理学の分野では、振り子の等時性。落体の法則ですね。
しかし、中でも特に有名なのは、地動説の提唱と推進ですね。
地動説というのは、「地球が動く」…つまり、それまでの「天が動く」天動説の対義の説なわけです。
天動説ってのは、地球を宇宙の中心として天が動くと。
ガリレオや盟友ケプラー(1571~1630)が生きた時代は、教会が絶対的な権力を持っていたわけですよ。
教会ってのは、神が絶対なわけでいかにも、天動説が好きそうではないですか。
神の力と世界の存在をイコールで結びたかった。そのためには、天動説は実に都合がよい学説だったんですね。
そんなときに、ポーランドにコペルニクス(1473~1543)が現れて、地動説を唱えました。とはいえ、コペルニクスは聖職者でもあり、自身が唱えた地動説に一定の自信を持ちつつも、公表することは差し控えていたようです。
しかし、ガリレオが現れたことで、地動説を取り巻く状況が一変。
彼は科学的証拠を持って、唱えたわけですね。
そうすると、教会としては非常に都合が悪い。そこでそんな罰当たりなことをいうようなやつは、裁判開いて有罪にしちまおうと。もし刑に服したくなのであれば、地動説の撤回をすればいいと。
中には、ジョルダーノ・ブルーノ(1548~1600)のように火あぶりの刑で、死んだものもおります。
ガリレオも、その宗教裁判にかけられてしまいます。
三回審判にかけられ、極刑回避と引き替えに、地動説を捨てることを神に誓わされてしまいます。結局、無期刑に処せされます(後、軟禁刑に減刑)。
こうして、彼は以後死ぬまで、監視されながら無為な日々を過ごしていくわけです。
地動説を捨てる宣誓時に、ガリレオがいったのが有名な
「それでも、地球は回っている」
という言葉です。

ところで、今日5月9日は何の日か知っていますか?
1992年の今日、実に350年ぶりにガリレオ・ガリレイは無罪であると、キリスト教会が認めたんです。
ガリレオは、死して尚罪人扱いだったわけですね。
何事も、自分の主義主張を明確にするのはリスクがつきまとうものです。
まぁわたしなどは、ヘタレを絵に描いたような男ですから、そんなことすらしないわけですが…。