「主任警部モース」(定年目前モース)最終回のタイトルと内容に 驚いた。
「刑事モース~オックスフォード事件簿~」(ヤングモース)の時に
書き取っておいた部分が出てきたのです。
その時のは こんな感じ。
空を朱に染めて
西へと去りゆく その死の
なんと重い事か。
触れる事も 見る事も 聞く事も
もう かなわないのだ。
絶望が満ちる地には
悔恨の日が降る。
今回は こんな感じ。
大空を血に染めながら
苦しげに太陽は沈む
はるかかなた 西へ…
触れることも 見ることも 聞くことも
かなわぬ深き闇の中
悔恨の日は… 望みなき地下へ
ただ ひたすらに 落ちていく
出典は同じ(と思われる)。
前者・ヤングモース時・訳 は、
理詰めの硬いthe remorseful dayを感じますが
後者・定年目前モース時・訳 は、
今まさに迫りくるthe remorseful dayの印象。
(“訳の 訳詩の世界は、ホント大変そうだ。”)
ドラマとして放送されたのは 中高年モース時の方が先で ヤングモースの方は後発、らしい。
ワタクシ的には、どちらのストーリー展開(≒謎解き)にもあまり付いていけてはいないのですが
モースの淋しげなる偏屈度が気になる、そんな風な言葉のもとに引き込まれる作品。
ラストは ざっと想像していたこととは違っていて
このあいだの パウル・ツェランの時のような思いに 心が揺れた。