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これどうしようかな・・・どうしようか考えてみます。

走る人・止まる人・振り返る人

2018-06-15 | _気な・気な_スポーツ_

“3人暮らしの頃 休日散歩の帰り道、
おやつに 3人だから それぞれに好きなものを1つずつ 計3個買って帰った。”

その散歩時間は 昼食後 天気が穏やかならば くらいの条件精度で出かけていた。
だから きっちり決まった時間ではなかったはずなのだが
「またあの人に会った。」と思う人が一人いた。

大きなマンションが連なったり そこを抜けると 一戸建てが静かに集まっていたり
休日の昼下がり ただぼんやりと歩く人の数は多く、歩道は 何も起こらない祭りの人出のように流れていた。

その人は 走る人だった。
まわりは逍遥スピードの人がほとんどのところに すうっと現れた。
そして決まったように 私たちはその人と 平屋のスーパーの角の信号待ちの時に出会った。

その人は 歴史の教科書に出てくる人物に髪型が似ていて、
それよりも何よりも その登場の仕方に特徴があった。

その走り方が まるで 誰かから追われているような感じだったのだ。
追われているのだけれど ちょうど赤信号に引っかかって立ち止まることになり
信号待ちの間は その追手との距離を確認しているかのように 今来た方向に何度も振り返っているので
その度に 私たちは その人の真剣な表情を目の当たりにすることとなった。

二度三度と出会ううちに 私たちは、その人の事を密かに 「ザビエルさん」と呼ぶようになった。
彼は 走ってきて赤信号に足踏み止まっては 必ず振り返り 誰かを何かを確認しようとしていた。毎回。

今日ザビエルさんに会うかな。

いつか、散歩のお楽しみの一つのようになっていったのだった。

今きちんと考えてみれば
○ 私たちは案外に punctualに散歩に出発していたのかもしれぬ。
○ そして ザビエルさんもまた 休日の昼下がり、決まった時間に走ることをしていたのかもしれぬ。
○ 信号待ちに何度も振り返るということは 同行者がいたということか。

その人の額の汗と キッとした真剣な表情で振り返るその眼差しと
今も目の前に広がって、なんとも鮮やかに思い出すことができる。 

 

 


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