“バウツェン(人口・約4万人)は 少数民族ソルブ人が多く住む町でもある、そう。ソルブ人、ソルブ語、初めて知りました。”
それでは、と 「ソルブ人」でアマゾン探検隊になってみたら
「それでも人生は美しい」と言う本が出てきた。
太田浩一 「それでも人生は美しい」 2010
タイトルを左肩に ジャケットカバーには一面に柔らかくも○○な絵が配されている。
○○にどんな言葉を入れようかまどろみながら考えたくなるような 暖かな絵だ。
さて 「ソルブ人」である。
それにしては この本の分野が理系だ。いや何、理系でも文系でも探せればそれでいいのだが
目次に行っても パラパラ拾い読みしても 「ソルブ人」に会えそうな気配が感じられない。
なんだか通り一本曲り間違えて 迷子になったような気になってくる。
そのうちに出会えるだろうかと ページ通りに読み始めた。
リーマン、エトヴェシュ、ヴェーバー、ジュール…。目次の名前を数えると 16人ほどだが
生まれたところから活躍した仕事場、眠る墓地まで
その、名の有る方々の「彼らがいきいきと生きていた街角(ジャケット見返しの案内文)」を著者は旅する。
その写真の量たるや、まるで
著者宅に伺ってその旅の思い出アルバムを何冊も見せてもらっているかのよう。
そんな楽しい錯覚をおこしそうな 親しみやすい本だ。
例えばリーマンは「リーマン予想」のリーマンさんで、と どの方も およそ親しみやすさからは遠いところにいる人たちであろうに
その彼らの業績を説明している部分もちんぷんかんぷん分野であるのに
「親しみやすい」と思わせてくれる 書き方になっている。
変な言い方かもしれないが
全くわからなくてもわかったことにして先に進んでも何の問題もございません、と
著者が囁いているような気がするのだ。
「ソルブ人」はあっさりと 6ページに出てきた。ほんの少し。
「ソルブ人」そのものを知る本というわけにはいきませんでしたが
この本に出会えたことは とてもうれしい。シリーズのようなので 他のものも手にしてみたい。