「…次は○○、○○です。この列車は約2分遅れの到着となります。お急ぎのところ誠に…」
乗り換えの駅だった。
2分くらいならそう慌てなくとも大丈夫な気でホームに降り立つと
前方の客は小走りに乗換方向の階段に向かっている。
あれ?乗り継ぎ列車の到着時刻を私、勘違いしているのかしらと
彼らと一緒になって気忙しく階段を駆け上った。
時刻を確認しようと行き先案内の電光掲示板に目をやると
手前の番線に 「札幌行き」という表示があった。
この階段を降りれば 「札幌行き」がやってくる。
そうなんだ。
不思議な気分になりながら いちばん奥の番線の階段を降りた。
乗り継ぎ列車は定刻にやって来て もちろんそれでよかったのだけれども
めぐりあわせに時がほんの少し前後したら
「札幌行き」を眺めることができたのかもしれないな。
空いている席につきながら そんな思いとともに目を閉じた。