入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (14)

2018年09月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 四国、近畿地方を襲った台風21号、伊那谷でも刈り取りを前に多くの稲田が強風によってなぎ倒された。間を置かず起きた北海道地震でも、「北の大地」は未曾有の大被害が出た。電力は復活しつつあるようだが、きょうの新聞では酪農家の苦労が報じられていた。電力の供給がなければ搾乳は文字通り人の手でやらねばならない。それが1日朝と晩の2回、しかし製造工場も操業停止とあっては、生乳の引受先がない。捨てるしかあるまい。

 秋雨前線のせいですっきりとしない天気が続く。こんな日は登山者も少なかろうと思いながら登山口に行ってみたら、ゴンドラの利用者が後からあとから登ってきていた。やはり中高年が目立つ。入笠山だからまだしも、これからの時期、森林限界を超えるような山に登るには、天候状況については細心の注意が必要になる。風雨に晒され、それで道にでも迷ったら、予想を超す事態も起こりうる。
 あまりこの時季に悪天で酷い目にあった記憶はないが、それでも当時は自分が若かったからで、そういう状況を受け入れることができたからだと思う。北岳バットレスのルート名すら判然としない壁を雨の中、強引に頂上へ出たこと、一ノ倉の凹状では岩をつたった雨水が両の腕に遠慮会釈なく流れ込んできて震えたこと、前穂の右岩稜ではさらにその上にあった壁の途中で、小さな庇(ひさし)の下で雨に打たれNと重なるようにして過ごした夜・・・、それなりに苦労したことがないわけではない。
 歳を取っても、厳しい登攀を止めないで頑張る人もいる。そういう人はまだ自信があるからだろうが、いまちょっと挙げたような例にまた自分自身が直面したとしたなら、今度は分からない。中級山岳の秋の穏やかな森の中を歩きながら、「そろそろ顔を出したらどうだ」と、キノコに呼びかけているくらいがちょうどいいと思っている。
「歳を取ったら故郷の谷で羊を飼って、平和な晩年を暮らすのだ」と言ったあの人は、その思いを果たせずに山に逝った。人類が初めて8千メートル峰に登った時の登頂者ルイ・ラッシュナルだったと思う。山はアンナプルナで、もうひとりのサミタ―は後の体育相モーリス・エルゾーグ。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。






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