入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「冬」 (9)

2018年11月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 恐ろしいほどの快晴。北アの中腹に一条の雲があっただけで、まさに「蒼穹」と呼ぶに相応しかった。ただ、気温は昼になっても10度まで上がらず、第1牧区に行くまでの作業道の日陰には霜柱が残っていた。

 きょうから猟が解禁になった。上がってくるとき、それらしい車何台かとすれ違った。昨夕、ロケハンで案内した大沢山では50頭を超える鹿の群れを見たが、今朝行ってみたら、遠くのコナシの林に数頭を確認しただけだった。それも普段ならあの距離では動こうとしないのに、人の姿に全頭がアタフタと逃げ出した。早朝から銃声でもしたのか猟期初日、いつになく鹿の様子にも切迫したふうが感じられたのは気のせいか。
 以前に、野生鹿の数が急増したのはオオカミがいなくなったからだと言い、だからオオカミを森に放てと真顔で主張する人がいた。これだけの鹿の数に対して、一体どのくらいのオオカミが必要なのかを考えたのだろうか。
「大日本猟友会」という組織がある。会員数は減ったとはいえ全国で10万人はいる。有害駆除と狩猟を合わせれば、オオカミに匹敵するくらいの勢力にはなりそうに思えるが、どうだろう。同会は行政の支援も得て様々な努力、試みをやっている。それでも鹿の数はそれほど減っていかない。本当に減らそうと思えば、今のようなやり方では駄目なことはそろそろ分かってきていると思うが、その辺りの話あまり聞こえてこない。
 水産庁の資料によれば、全国の漁業就労者数は15万人ほどのようだ。輸入品もあるから全てではないが、それでもその人たちのお蔭でわれわれは日々海の幸を口にすることができている。
 漁業に携るのは生活手段であり、狩猟は多くの人にとっては趣味的な要素が大きい。当然一緒にはできないが、猟友会がこれだけの会員数を持ちながらオオカミにまで助けを借りるようでは、全国の名人たちが哭く。

 昨夜の山道では月と星が素晴らしかった。今夜も間違いない。しかっり肉体を使った後の長い帰りの夜道では、家に帰ってから一人でする酒の祭がことのほか楽しみだ。御年90歳の北原のお師匠からは「オレより先に死ぬなよ」とよく言われているが。

 そういうわけで「冬の営業案内」をご覧ください。予約は早めに頂ければさいわいです。





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