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黒鬼灯

2012年12月04日 | その他植物









8月中旬写真。

 クロホオズキ(黒鬼灯、黒酸漿)。

英名・Shoofly Plant、Apple of Peru


ペルー原産のナス科の一年草。
オオセンナリの園芸品種で、ホオズキとは別属。

草丈は15~100センチほど、粗い鋸歯のある葉が互生する。
葉や実に黒い斑点を生じ、花の基部が濃色であることからオオセンナリとは区別される。

夏ごろに葉腋から青紫色の花を咲かせる。

「黒鬼灯」は、ホオズキに似て黒い実をつけることから。



 ナス科 オオセンナリ属

属名のNicandraは、紀元前2世紀ごろのギリシアの詩人Nikandrosから。
種小名physalodesは、「ホオズキ属(Physalis)のような」。




毛朝鮮朝顔

2012年11月30日 | その他植物









9月下旬写真。

 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)。

別名・アメリカチョウセンアサガオ
英名・Thorn Apple、Indian Appleなど


北アメリカ原産といわれるナス科の多年草。
花が美しく、観賞用に栽培されるが野生化も見られる。
類似種のチョウセンアサガオ同様、全草有毒。

草丈は1メートル前後、茎は赤紫がかりハート形の葉が互生、茎葉にはビロード状の毛が生える。チョウセンアサガオは無毛。
8~9月ごろ、ラッパ状のアサガオに似た白花を咲かせる。
花は夜開性で、たいがい翌日の昼前には萎んでしまう。





11月上旬の実と種。

「毛朝鮮朝顔」は、チョウセンアサガオに似て微毛を生ずることから。「朝鮮」は渡来ものぐらいの意味と思われる。



 ナス科 チョウセンアサガオ属

属名のDaturaは、この属の植物のアラビア名tatorah、もしくはヒンズー名dhaturaが変化したもの。
種小名inoxiaは「無害な」。もちろん有毒植物である。




朝霧草

2012年09月16日 | その他植物







2012年9月はじめ。


2009年6月。

 アサギリソウ(朝霧草)。


本州中部以北から北海道の高山や海岸の岩場に自生する、キク科の常緑多年草。
銀白色の繊細な葉が美しく、観賞用に広く栽培される。
ヨモギの近縁。

草丈は15~30センチほど、羽状に細かく裂けた葉が互生し、茎葉には白毛が密生する。
9月ごろに頭花を下向きに咲かせるが、地味でほとんど気づかれることもない。

「朝霧草」は、白く煙る草姿を朝霧に見立てて。


 キク科 ヨモギ属
属名のArtemisiaは、ヨモギのラテン古名で、ギリシア神話の月の女神アルテミス(Artemis)が由来。婦人病に効能があるとされたからという。
種小名schmidtianaは、「(樺太植物の研究家)シュミットの」。




草連玉

2012年07月25日 | その他植物









7月下旬写真。

 クサレダマ(草連玉)。
別名・イオウソウ(硫黄草)


北海道・本州・九州の山野の湿った場所に自生する、サクラソウ科の多年草。
オカトラノオの仲間だが、同属ではむしろリシマキア・プンクタータに似る。

長く伸びる地下茎から40~100センチほどの茎を立ち上げ、柳状の葉が対生あるいは3、4枚の輪生となる。
7~8月ごろ、茎の先から5弁の黄花を円錐花序に咲かせる。

どうしても「腐れ玉」と連想されがちな不憫な植物だが、実際は「連玉(レダマ)に似た草」の意。
「連玉(スペイン名・retama)」というのは地中海沿岸原産のマメ科の落葉低木。
エニシダに似た花を咲かせるがクサレダマにはまったく似ておらず、また日本ではほとんど栽培されていないため、結果正しいイメージに繋がらない和名となっている。


 サクラソウ科 リシマキア(オカトラノオ)属
属名のLysimachiaは、この仲間の枝を振ることで猛獣を鎮めたとされるマケドニアの王・Lysimachusの名より。
種小名vulgarisは「普通の」。




ネモフィラ

2012年06月21日 | その他植物







4月下旬写真。

 ネモフィラ。
別名・ルリカラクサ(瑠璃唐草)
英名・Nemophila、Baby blue eyes


おもに北アメリカ西部に分布する、ハゼリソウ科の耐寒性一年草。
日本には大正期に導入された。

ネモフィラ属はいずれも一年草で10種ほどが知られ、園芸的に「ネモフィラ」として扱われるのはほとんどNemophila menziesii。
秋に種を蒔くと春早くに青空のような色の花を咲かせ、花壇や寄せ植えを彩る。

草丈は10~20センチほど、分枝しながら地を這うように広がり、羽状に裂ける葉が対生、茎葉には微毛が生える。
3~5月ごろ、ブルーで中心が白い5弁花を葉腋から咲かせる。
白地に紫の斑点が入る品種や、黒紫で白い縁取りのある品種も流通する。
白い花弁の先にひとつずつ紫のスポットが入るのは、英語で「Fivespot」と呼ばれるmaculata種。

和名の「瑠璃唐草」は、瑠璃色の花を咲かせ葉が唐草模様を思わせることから。





 ハゼリソウ科 ネモフィラ属

属名のNemophilaは、ギリシア語のnemos(小さな森)とphileo(愛する)が由来で、自生環境から。
花言葉は「可憐な人」「愛国心」




カーネーション

2012年05月13日 | その他植物







5月上旬写真。

 カーネーション。
別名・オランダセキチク(オランダ石竹)
英名・Carnation


ナデシコ科ダイアンサス(ナデシコ)属の多年生園芸植物。
地中海沿岸地域に自生する種と中国のセキチクを交配させたものが、現在のカーネーションの原形といわれる。
日本には江戸時代にオランダからもたらされ、「オランダセキチク」の和名がある。

ヨーロッパを中心に品種改良が重ねられ、切花向きの高性種から鉢植えに向く矮性種、花色も赤・ピンク・白・青紫・黄・複色など、多彩な品種群を擁するにいたる。
原種の花は一重らしいが現在流通するのは八重咲きが大半で、一重咲き品種は珍しい。

5月第2日曜日の「母の日」に贈る花として有名で、4~5月を中心に多く出回る。
カーネーションを母親に感謝をこめて贈るという風習は、1907年にアメリカ・ウエストバージニア州の女性が、母親の命日に故人の好きだったカーネーションを教会で配ったのが事の起こりという。

草丈は品種により30~90センチほど、細長い葉が対生し、茎葉には白い粉を吹く。
開花時期は一期咲きのものは春から初夏、四季咲き品種は条件さえあえば周年開花する。

「Carnation」は、花色からラテン語のincarnation(肉色)が由来とのこと。
冠飾りに用いられたことから、英語のcoronationの転訛との説もあり。


 ナデシコ科 ダイアンサス属
属名のDianthusは、ギリシア語のdios(神、ゼウス神)とanthos(花)が由来で、花の美しさから。
種小名caryophyllusは「ナデシコに似た姿の」。
花言葉は「母の愛情」「情熱」「あなたを熱愛します」など




スイートアリッサム

2012年04月18日 | その他植物





2012.4上旬。




2011.5下旬。


2008.10上旬。


 スイートアリッサム。
別名・アリッサム、ニワナズナ(庭薺)
英名・Sweet Alyssum、Sweet Alison、Alyssum


地中海沿岸地方原産のアブラナ科の一年草~多年草。
多年草といっても寿命は短く、暖地では秋蒔き、寒冷地では春蒔きの一年草として扱うのが一般的。

ひとつひとつの花は小さいが、よく分枝してこんもりと株を覆うほどいっぱいに咲き、花壇の植え込みとしては定番。
花には甘い香りもあり、旧属名のAlyssumから「スイートアリッサム」の名がある。

草丈は10~20センチ程度だが株元から分枝して半球状に広がり、葉は互生し茎葉には微毛が生える。
茎の先に白・ピンク・紫などの花を生育期間中、咲かせ続ける。
全体にアブラナ科らしからぬ姿だが、花はアブラナ科らしく4弁からなる十字花。

和名の「庭薺」は、ナズナに似た園芸植物ということから。


 アブラナ科 ロブラリア属
属名のLobulariaは、ラテン語のlobulus(小裂片)が由来で毛が分岐していることから。あるいはglobulus(小球体)が由来で草姿から。
旧属名Alyssumは、ギリシア語のa(否定)とlyssa(狂犬病)が由来で、狂犬病に効能があると思われたことから。
種小名maritimaは「海の、海岸の」。
花言葉は「大きく飛ぼう」「優美」




壺珊瑚

2012年04月04日 | その他植物



2008.5中旬。




2009.6上旬。

 ツボサンゴ(壺珊瑚)。
別名・ヒューケラ
英名・Coral Bells、Alumroot


北アメリカ原産のユキノシタ科の耐寒性多年草。

半日陰でも育ち、葉の美しい品種も多いことから、花壇や庭、寄せ植えなどで広く親しまれる。
根出葉には浅い切れ込みがあり、カラーリーフの品種は赤・紫・橙・黄・シルバー系など幅広い。

4~6月頃に50センチほどの花茎を伸ばし、赤・ピンク・白などの小花を多数咲かせる。
(※カラーリーフ系の花は地味で、開花時期も初夏ごろとは限らない)

「壺珊瑚」という和名は花が壺形で、基本色が赤であることから花茎を珊瑚に見立てての命名のようだが、いまいちイメージが結びつかず、園芸的には属名の「ヒューケラ」の名で流通することが多い。
近縁のティアレアとの交配種もヒューケラとして扱われることもある。



 ユキノシタ科 ツボサンゴ属
属名のHeucheraは、18世紀ドイツの医学教授J.H.Heucherの名より。
花言葉は「きらめき」



草牡丹

2012年03月28日 | その他植物





2011.8中旬。


2009.6中旬。


2011.9下旬。

 クサボタン(草牡丹)。


本州の日当たりのいい山地の草原や林縁に自生する、キンポウゲ科の半低木で、これでもクレマチスの一種。

冬に地上部の大部分は枯れるが基部は木質化する、木本と草本の境界に位置する植物。
有毒植物。

大方のクレマチスとは違い立性で、丈は30~100センチほど、不規則な鋸歯のある3出複葉が対生する。
8~9月ごろ、茎の先や葉腋から伸ばす柄に、薄紫色の釣鐘型の花をつける。
キンポウゲ科の常で花弁と見えるのは萼片。先は外側に反り返り、白毛が密生してくすんだ色合いになる。

「草牡丹」は、葉がボタンのそれに似て草のように見えることから。


 キンポウゲ科 センニンソウ(クレマチス)属
属名のClematisは、ある蔓植物をさす古代ギリシア名から。
種小名stansは「直立した」。




岩八手

2012年03月26日 | その他植物









2009&2010年5月上旬写真。

 イワヤツデ(岩八手)。
別名・タンチョウソウ(丹頂草)


中国東北部から朝鮮半島の渓谷など湿った場所に自生する、ユキノシタ科の耐寒性多年草。
日本には明治期に渡来とのこと。
知名度は低いが観賞用に栽培される。

山野草的な植物で半日陰の湿り気のある場所を好む。
ただ写真の株は4車線道路脇の街路樹植え込みで、非常に丈夫であるらしい。

草丈は15~30センチほど、根茎からヤツデのような掌状に裂けた葉を出す。
4~5月ごろ、葉とともに花茎を伸ばし、白花を集散花序に多数咲かせる。

展開していない蕾は赤みがかるとのことで、「丹頂草」の別名は、伸ばした花茎を丹頂鶴の首に見立てたものと思われる。
「岩八手」はヤツデに似た葉を持ち岩場に生えることから。


 ユキノシタ科 ムクデニア属 もしくは アケリフィルム属
属名のMukdeniaは、原産地である満州の奉天の読みから。
Aceriphyllumは、Acer(カエデ属)とギリシア語のphyllon(葉)からで葉の形状から。
種小名rossiiは「(イギリスの植物採集家)Rossの」。