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フェンネル

2013年01月27日 | その他植物
2012.8。


2012.9。


2011.7。


2012.8。


2011.7。


2011.8。


2012.8。


 フェンネル。

別名・ウイキョウ(茴香)、スイートフェンネル
英名・Fennel

地中海沿岸地方原産の、セリ科の多年草。
日本には平安時代に中国からもたらされた。

茎葉や種子には芳香があり、薬や香辛料、食用ハーブとして古代から利用されてきた作物。
肥大する根元を食用とするのはフローレンスフェンネル種で、スイートフェンネルと違い一年草。

草丈は1~2メートル、糸状の小葉を持つ葉が互生する。
6~9月ごろ、複散形花序に黄色い小花を多数咲かせる。

同じくハーブとして有名なディルと非常によく似た草姿で見分けるのは困難だが、ディルのほうは一年草。
また交雑しやすいので、両種を栽培するときは離して植える。


9月下旬の実。
欧米ではフェンネルシードとしてスパイスに、日本では生薬の茴香として健胃などに用いる。

「茴香」は漢名から。魚の香りを回復させることからの命名という。実際、魚料理によく利用されるハーブ。




 セリ科 ウイキョウ属
学名・Foeniculum vulgare

属名のFoeniculumは、ラテン語のfaenum(乾草)が由来で、葉の形状から、あるいは香りが乾草に似ていることから。
種小名vulgareは、「普通の」。
花言葉は「背伸びした恋」「力量」「賞賛」




2013年01月17日 | その他植物



2011.6上旬。












2012.5下旬。

 チガヤ(茅、茅萱、血茅)。

別名・ツバナ(茅花)
英名・Japanese blood grass


日当たりのいい草地に自生する、イネ科の多年草。
日本中に分布するが、どちらかというと暖地性のようで寒冷地には少ない。

草丈は50センチ前後、地下茎を伸ばして群生する。
5~6月ごろ、赤みがかった花穂を出す。
これは後に銀白色の尻尾のようになり、風に揺れるさまが美しい。

若い花穂を「ツバナ」といい、噛むと甘みがあることから昔は子どもがよく採ったという。
展開した褐色の穂も舐めると甘みがあるというが、試したかぎりでは味はまったく感じられず。
もともとサトウキビの近縁とのことで、地下茎も甘いという。
乾燥させた地下茎は生薬の茅根(ボウコン)として、利尿に用いる。

「チガヤ」の名は、「千茅」からで群生することから、「血茅」で花穂または紅葉が赤いことからなど、諸説あり。

餅の「ちまき(粽)」は、もとはチガヤの葉で巻いたことから「茅巻き」が由来との説がある。



 イネ科 チガヤ属
Imperata cylindrica var. koenigii


属名のImperataは、16世紀イタリアの自然科学者Ferrante Imperateの名から。
種小名cylindricaは、「円柱状の」。
変種名koenigiiは、18世紀ドイツの植物学者Johann Gerhard Königから。




木患子

2013年01月10日 | その他植物





2012.7中旬。








2011.8中旬。


 モクゲンジ(木患子 ※「患」には木偏がつく)

別名・センダンバノボダイジュ(栴檀葉菩提樹)


中国原産のムクロジ科の落葉高木。
種子を数珠に用いるといい、寺院の境内によく植栽される。
本州の日本海側には自生が見られるというが、中国から渡来したものが野生化したのか、元々自生していたのかは不明。

樹高は10メートルほど、羽状複葉が互生する。
夏、枝先に円錐花序を出し、黄色い小花を多数咲かせる。


2011.9下旬。
実は三角形の袋状で、中は3室に分かれ大きな種が2つずつ入っている。
近縁のオオモクゲンジは秋に開花し、また実の先はとがらず楕円形。

「モクゲンジ」は、ムクロジの漢名である「木患子」を本種の名と誤り、日本語読みしたものとのこと。


 ムクロジ科 モクゲンジ属
Koelreuteria paniculata

属名のKoelreuteriaは、18世紀ドイツの植物学者Joseph Gottlieb Koelreuterから。
種小名paniculataは、「円錐花序の」。




イソトマ

2013年01月03日 | その他植物











2012年6~7月写真。

 イソトマ。

別名・ラウレンティア、ローレンティア、ヒッポブロマ
英名・Laurentia、Rock Isotome


オーストラリア原産のキキョウ科の半耐寒性多年草。

観賞用に栽培され園芸上は普通、一年草として扱う。
自生地の気候上、過湿を嫌う。
有毒植物で、白い乳液にかぶれる場合があるので注意。

草丈は20~30センチほど、シュンギクのような切れ込みの入った葉が互生する。
春から秋にかけて青紫・白・ピンクなどの星形花を咲かせる。
草姿、花ともにミゾカクシをボリュームアップしたような印象。

別名はいずれも旧属名から。


 キキョウ科 イソトマ属
Isotoma axillaris

属名のIsotomaは、ギリシア語のisos(等しい)とtome(切片)が由来で、花弁の様子から?
種小名axillarisは「腋生の」。花のつき方から?
花言葉は「強烈な誘惑」「猛毒」




秋唐松

2012年12月27日 | その他植物









9月下旬写真。

 アキカラマツ(秋唐松、秋落葉松)。

別名・タカトウグサ、タカトウソウ(高遠草)


北海道から四国、九州の山野に自生する、キンポウゲ科の多年草。
オダマキを小さくしたような青白色の葉は、花のない時期にもよく目立つ。というより花のほうは地味で見過ごしがち。

草丈は50~150センチほど、2~4回3出複葉が互生する。
7~9月ごろ、茎の先にクリーム色の花を咲かせる。
花弁のように見えるには萼片で、目立つのは雄しべの花糸と黄~褐色の葯。
カラマツソウなど近似種のほとんどは花が白っぽく見え、同じく花が黄色っぽく見えるヒメカラマツは花のつきが非常にまばらで、また高山性で身近に見られる植物ではない。

この花の様子がカラマツの芽吹きを思わせ、秋に咲くことから「秋唐松」。

長野県高遠町で健胃の民間薬として重宝されたことから「高遠草」とも呼ばれるが、有毒植物でもあるので薬としての扱いには注意が必要。



 キンポウゲ科 カラマツソウ属
Thalictrum mimus var.hypoleucum

属名のThalictrumは、古代ギリシアの医師・薬理学者・植物学者のDioscoridesが、この属の植物につけた名前から。
種小名minusは「より小さい」。
変種名hypoleucumは「下側が白色の」。




クズ

2012年12月21日 | その他植物









2011年8月上旬写真。

 ソクズ(藿{※環境依存文字})。

別名・クサニワトコ(草接骨木)


林縁や川端などに自生する、スイカズラ科の多年草。
薬用として中国から持ち込まれたのが野生化したものという説もある。

木本のニワトコの仲間で、葉の印象がよく似ることからクサニワトコの別名も。
一見するとセリ科にも思える草姿と花だが、葉のつき方が明らかにセリ科とは異なる。

草丈は1~2メートルほどと大型で地下茎を伸ばして群生、羽状複葉が対生する。
8月ごろ、茎の先に大きな花序を出し白い小花を多数咲かせる。
黄色い杯状のものは虫こぶではなく腺体で、ここに蜜がたまって虫を呼ぶという。

全草を乾燥させたものを生薬の藿(さくてき)として、煎じて利尿剤としたり、リウマチや神経痛には浴湯料として利用したりする。

「ソクズ」は、漢名「藿」の音読みが転訛したものというのが一説。



 スイカズラ科 ニワトコ属

属名のSambucusは、ギリシア語のsambuceという古代の楽器が語源とのこと。
種小名chinensisは「中国の」。




白山吹

2012年12月16日 | その他植物









5月中旬写真。

 シロヤマブキ(白山吹)。

英名・Jet Bead、White Kerria


バラ科の落葉低木。
丈夫で庭木として一般的に栽培されるが、日本での自生は貴重できわめて限られる。

名前に「ヤマブキ」とあり、実際よく似た印象だが別属。
葉が互生のヤマブキに対してシロヤマブキは対生、ヤマブキの花は5弁だがこちらは4弁などの違いがある。
名前が紛らわしい「シロバナヤマブキ」はヤマブキの白花品種。

樹高は2メートル程度で株立ちになり、重鋸歯のある葉が対生する。
4~5月ごろ、枝先に白い4弁花を咲かせる。


6月の実。
やがて赤から黒へと熟していく。



 バラ科 シロヤマブキ属

属名のRhodotyposは、ギリシア語のrhodon(バラ)とtypos(形)が由来で、花が一重のバラを思わせることから。
種小名scandensは「よじ登る性質の」。
花言葉は「薄情」




類葉牡丹

2012年12月11日 | その他植物







5月下旬写真。

 ルイヨウボタン(類葉牡丹)。


北海道・本州・四国・九州の深山の林内に自生する、メギ科の多年草。
花が地味で気づくのが困難な野草。

草丈は50センチ前後、葉は互生で2~3回3出複葉。
4~6月ごろ、黄緑色の目立たない花を咲かせる。
花弁と見える大きな6枚は萼片で、実際の花弁は雄しべを囲む匙状の小さなもの。

「類葉牡丹」は漢名からで、葉がボタンに似ていることから。


 メギ科 ルイヨウボタン属
属名のCaulophyllumは、ギリシア語のcaulos(茎)とphyllon(葉)から。
種小名robustumは「大形の」。




庭石菖

2012年12月06日 | その他植物











5月下旬写真。

 ニワゼキショウ(庭石菖)。

英名・Eastern Blue-eyed Grass、Bicknell Blue-eyed Grass


北アメリカ原産のアヤメ科の多年草。
日本には明治時代に渡来し、今では各地の道端や草地で野生化している。

草丈は10~20センチ程度、線形の根出葉を持つ。
5~6月ごろ、青紫~白の一日花を咲かせる。
いずれの花色でも、中心近くは濃青紫で基部は黄色となる。

同じく北米原産の帰化植物であるオオニワゼキショウは丈が20~40センチと大柄で、花は逆に小ぶりとなる。

「庭石菖」は、ショウブのようなサトイモ科の植物「石菖(セキショウ)」に似て、庭に生えることから。



 アヤメ科 ニワゼキショウ属

属名のSisyrinchiumは、ギリシア語のsys(ブタ)とrhynchos(鼻)が由来で、ブタがこの植物の根を掘り返すことからというのが一説。