goo blog サービス終了のお知らせ 

アスチルベ

2012年03月24日 | その他植物





2010.6下旬。






2009.6中旬。

 アスチルベ。
別名・アワモリソウ(泡盛草)、ショウマ(升麻)
英名・Astilbe、False Spirea


アジアと北アメリカに自生する、ユキノシタ科アスチルベ属の多年草。

一般に「アスチルベ」と呼ばれる栽培種は、ドイツのゲオルク・アレンズ(1862~1952) が、中国原産のAstilbe chinensisと日本原産のアワモリショウマやチダケサシ等との交配から作出した系統が主。

初夏にモールのようなふわふわした花を咲かせ、暑さ寒さに強く環境適応力の高い丈夫な植物で、庭や花壇の植え込みとして広く普及する。

草丈は40~80センチほど、葉は1~2回の複葉で小葉には鋸歯がある。
花色は赤、ピンク、白など。



 ユキノシタ科 アスチルベ属
属名のAstilbeは、ギリシア語のa(欠ける)とstilbe(輝き)が由来で、ひとつひとつの花は小さく目立たないことから、というのが一説。
ある種の葉に光沢がないことからとも。
花言葉は「控えめ」





スノードロップ

2012年03月20日 | その他植物









2012年3月中旬写真。

 スノードロップ。
別名・マツユキソウ(待雪草)、ユキノハナ(雪の花)、ユキノシズク(雪の雫)
英名・Snowdrop

ヨーロッパからコーカサス原産の、ヒガンバナ科の球根植物。
日本には明治期に渡来した。
スノーフレークと名前は紛らわしいが、花そのものはさほど似ておらず、開花時期も異なる。

ヨーロッパでは馴染み深い花のようで、「アダムとイブが雪降るなか楽園を追われたとき、憐れんだ天使が雪をスノードロップに変えた」という伝説があるらしい。
またドイツでは「天地創造のとき雪にだけは色を与えられず、花に分けてもらうようにいわれた雪にどの花もつれなくする中、スノードロップだけは自分の色を分けあたえ、以来雪は冬の間中この花を守り春一番に咲けるようにした」という類型的な話も伝わる。

いくつか種類があり、日本で主に普及しているのはGalanthus elwesiiだという。
スノードロップの代表格でcommon snowdropと呼ばれるGalanthus nivalisは、内花被の先端のみに緑色の模様が入る。
(写真はおそらくGalanthus elwesii、ここではまとめてSnowdropとする)

草丈は5~20センチ、早春にスイセンのような先の丸い葉を2枚出し、夏までには枯らして長い休眠に入る。
まだ雪の残る1~3月ごろ、葉とともに出す花茎の先に、俯いた花を1つだけ咲かせる。
花は3枚の白い外花被と、やはり3枚の緑の斑紋が入る内花被からなる。
あまり流通はしていないようだが、八重咲き品種も存在する。

花は夜や曇天時には閉じ、雫のような形状になる。
「スノードロップ」という名前もそこに由来するように思えるが、実際のところはっきりしないらしい。
16~17世紀当時にドイツで流行したイヤリングから、というのが一説。



 ヒガンバナ科 ガランサス属
属名のGalanthusは、ギリシア語のgala(乳)とanthos(花)が由来で、乳のように白い花から。
花言葉は「希望」



油萱

2012年03月16日 | その他植物

2011.8中旬。




2009.10中旬。






2009.9中旬。

 アブラガヤ(油萱、油茅)。


北海道から本州・四国・九州の湿地や林縁などに自生する、カヤツリグサ科の多年草。
変異が多く、いくつかの変種に細分することもある。

草丈は1メートル以上、株立ちとなり根出葉はススキのような線形で、葉の断面は角の丸いM字型となる傾向がある。
夏から秋にかけて花茎を伸ばし、茎先や途中の節から多数の小穂がついた花序を出す。

小穂は成熟すると茶色くなり、これが油を染みこませたように見え、また油臭いとのことから「油萱」。
あるいは茎葉に油を塗ったような照りがあるからともいう。


 カヤツリグサ科 ホタルイ属
属名のScirpusは、イグサやそれに似た植物を指すラテン古名が由来。
種小名wichuraeは、「ウィチュラ(ドイツの植物採集家)の」。



傍食

2012年03月10日 | その他植物
2011.8。


2009.7。




2009.9。

 カタバミ(傍食、片食、酢漿草)。
別名・スイモノグサ(酸い物草)
英名・Yellow Sorrel、Creeping Wood Sorrel


日本中の道端や畑などで広く見られる、カタバミ科の多年草。

オキザリス(カタバミ)属は800種以上を擁する大きな属で、観賞価値が高く園芸植物として導入されるものも少なからずあるが、このカタバミはもっぱら雑草扱いされる。

身近な草だけに親しまれてもいるようで、そのハートを3つ合わせたような葉は、家紋の図案によく取り入れられている。
ただ近年見かける、ハートを4つ重ねたデザインは4つ葉のクローバーをカタバミと混同しているだけで、知識以前に常識の欠如。

根出葉はクローバー状の3小葉で小葉はハート形、丈は地上5センチにもならないが匍匐枝を伸ばしてところどころから根を張り広がっていく。
春から秋まで黄色い5弁花を咲かせる。
花、葉とも夜になると眠るように閉じる。


花後の実はオクラを小型にしたような形状で、触れるとはじけて種をまき散らす。


カタバミの根。
地上部には不釣合いに深く、途中で切れても地中に残った根から発芽する。
くわえて草に軽く触れただけでも種がはじけ飛び、一度はびこると根絶は困難。

「傍食」は、小葉の端が食べられたように欠けていることから。
「酢漿草、酸い物草」は、茎葉にシュウ酸をふくみ酸味があることから。昔はこの草を金属を磨くのに用いたという。


 カタバミ科 オキザリス(カタバミ)属
属名のOxalisは、ギリシア語のoxys(酸っぱい)が由来で、植物にシュウ酸を含み口にすると酸っぱいことから。
種小名corniculataは「角のある」。
花言葉は「輝く心」



牛繁縷

2012年03月07日 | その他植物





2009年6月上旬&9月下旬写真。

 ウシハコベ(牛繁縷)。
英名・Water Chickweed、Giantchickweed


山野のやや湿った場所に自生する、ナデシコ科の越年草~多年草。
古くに渡来した史前帰化植物ともいわれる。

草丈は10~50センチほど、茎は赤みがかることが多く、対生する葉は縁が波打ち、下部では有柄だが上部は茎を抱く。
開花は春から秋まで見られ、白い5弁花を咲かせる。

花びらが根元近くまで深裂して10枚に見えるのは、ハコベの仲間に共通。
植物のつくりはハコベとほぼ変わらないが、開花期のウシハコベは圧倒的に大柄で区別は容易。


決定的な違いは雌しべの柱頭で、ハコベは3裂するがウシハコベは5裂。
このことからウシハコベ属と分ける場合もある。

「牛繁縷」はハコベに似て大型であることから。「繁縷」はハコベの漢名。


 ナデシコ科 ハコベ属(Stellaria)またはウシハコベ属(Myosoton)
属名のStellariaは、ラテン語のstella(星)が由来で花の形状から。
Myosotonはおそらくワスレナグサ属Myosotisと同じで、ネズミの耳の意か。
種小名aquaticumは「水生の」。



金魚草

2012年02月29日 | その他植物





2009・6中旬。


2009・9下旬。




2009・10下旬。

 キンギョソウ(金魚草)。
英名・Snapdragon


南ヨーロッパから北アフリカの地中海沿岸原産の、ゴマノハグサ科の多年草。

ゆらゆらと泳ぐ金魚を思わせる花が華やかで、花壇の植え込みや切花用など広く栽培され、昔からなじみ深い園芸植物。
本来は多年草だが、園芸上、暖地では秋蒔き、寒冷地では春蒔きの一年草として扱われる。

草丈は矮性種だと2、30センチ、切花用の高性種では1メートルにもなり、細めでなめらかな葉が対生する。
開花は春から初夏、または秋ごろで、赤・紫・ピンク・白・黄・橙・複色などさまざまな花色の品種がある。


 ゴマノハグサ科 キンギョソウ属
属名のAntirrhinumは、ギリシア語のanti(~のような)とrhinos(鼻)が由来で、花の形状から。
花言葉は「恋の予感」「欲望」




犬蓬

2012年02月26日 | その他植物





2009年9月後半写真。

 イヌヨモギ(犬蓬)。


やや乾燥した丘陵や林縁に自生する、キク科の多年草。
生育環境にうるさいのか、地味だがあまりお目にかかれない草。

草丈は30~80センチほど、互生する葉にはおおざっぱな鋸歯があり、裏面は綿毛で覆われる。
葉表にも微毛が生えるが、光沢があり肉眼にはほぼ無毛に見える。
オトコヨモギは葉が裏表ともに無毛。

8~10月ごろ、茎の上部に筒状花だけの頭花を、下向きに多数つける。
ヨモギに比べて花のつき方はまばらだが、ひとつひとつの粒は大きい。

「犬蓬」は、ヨモギに似るが役には立たないことから。


 キク科 ヨモギ属
属名のArtemisiaは、ヨモギのラテン古名で、ギリシア神話の月の女神・アルテミスが由来。婦人病に効能があるとされたからという。
種小名keiskeanaは、江戸末期から明治期の植物学者・伊藤圭介の名にちなんだものか。



梅擬

2012年02月24日 | その他植物
2007・9下旬。


2010・10上旬。


2009・10上旬。




2007・6下旬。


2009・6下旬。

 ウメモドキ(梅擬)。
英名・Japanese Winterberry


本州・四国・九州の湿った山野に自生する、モチノキ科の落葉低木。
冬まで残る小さな赤い実が美しく、庭木として広く親しまれる。
大実をつけるもの、白・橙・絞り模様の実など、園芸品種も数多い。

樹高は3メートル程度、互生する葉には細かい鋸歯があり、葉や葉柄などに毛が生えてざらついた印象。
毛がない品種を「イヌウメモドキ」と区別することもあり、西日本に多いという。
雌雄異株。

5~6月ごろ、目立たない淡紫色の小花を咲かせる。
おもしろいことに白っぽい実をつける品種は、花も白くなる。


2007・11下旬。
実は落葉後も残って雪景色を彩り、小鳥たちの貴重な食料となる。

「梅擬」は、樹姿や実のつき方など、全体的に梅を思わせることから。


 モチノキ科 モチノキ属
属名のIlexは、セイヨウヒイラギのラテン古名より。
種小名serrataは「鋸歯のある」。
花言葉は「かわいらしい」



笠菅

2012年02月20日 | その他植物







2011年5月中旬写真。

 カサスゲ(笠菅)。
別名・ミノスゲ(蓑菅)


北海道から本州・四国・九州の湿地や水場に自生する、カヤツリグサ科の多年草。
水田で栽培されることもあり、古くは笠や蓑の材料として用いられてきた。

草丈は40~100センチほど、地下茎を出して群生する。細長い葉はしっかりとしていて立ち上がり、断面はM字型になる。
4~6月頃に茎を伸ばし、先端に雄花穂、その下に数個の雌花穂をつける。
(この仲間は雌花穂の先端が雄花穂に変化することもあり)

よく似たアゼスゲは草丈が20~80センチと若干小型、雌花穂の鱗片は暗赤褐色の模様が強く、雌花穂全体が黒っぽく見える。


 カヤツリグサ科 スゲ属
属名のCarexは、カヤツリグサ科ヒトモトススキ属のCladium mariscusのラテン古名から、というのが一説。
葉が切れそうなほど鋭いことから、ギリシア語のkeirein(切る)が由来との説も。