21年生活を共にした、にゃんが死んでしまった。
人間なら100歳を超える年齢で、
歯も抜け、毛もしらっ茶けてきて、
だんだん痩せ、目も白っぽくなってきていた。
一生生きていられる猫がいないことは、もちろんわかっていた。
それでも、帰ってくると必ず玄関まで迎えに来てくれた。
ジャンプして、テーブルの上にも登れた。
しかし11月になると、口から出血していることが多くなり
くしゃみもしていた。
高齢なため、たとえ腫瘍であっても治療は危険。
レントゲン検査したところで、何ができるわけでもなっかた。
血液検査ではとても20歳を超えているとは思えないほどの
よい結果だと褒められた。
にゃんの衰弱して行く姿は、まるで母と同じだった。
階段を登る足音が静かになり、足腰に力が入らないようだった。
トイレに行くのもしんどいと思い、寝ている部屋に運んだが、
ちゃんとトイレの場所まで行き用を足していた。
その日の朝、にゃんは急に廊下に出て行き、玄関まで行った。
トイレに行きたい様子でもなかった。
そして、廊下でうずくまってしまった。
ふにゃふにゃで腰が抜けてしまったようだった。
いつもと違う行動に私は、今日が最期だと思った。
その晩、にゃんは夫の腕に抱かれたまま死んでしまった。
私たちはにゃんと一緒に寝た。
硬くなってしまったにゃんを撫でながら、今までの時間を感謝した。
翌朝、夫は庭に1mくらい穴を掘った。
窓越しにその姿を見つめながら、どんな思いで掘っているのかと
想像するだけで苦しかった。
庭に咲いていた山茶花といっしょに、にゃんにさよならをした。
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