カリグラフィー

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水泳、好きな事、好きなもの、こもれび山崎温水プールについて

真実

2009-04-17 16:34:51 | いろいろ

あの時、わたしたちは母の希望通りの告知を選択したはずだった。

入院中、食事がまずいと母が言う。
味がない。
私は、はじめふりかけを差し入れした。

ベットの足元には、塩分制限無しにチェックが入っていた。
しかしそれが逆に気になり、家から作ってきたそぼろを
食べさせていいか先生に確認をしてもっらった。

ポテトチップや刺激物以外なら良いと母に伝えた。
私は、おにぎりや旬のタケノコ料理などを作り家から運んだ。

退院の日、スーパーでお寿司を買った。
母は「わさびは刺激物だからやめとかなきゃ」といって
ほんのちょっとのわさびをよけてお寿司を口に運んだ。

あんなに自分が死んだらと、
その後のことを私たちに指示していたはずなのに、
生きたいんだ・・・・・・・。
辞世の句まで入院中につくり、全て終わったらこれで知らせればいい
なんていってたのに。
やっぱり、母も半信半疑なのではないか?

同室の人に嬉しそうに退院の挨拶をする母、
いつも通りの明るさ、
パジャマを着ていること以外、病気とは思えない元気さ

あんなに、一致団結で告知を選択したはずなのに
わたしたちは、事実を告げないと心に誓った。


堂段つつじの白い花

2009-04-17 08:15:35 | いろいろ

「堂段つつじの白い花が咲いてるよ」
母が言った。

最近本当にいい天気で、気持ちよく
世の中に悲しい出来事はないのでは
と思える。

11日もそうだった。
気持ちいい青空。
精一杯の深呼吸をしたくなるほどの爽快感。
こんな気持ちのいい日に、何かあるとは思えない。
不安を打ち消すようなお天気だった。

家族への説明が主治医よりある。
東京から子供たちを連れ姉が出てきた。

病室を見舞った姉は、
いつものように明るく冗談を飛ばす母の元気な姿を見て
安心したようだった。

その様子を見ていると私だけが取り越し苦労をして、
悲しんでるだけに思えてきた。

何もなかったような家族団らんのひと時だった。

その後わたしたち家族は、医師からの説明を受けた。
「ご覧の通りお母さんはあんなにお元気で、
信じられないかもしれませんがおなかのなかはひどい状況で・・・」

私は、医師の説明をメモした。
「今は何もすることができない」との説明に、
だったらすぐに退院させたいことと、
セカンドオピニオンを受けたいことを医師に伝えた。
そして本人の希望通り告知する思いでいると返事をした。


生検の結果が来週にならないとわからないため、
今は病院にいても特別することがない。
退院してもいいと説明を受けたと私たちは母に告げた。

そして、医師から来週の土曜日に検査結果と家族への説明があるので
病院へこられますかといわれ母はうなづいた。