布屋忠次郎日記

布屋忠次郎こと坂井信生の日記

大東亜戦争とスターリンの謀略 ―戦争と共産主義-

2005-09-17 21:00:00 | 読書
三田村武夫 著
自由社 発行
昭和62年1月20日 第一刷
ISBN4-915237-02-8

日本共産党は、第二次大戦の際に戦争に反対した唯一の政党などと称しているそうだが、事実はまったくそうではなかったことを各種史料から証明している。
今は護憲を叫んでいる共産党や社民党(旧社会党)が実は昭和憲法に反対していたことも知られているとおり、まあ、政党が「今の都合」のために過去を偽るのはよくある話だとは思うが。それにしてもこれは驚いた。要するに共産主義者にとって大事なのは世界革命であり、そのためには資本主義国同士が戦争して消耗するように、各国にあって共産主義者は戦争を煽動するのが任務だった事を、史料から明らかにしている。そしてゾルゲ事件の尾崎秀實はそれを代表する真のコムミニストだったと。

非常に興味深いのは、引用されている尾崎の手記は対米開戦直後の昭和17年2月か3月頃に書かれたものであったり、著者の共産主義に対する見解も戦後にまとめたものではなく昭和16年2月と18年2月に国会の委員会で政府に警告したものであったりと、戦後のフィルターをとおしてではなく当時のリアルなものであるということだ。
今の共産党や、今の反戦活動家、今のマスコミがどう取り繕っているかばかり見るのではなく、当時の史料に当たれるところが「本」というメディアの持続性だな。

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