医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

医師よりネットでがん情報 罹患経験ない男女を調査

2014-08-29 13:04:31 | 医療と介護
共同通信社 2014年8月28日(木) 配信

 がんにかかった時、医師や看護師よりも、インターネットからたくさんの情報を集めたいと考える人が多いことが、27日、国立がん研究センター中央病院(東京)の調査で分かった。
 調査は2013年12月にネット上で実施、がんに罹患したことのない20~60代の男女568人から回答を得た。
 がんになった時、どこから情報を収集するか尋ねたところ、「インターネット」と答えた人は「たくさん集める」、「やや集める」を合わせて541人で最も多く、「医師・看護師」の498人、「本」の424人を上回った。
 「とても信頼する」または「やや信頼する」情報源についても、「インターネット」は480人で、「医師・看護師」(534人)、「本」(485人)に次いで多く、テレビ、雑誌などを上回った。
 調査した同病院アピアランス支援センターの野沢桂子センター長は「ネット上の情報は不正確な内容もあるが、患者は想像以上に信頼する可能性が高いことが分かった。医師や看護師は正しい情報を患者に伝えていくことが必要だ」と話している。

シエラレオネで治療の邦人医師「日本も支援を」

2014-08-29 13:03:40 | 医療と介護
読売新聞 2014年8月27日(水) 配信

 世界保健機関(WHO)の要請を受け、エボラ出血熱の感染が拡大している西アフリカ・シエラレオネで先月、治療に当たった足立拓也・豊島病院感染症内科医長が27日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、「医療従事者の人手、医薬品が足りない」と、厳しい現地の状況を報告した。
 エボラ出血熱が猛威をふるう西アフリカでは、1400人を超える死者が出ている。足立医長は「日本も人材や物資の供給などを行うべきだ」と話した。

計算力と読解力、遺伝子が関係?

2014-08-29 13:01:38 | 医療と介護
英大など研究チーム

朝日新聞 2014年8月28日(木) 配信

 計算ができる子どもは、読解力にも優れた素質をもっている。そんな遺伝子解析結果を英ロンドン大などの研究チームがまとめた。
 12歳の子ども2千人以上を対象にしたテストと遺伝子の特徴を比べた。読解力と計算力に関係する特徴の約半分が共通していた。
それぞれ遺伝が関係することは知られていたが、遺伝子との関係はほとんど解明されていなかった。
研究チームは、能力は遺伝子だけでは決まらず、子育てや学校教育も重要としている。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。

アマゾン、出版社「格付け」 電子書籍、有利な契約優先

2014-08-29 12:58:18 | 政治・社会・経済問題

 「優位な立場利用」大手反発


朝日新聞 2014年8月28日05時00分

 ネット書店最大手のアマゾンが、電子書籍の販売条件で出版社を「格付け」し、アマゾンに有利な条件で契約した出版社の書籍を、読者に優先的に紹介する新たな仕組みを導入したことが分かった。出版社は「市場の支配力を背景とした脅しだ」などと反発。米国や欧州でも出版社や作家によるアマゾンへの抗議が広がっており、対立が浮き彫りとなっている。
 アマゾンが今春、出版各社に提示し、夏から順次始めている。出版社がアマゾンに支払う販売手数料の高さ、電子書籍の品ぞろえの充実度などに応じて出版社を4ランクに分け、ランク上位の社の電子書籍をホームページ上で目立たせたり、読者の購入履歴などに応じて「おすすめ」としてメールなどで紹介しやすくしたりする仕組み。
 紙の本でもアマゾンに有利な条件の出版社の本を優先的に読者に薦めているが、成長市場の電子書籍では紙よりも優先度に差をつけている。格付けが下の出版社の書籍は読者の目に触れにくくなり、出版社にとって死活問題だ。
 アマゾンは紙でも電子でも国内最大手の書店とみられ、本を売ってもらう出版社にとっては最大の取引先。一部の出版社は提案を受け入れたが、大手出版など多くの出版社は猛反発し、協議を続けている。文芸春秋は6月、「優越的地位の乱用などの疑義を招くのでは」などと抗議した。
 アマゾンはこれまでも、出版社に対し「スコアカード」という成績表を配り、アマゾンの要求にどれくらい応じたかを「偏差値」で示すなど、出版社への圧力を強めてきた。
 対立は世界で先鋭化している。米国では、電子書籍の値下げを求めるアマゾンが、要求に応じない一部の出版社の本の発送を遅らせるなど圧力をかけたとして、著名な作家900人が抗議した。フランスでは6月、ネット書店が値引きした書籍を無料配送することを禁じる「反アマゾン法」ともいわれる法律が可決。流通を握るアマゾンが自社に有利なルールを押しつけてくることへの反発や、町の書店が消えていくことへの危機感が背景にある。
 メディア研究者の大澤聡さんは、出版社がアマゾン対策に集中することにより「商品の質の低下が起きかねない」と指摘する。
 アマゾン広報部は「契約に関わることなのでコメントは難しい」としている。(守真弓)

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 2.

2014-08-29 12:55:44 | 政治・社会・経済問題

日本マグドナルドの栄光と挫折

日経新聞 2014年8月25日 7:00 電子版より

 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。
だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。

■「デフレの勝ち組」の挫折
 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。
 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。
 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。
 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。
 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。
 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。
 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。
 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。
もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。
 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。
 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。
■原田マジックの深層
 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。
 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。
 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。
 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。
 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。
 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。
 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。
■スピード勝負の限界
 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。
 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」
 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。
 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。
■組合の深謀遠慮
 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。
 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」
 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。
 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」
 その岡田は労使協力路線をうたっている。
 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」
 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。
敬称略 (編集委員 金田信一郎)

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 2.

2014-08-29 12:55:44 | 医療と介護

日本マグドナルドの栄光と挫折

日経新聞 2014年8月25日 7:00 電子版より

 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。
だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。

■「デフレの勝ち組」の挫折
 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。
 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。
 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。
 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。
 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。
 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。
 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。
 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。
もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。
 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。
 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。
■原田マジックの深層
 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。
 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。
 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。
 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。
 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。
 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。
 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。
■スピード勝負の限界
 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。
 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」
 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。
 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。
■組合の深謀遠慮
 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。
 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」
 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。
 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」
 その岡田は労使協力路線をうたっている。
 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」
 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。
敬称略 (編集委員 金田信一郎)

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 1.

2014-08-29 12:51:29 | 政治・社会・経済問題
日本をあまく見たマクドナルド


日経新聞 2014年8月25日 7:00 電子版より

 中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が起きて、日本マクドナルドホールディングスの店頭から顧客が目に見えて減っていった。既存店売上高は急落し、業績の予想すらできない窮状に陥っている。その客足が遠のいた店舗を歩くと、「迷走する経営」があぶり出されてくる。


■混乱のマック本社
 「30年以上、マクドナルドで働いているが、こんなにお粗末な失態は初めてだ」。京都府の店舗オーナーは呆れた口調で語った。
 8月20日、日本マクドナルドは、料金の過剰徴収を発表した。18日から「マックウィング」と「豆腐しんじょナゲット」を通常の半額程度の120円に値下げした。ところが、150円で販売する店が続出、全3135店の8割以上にあたる2583店で過剰請求が起きていた。
 背景にはマクドナルド本社の迷走がある。キャンペーン開始のわずか3日前に価格を150円から120円に変更する。だが、本社が一括管理しているレジの修正が間に合わず、120円と150円の2つのボタンが混在してしまった。しかも、190円のクーポン券がすでに配布されていた。
 「すべて120円で販売するように」という指示が全国の店舗に飛んだ。しかし、急な変更に16万人のクルー(店員)が対応できるはずがなく、批判の声が上がっている。
「ドライブスルーでは客にクーポン番号を読み上げてもらう。それをいちいち商品名と値段まで確認している余裕はない」「100人近いバイトを管理している。こんな複雑なことを全員に徹底できない」
7月下旬に、中国の加工メーカー「上海福喜食品」が期限切れの鶏肉を使用していた事件が発覚してから、1カ月しか経っていない。相次ぐ不祥事で、店舗には本社に対する不信感が渦巻いている。
 「そもそも、チキンとナゲットは客が敬遠している“NG商品”。在庫処分のつもりかもしれないが、それをキャンペーン商品にされて、店はたまったものじゃない」(兵庫県の店舗オーナー)
■「屋台の方が安全」
 外食産業の競争が激化する中、マクドナルドはヒット商品も不発で、今年2月から前年同月比の既存店売上高がマイナスで推移してきた。そこに、期限切れの鶏肉を使う映像が報じられ、7月の数字はさらに落下、17.4%減となった。
 事件が日本で大々的に報じられたのは、夏休みが始まったばかりの火曜日のことだった。週の平日は2割を超える減収となる店が続出。だが、影響の深さに店舗が震撼したのは週末のことだった。
 「休日は家族客が増えるはずなのに、ぴたっと子供連れが消えてしまった」(東京都のファーストアシスタントマネージャー)、「子供がチキンを頼もうとすると、親が慌てて制止する」(宮城県のセカンドアシスタントマネージャー)
 その週末、神奈川県の私鉄駅前にある店では、地元の祭りが開催されていた。だが、道はごった返しているが、店に人が入ってこない。売上高は、かつての4分の1程度に低迷し、平日の売上高すら下回った。「要するに、屋台の方が安全だと判断されてしまった」。そう言って、ベテランの店員は肩を落とす。
■赤字決算の危機
 販売急落は底を打ったのか。「少しずつ影響が減っている」。8月15日の取材で、日本マクドナルド上席執行役員の青木岳彦はそう語った。だが、その頃も、多くの店舗関係者が、休日には30%前後の落ち込みが続いていると証言している。
 「もし、売上高が3割の落ち込みになれば、赤字決算に陥る」。いちよし経済研究所主席研究員の鮫島誠一郎はそう予測する。
 野村証券エクイティ・リサーチ部エグゼクティブ・ディレクターの繁村京一郎は、今期の営業利益を91%減の10億円と見ていた。だが、その後に過剰徴収事件も起きている。「展開次第では、驚くべき決算になる」(繁村)
 客を呼び戻すシナリオが描けない。しびれを切らした店舗では、愚直な取り組みも始まった。
■カサノバ会見の影響
 「チキンを買ってくれたお客さんには、おじぎの角度を10度深くしろ」。神奈川県の店長は、そう指導している。背景には、社長兼最高経営責任者(CEO)のサラ・カサノバへの批判が込められていた。
 7月22日、中国の期限切れ食肉事件が日本でも大きく報じられると、翌日には供給を受けていたファミリーマートの社長が陳謝した。ところが、カサノバは会見を開かず、1週間後の中間決算発表の場で、冒頭に謝罪の言葉を読み上げた。しかも、事件に「憤りを感じる」と被害者としての発言を繰り返す。「この件は1つの地区の、1つの工場による数人の悪意を持った従業員による行動。他のサプライヤーには当てはまらない」。そう言って不快感を露わにした。
 「日本の消費者の気持ちをまったく考えていない。もし、店長が彼女のような態度をとったら、絶対にクレームがつく」(神奈川県の店長)
■「できるバイト」が消えていく
 そして、現場では負の連鎖が続いている。
 アルバイトやパートが「カット」と呼ばれる労働時間短縮を余儀なくされている。店舗では、30分ごとに販売の集計値が打ち出される。そこには、時間内の客数や売上高、サンドイッチ(ハンバーガー類)販売数、客単価などが記されている。そこに、販売状況に応じた必要な人数が明記されている。「プラス1」と書かれていれば、「売上高に対して店員が1人多い」という警告を意味する。
 「他のバイトと掛け持ちする『ダブルワーク』が横行している」(都内店舗のアシスタントマネージャー)。他の仕事が忙しくなり、去って行くクルーも少なくないという。
 マクドナルドでは、アルバイトやパートの店員も、研修を受けなければ店頭に立てない。その後も、一般のクルーに向けて「リーダー」「効率的なコミュニケーション」など10テーマの研修コースが用意されている。教材はすべて、米ハンバーガー大学の教授や専門家が作成し、毎年のように磨き上げている。「それを日本流に改良して、1つ上の階層の内容を盛り込んでいる。より高いマネジメントに移りたいという欲求が起きる」(人事本部ハンバーガー大学学長の中村浩)
 アルバイトにも、巨大な店舗を運営するマネジャーが存在する。それが、苦境で数字を積み上げる原動力となっていた。
 「かつて、売り上げが伸びない時は、(労働時間を)カットするのではなく、売り上げを作る方法を模索した」。関西の大型店舗でアシスタントマネージャーを務めたイーアンドシーエスサポート社長の掛川幸子は、そう述懐する。閑散時には割引券を配って客を呼び込み、試食サンプルを持って近隣のオフィスを回った。
 だが、今では「ブランドの統一感」が重視され、数値管理も厳格になっているため、店舗の裁量権は制限されてきている。それだけに、本社の失態が続く状況に、現場の不満が鬱積している。
 「現場を見ないで、本社が理屈だけで考える戦略が限界にきたのではないか」。かつて日本マクドナルドの代表取締役を務めた藤木努は、混乱の原因をそう分析している。
■「株価が半値になる」
 「ビジネスモデルが劣化し、客離れに歯止めがかかっていない」。そう指摘する野村証券の繁村は、8月8日に株価予想を下方修正、現在の2657円(8月22日終値)よりも47%低い水準となる1400円とした。鮫島も半年で1800円まで落ち込むと読む。そうなれば、2001年のJASDAQ上場時の4700円はおろか、業績が2期連続の赤字に陥って、アップルコンピュータ日本法人社長の原田泳幸を迎えた時の2380円をも下回る。8期連続で既存店売上高を伸ばした「原田マジック」の成果すら消え去ることになる。
 それは、米国生まれのハンバーガーチェーンを、独自の戦略で成長させた「“日本”マクドナルド」の終焉を意味する。産業界を代表する名経営者たちが率いた外食企業は、米国企業の一現地法人に戻ろうとしている。

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 2.
 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。
■「デフレの勝ち組」の挫折
 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。
 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。
 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。
 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。
 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。
 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。
 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。
 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。
もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。
 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。
 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。
■原田マジックの深層
 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。
 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。
 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。
 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。
 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。
 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。
 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。
■スピード勝負の限界
 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。
 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」
 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。
 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。
■組合の深謀遠慮
 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。
 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」
 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。
 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」
 その岡田は労使協力路線をうたっている。
 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」
 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。
敬称略 (編集委員 金田信一郎)

デング熱、70年ぶり国内感染=10代女性、容体は安定-厚労省

2014-08-29 12:49:25 | 医療と介護
時事通信 8月27日12:48 配信

 厚生労働省は27日、埼玉県に住む日本人の10代女性が国内でデング熱に感染したと発表した。国内感染が確認されたのは約70年ぶり。女性は入院中だが、容体は安定しているという。
 厚労省によると、旅行者が海外でデング熱に感染し、帰国後に発症する例は年約200件報告されているが、国内での感染は1945年以来、確認されていなかった。
 女性は東京都内の学校に在学中で、20日に約40度の高熱を出し、さいたま市内の医療機関に入院。検査でデング熱の感染が判明した。海外への渡航歴はなく、帰国した旅行者から国内の蚊を媒介して感染したとみられる。
 同省は都道府県などに、感染の疑われる症例があった場合には速やかに報告するよう要請した。

医学部長職解任は不当

2014-08-29 12:45:36 | 医療と介護
font size="4">東京女子医大教授、地位保全の申し立て>


共同通信社 2014年8月26日(火) 配信

 東京女子医大病院で首を手術した2歳男児が死亡した医療事故をめぐり、病院側の対応を批判したことを理由に医学部長職を解任された高桑雄一教授(62)が25日、解任は不当として地位保全を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
 高桑教授は学長だった笠貫宏(かさぬき・ひろし)氏と共に6月に記者会見し、病院側が事故の調査報告書を公表しないのは社会的責任を果たしていないと批判。大学側は7月の臨時理事会で笠貫氏を解任し、高桑教授も問責した。その後、事情聴取を拒否するなど学内を混乱させたとの理由で、今月24日の臨時理事会と評議員会で高桑教授も解任されたという。
 高桑教授側は申し立てで「大学の規則に医学部長を解任できる規定はなく、一方的な解任決議は無効だ」と主張。25日に記者会見した高桑教授は「現場の学生や教職員の環境を守ることが私の使命。十分に事情を把握しないまま解任され、非常に理不尽だ」と訴えた。

人生で起きていることには必ず意味がある

2014-08-29 02:33:32 | 編集スクランブル


★何を願っているかが、その人の境涯。
世界平和―核兵器廃絶
★自らがエゴの壁を破り、生命の変革に挑戦する。
個人的な悩みの段階を経て、人の幸福、社会の安穏を願う立場になる。
★もし、他の誰かが成し遂げたことなら、確実に自分でもできるはず。
しかし、不可能だとされることは、答えを自分で見いださなければならない。
そのことに私は、たまらなく心が突き動かされる。
クライミングの天才・デビッド・ラマさん
★若手音楽家たちが大勢の演奏家と触れ合う。
技術だけでなく、音楽性など内面も揺さぶる触発や着想の機会となるはずだ。
「そのためにも、心を開放することです。開かれた心が欠かせません。私たちは若い人に“好奇心をもち続けることが大事だ”と語っています。芸術は全て関連し合い、つながっているからです」
群馬県・草津で「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」
ドイツ・ヴェルツブルグ音楽大学教授・アンドラーシュ・アンドリアンさん
★国際科学映像祭
現在のプラネタリウムは、デジカル化され、星だけでなくさまざまな映像を映像化できる。
科学は難しいというイメージがあるかもしれません。
でも、映像で見ると分かりやすく、ドームシアターでは、心地よく感じてもらえるはず。
共鳴するものを拾い出してほしい。鳫(がん)宏道さん
★人生で起きていることには必ず意味がある。
また、意味を見出し、見つけていく。
それが元来の生き方だ。
★人に感謝できる人は幸せな人だ。
★人生には壁がある。
その壁を這い上がるための手が掛かり、足掛かりをつくりつづける。
★人には生命触発、発心の場が不可欠。
新たな旅立ちの舞台も必要。
未来は今にある。










9日間で4回歯を治療した安倍晋三首相 

2014-08-28 08:48:08 | 医療と介護
歯科医師が症状を分析

NEWS ポスト セブン 2014年8月26日 7:00

 歯痛は厄介だ。夜は眠れないし、仕事をしていても集中力がなくなる。ゴルフなんてしようものなら、スコアがまとまらず苦労する。普通は歯医者に行けば、痛みは大幅に緩和される。だが安倍晋三首相の場合、ただの歯痛ではないらしい。
 安倍首相は中南米訪問から帰国した8月4日、羽田空港に到着して皇居で帰国の記帳を済ませると、そのまま衆議院第1議員会館内にある「歯科診療室」に駆け込んで約30分間治療を受けた。その慌ただしさから、政府専用機内でよほどの痛みに悩まされていたと想像できる。
 痛みは簡単にはひかなかったようだ。同じ歯科診療室に翌々日の6日、そして11日にも通い、翌12日にも静養のためにお国入りした地元・山口でわざわざ支援者の歯科医に診てもらっている。
 では、9日間に4回も治療しなければならないとなると、どんな症状が考えられるのか。歯科医師の杉山正隆氏はこうみる。
「短時間の診療を頻繁に行なっていることから想像すると、歯根嚢胞(のうほう)、根尖(こんせん)性歯周組織炎といった歯周病関連の可能性があります。
 あるいは『フィステル』。これは歯の神経を取った場所に菌が入り歯茎の一部におできのようなものができる症状です。とても痛く、ストレスや体調不良で悪化しやすい」
 官邸内部でも、首相の歯の異変は「ストレスが溜まっているのではないか」という見方が強い。
「総理はストレスを感じると歯にくるようです。昨年4月にロシアを訪問した際にも、ここ一番と臨んだプーチン大統領との首脳会談直前に歯のひどい痛みを訴えて、現地で歯医者を探せと大騒ぎになったことがある」(側近の1人)
 これには後日談がある。ロシアからの帰国後、治療を受けた現地の医療機関から高額の請求書が届いたのだ。首相自身が、昨年9月に開かれた日本歯科医師会のパーティの挨拶でこう語って会場を沸かせた。
「いよいよプーチン大統領との会談という時に、奥歯が痛くなった。あとで請求書を見て、やっぱり日本の皆保険は素晴らしいと思い、制度の断固維持を決断しました」
 強いプレッシャーやストレスに直面すると「歯に症状が出る」という人は少なくない。安倍首相の置かれた状況を見ると、支持率はジリジリ低下し43%と過去最低に(時事通信調査)。看板のアベノミクスはここに来て消費増税による大幅な落ち込みが顕在化するなど前途多難だ。そのうえ首相就任以来、50か国近くもの外遊や国内視察のハードスケジュールを詰め込んでおり、疲れが溜まっているのは間違いない。
※週刊ポスト2014年9月5日号

公文書は原則「自死」に 仙台市指針、例外も規定

2014-08-28 08:46:56 | 医療と介護

共同通信社 2014年8月26日(火) 配信

 仙台市が公文書などで自殺を「自死」と言い換える基準のガイドラインを作成し、25日から運用を始めたことが分かった。原則として「自死」を使うと定める一方、命の重さを強調し、自殺を思いとどまらせるための文書は、例外的に「自ら命を絶つ行為」などと表現を工夫することにした。
 「自らを殺す」との表現に傷つけられるとして、見直しを求める遺族に配慮した。全国約1800人の遺族でつくる「全国自死遺族連絡会」によると、自治体によるガイドラインの作成は全国でも珍しいという。
 対象は、市や市教育委員会の作る全ての文書で、内部文書や広報物も含む。例外の表現を設けたのは、「自死」では「重大さが伝わらない」との意見もあったため。「自殺対策基本法」など法律や公的機関の名称、「自殺死亡率」といった統計用語は言い換えない。
 遺族連絡会の田中幸子(たなか・さちこ)会長は「自治体のガイドライン作成は聞いたことがない。遺族への理解が深まる大きな一歩になる」と話している。
 自殺の呼び方では島根、鳥取両県が昨年、公文書での「自死」使用を決め、宮城県も今年1月に言い換えを始めたが、詳しい基準を定めたガイドラインは作っていないという。

カジノ依存は手ごわい

2014-08-28 08:45:13 | 医療と介護
香山リカのココロの万華鏡


毎日新聞社 2014年8月26日(火) 配信

 先ごろ、パチンコや競馬などの賭け事をやめられない「ギャンブル依存症」の疑いがある人の国内推定数が厚生労働省から発表された。その数およそ536万人。男性の8・7%、女性の1・8%という結果は、諸外国に比べても高い。
 おりしも政府内では、海外からの観光客誘致の一環としてカジノ解禁の議論が進んでいる。厚労省はカジノ整備には反対しないものの、日本人の利用を認めないよう求めていく方針とのことだ。この動きに関して推進派からは「ギャンブル依存の原因はその人自身の特性や生活にあり、カジノができたからといって依存症が増加するわけではない」という声も上がっている。
 しかし、依存する対象への接触や利用のしやすさが依存を促進し、いったんでき上がった依存からの脱却をしづらくするのは否定できないだろう。たとえばアルコール依存症に陥り、治療を受けて断酒を始めた患者さんには、初期の段階では「なるべく飲み会には行かないように」と伝える。宴会に出て酒を勧められても「私はお茶で」と断れるようになるまでには、かなりの時間が必要なのだ。
 何より問題なのは、カジノの場合、パチンコなどに比べて一度に動く金額が膨大になる可能性があるということだ。一瞬にして何億ものお金がもうかったり消えてしまったりするときの興奮、緊張、そして快感や失望は、ほかの遊びや仕事などではとても味わえない、と依存症に陥った人が語ってくれたことがあった。ほかの依存ならスポーツや農作業などで日常を充実させることで回復する可能性もあるが、カジノ依存は手ごわい。健康的な生活に戻っても「あのスリルが忘れられない」と再び手を染めてしまう人も少なくない。
 もちろん、日本にカジノができたからといって、利用者のすべてがどんどんのめり込むわけではなく、依存症にまでなるのはほんの一部だろう。私は個人的にはカジノ整備には反対だが、実現したら多くの観光客が世界からやって来たり地域が潤ったりするのだとしたら、あえて見送るのはあまりに惜しいという気持ちもわかる。
 ただ、いったんカジノ依存が生じた場合、家族や職場にも甚大な迷惑がかかり、本人も一生を棒に振る危険性があるということを、推進派はしっかり覚悟しておいたほうがよい。「そんな人はいるはずないよ」という楽観論はこの場合、通用しないということは、国内外のたくさんのケースを見れば明らかだ。(精神科医)

医療供給縮小の可能性に言及、厚労省幹部

2014-08-28 08:41:55 | 医療と介護
安倍政権の医療制度改革



日病が常任理事会開催、動向注視の構え



m3.com 2014年8月25日(月) 池田宏之(m3.com編集部)

日本病院会は8月23日に常任理事会を開催し、堺常雄会長が8月25日の会見で内容を説明した。同理事会には、厚生労働省の幹部らが出席し、地域医療ビジョンや医療介護連携の考え方を紹介したが、医療について「マーケット・リサーチ」「サプライ・サイド」などの経済用語を用いて表現し、医療供給を減らしていく可能性に言及する発言などがあったという。
医療介護総合確保促進法で定める「新たな財政支援制度(基金)」(以下、新基金)は、基本的に、国と都道府県の負担で行うが、医療機関に負担を求めている事例などもあり、堺会長は、医療提供体制を巡る今後の動向を注視していく考えを示した。
■「ナショナル・ミニマム確保する」
 理事会で、地域医療ビジョンと医療計画の今後について話したのは、厚労省医政局医師確保等地域医療対策室長の佐々木昌弘氏。堺会長によると、佐々木氏は、医療計画について、「マーケット・リサーチを実施して、将来推計を加味すれば、サプライ・サイドの縮小もある」と述べ、医療全体の供給量を減らしていく可能性に言及したという。出席者からは、「地域の衰退につながる可能性がある」と疑問が出たのに対して、佐々木氏は説明を追加。「患者の動線を明確化にした上で計画が進む」「国民に適切な情報を提供し、医療者に求めていくものを、理解できるようにする」旨などを説明した。
 全体として、佐々木氏は、「ナショナル・ミニマムは確保したい」と話し、見直しを進めながら、最低限の医療提供を確保する考えを示した。ただ、堺会長は「今あるデータでは『ナショナル・ミニマム』が分からないのではないか。地域格差が出てくる懸念はある」とした。また、「マーケット・リサーチ」「サプライ・サイド」といった経済用語を用いて、医療提供体制を表現したこともあり、堺会長は、医療需給の適正化について「最初は(病床機能報告制度のように)定性規制だったのが、(都道府県ごとの医療費目標など)定量規制になりつつある」と危機感を示した。
■医療ビジョンの首長関与に懸念
 理事会では、医師の地域偏在についても話題になり、厚労省の幹部は、医学部定員の地域枠の増加によって対応していく考えを示したという。ただ、堺会長は、現在までに「医師のプロフェッショナル・オートノミーでは、(偏在が)解決されてこなかった経緯がある」と問題点を指摘。医療界に、行政によって、地域ごとの医療提供体制のある程度の枠を設定するように求める声があることも紹介したが、「軽々に制度に頼るのもどうかと思う」とも述べ、難しさをにじませた。
 地域医療ビジョンについては、都道府県と医療機関との協議がうまくいかない場合、堺会長は、「首長の力が全面に出てくるのではないか」と危惧を示した上で、現在、医師会中心に進んでいる点について、日病でも都道府県における支部のようなものを設置して、議論に積極的に関わりたい考えを示した。
■新基金、3分の2は医療機関負担?
 医療介護連携について、堺会長が指摘したのは、新設された医療提供体制の充実などに利用される904億円規模の新基金に対する都道府県ごとの温度差。基本的に、資金は3分の2が国の負担、3分の1を都道府県が負担する仕組みが想定されていたが、神奈川県では、医療機関に3分の2を負担するように求めているケースが発生していると言い、「都道府県の動向を注視したい」と述べた。
 堺会長は、全体として、医療関連の法律改正が相次いでいることに加えて、政府の規制改革会議などから、さまざまな医療関連の提言が出ている点をふまえて、「大変分かりにくい状況だが、粛々とやりたい」とした。その上で、やりっぱなしの事業でなく、PDCAサイクルを回しながら効率的な政策にしていく必要性に言及した。

生命力を旺盛にするには?

2014-08-28 08:16:21 | 編集スクランブル
★社会や生命を蝕む元凶と戦う ことの重要を自覚する。
★命には限りがある。
その有限の命が秘めた無限の可能性を如何に引き出せるか?
★生命力を旺盛にするには?
★被災地の中学生たちが、神戸でサミット(会議)。
「まさかの備え」が重要!
教訓は未来へつなげること。
★小惑星探査機「はやぶさ」には、16桁の円周率がプログラムされた。
3桁の「3・14」では軌道は15㌔の誤差が生じるという。
★野球をテレビ観戦しながら丸で、応援団というより、野球・評論家のように「ここれは、ランナーが一人、ここは勝負せず、阿部を歩かせるべきだ」と断定。
家人は「煩い」と不愉快な顔で制するが、言わないではいられない。
案じたとおり、3-0で勝てる試合だったのに、6回に阿部選手が反撃の2点本塁打。
「金本選手だって、何度も勝負してもらえず歩かされたんだ。阿部と勝負するなんて愚か過ぎる」とグーイと酒を飲む。
巨人のアンダーソンと亀井、高橋由選手などが故障で離脱中。
阪神に勝利の風は吹いていたのに・・・
900㍉㍑の酒を飲んでしまった。
「ここからが勝負所、力の見せ場だぞ」
「悪いことがあっても、苦しくても高揚して戦おう」と試合前のミーティングで原監督と選手を鼓舞したそうだ。
戦力が低下し、苦戦を強いられている巨人。
3-0で明らかに劣勢だった。
1点を追う9回、マウンドはリーグトップの32セーブを挙げている呉昇恒(オースンファン)。
阿部が二塁打を打つ。また、阿部にやられた。
当方は「ここでも、阿部と勝負するなよ。歩かせろ!」と叫んでいたのだが・・・
俊足の鈴木が代走に出て、嫌な予感がした。
そして、呉の暴投で鈴木は3塁へ。
村田がライトへ同点の犠飛。
次いで矢野が四球で、大田が代走に向かう。
力んだ呉が再び暴投で大田は2塁へ。
最後はロペスの打球はセンター前で弾み、大田が決勝のホームを踏んだ。
4回に長男から「今日は楽勝」と母親にメールがあったが、まさかの敗戦。
「がっかりした」と家人は寝室へ向かう。
昨夜は勝つて良かった。