共同通信社 2014年8月26日(火) 配信
仙台市が公文書などで自殺を「自死」と言い換える基準のガイドラインを作成し、25日から運用を始めたことが分かった。原則として「自死」を使うと定める一方、命の重さを強調し、自殺を思いとどまらせるための文書は、例外的に「自ら命を絶つ行為」などと表現を工夫することにした。
「自らを殺す」との表現に傷つけられるとして、見直しを求める遺族に配慮した。全国約1800人の遺族でつくる「全国自死遺族連絡会」によると、自治体によるガイドラインの作成は全国でも珍しいという。
対象は、市や市教育委員会の作る全ての文書で、内部文書や広報物も含む。例外の表現を設けたのは、「自死」では「重大さが伝わらない」との意見もあったため。「自殺対策基本法」など法律や公的機関の名称、「自殺死亡率」といった統計用語は言い換えない。
遺族連絡会の田中幸子(たなか・さちこ)会長は「自治体のガイドライン作成は聞いたことがない。遺族への理解が深まる大きな一歩になる」と話している。
自殺の呼び方では島根、鳥取両県が昨年、公文書での「自死」使用を決め、宮城県も今年1月に言い換えを始めたが、詳しい基準を定めたガイドラインは作っていないという。
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