2003年10月31日に初版された、リチャード・クー氏のビジネス書である。
この著を読むことは、大学の講義でマクロ経済に関する授業を学ぶよりも為になること間違いない。
ケインズ経済を学んできた私には人生最高の教科書となった。
著名人等の本書に対する評価(ライナーノーツから)
ソニー会長(CEO) 出水伸之
「本書は、景気後退という日本を長年苦しめてきた重い病に対する画期的な診断書である。リチャード・クーは、日本経済、そして同じ症状に苦しむ国々の経済を独自の角度で解剖してみせる。」
前FRB議長 ホール・ボルカー
「リチャード・クーは強い危機感を持って、日本経済の将来をめぐる積年の議論に斬新かつ不可欠の視点を提供している。」
元内閣総理大臣中曽根康弘
「本書が指摘するように、日本は歴史的な経済実験を挙行しており、その成功は一国のみならず全世界の利益につながる。バランスシート不況に対するクー氏の洞察はまことに深く、未曾有の不況のさなか、この実験を放棄することの危険を政府と国民に訴えるその勇気は大いなる賞賛に値する。」
元ニューヨーク連銀総裁、元米国財務省次官 アンソニー・M・ソロモン
「世界的なバランスシートの毀損-そして90年代のゼロ成長期におけるその重要な役割-」に対するリチャード・クーの分析は、挑発的でありながら説得力に富む。日本の金融システムおよび経済全般の現況を”バランスシート不況”という概念で切り取ったその手際は、あまたのマクロ経済的解釈と明確な一線を画している。氏の分析は、とかく批判に曝されがちな日本政府の財政政策に、興味深いお墨付きを与えることになるだろう。」
『DIE ZEIT』紙(2003年41号)書評
「リチャード・クー氏の今回の著作は、これまで日本経済について書かれた本のなかでも数少ない説得力にあふれた分析の一つになっている。デフレ、マーストリヒト条約、需要政策などをめぐるヨーロッパの議論にとっても時宜にかなった著作である。マクロ経済を勉強するあらゆる人に必読である。」