自民党が雇用政策で独自色を出そうと躍起になっているようだ。
「企業寄りではなく、働き手重視」の姿勢を示し、参院選をにらんで若者ら無党派層の支持を得たいとの思惑が働いているようだが、それなら「ゆとり教育」の見直しと同様に「派遣労働法に係る規制緩和」の見直しを行った方が良いだろう。
党雇用・生活調査会では「再チャレンジ支援なら、年齢でなくやる気を重視すべき」との意見が相次ぎ、通常国会に提出予定の雇用対策法改正案に「求人の際の年齢制限の原則禁止」を盛り込むようだが、これでは建前だけの支援となるだけで、実質はかえって求職活動の邪魔になるだろう。
企業は表面上「年齢に関係なく採用しますよ」と言うが、実質、多くの企業の気持ちは「35歳くらいまでの即戦力しか採用しない」だからだ。
求職側からは、「一応面接はしてもらえるが、採用はしてもらえないじゃないか。採用する気がないなら面接する時間が無駄だから面接しないでくれ」という不満が、求人側からは、「採用する気もないのに面接だけはしなくちゃならない。効率が悪い」という不満がでることは明白である。
さて、再チャレンジ支援に関していえば、企業は「フリーター支援なんかに税金を使うなんておかしい」という意見が多数を占める現状である。
再チャレンジ支援を本気にやる気なら、景気を良くして、採用する企業には補助金を出すか、法人税控除対象枠を設定するなどの方策しかないだろう。
政治家には本音の議論を行って欲しいと思う。