だから、ここに来た!

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中世の港町ライ/聖メアリー教会

2015-05-10 | 2015年春、英国の旅
■4月21日 続き■

ラム・ハウスの次は、通りを歩いてすぐのところにある教会へ向かいます。



この教会もドラマ"Mapp and Lucia"で度々登場します。



教会に向かって右側にはマーク・ゲイティスが演じていたベンジィー少佐の家もあります。



反対側は、エリザベスがルチアの滞在中に暮らしていた親友ダイヴァの家。
ピンク色の外壁が可愛らしい家です。



つまり、みんなご近所なんですね。
こうやって設定されていた舞台を見てみると、ほんの街の一角が舞台になっていたのがよく分かります。
このダイヴァの家をさらに先に行ったところに教会の入口があります。



ラム・ハウスの次に見てみたかったのがこの聖メアリー教会。
教会の塔まで登ると、街が一望出来るはずです。



写真撮影歓迎と書かれていますね。さっそく中へ入ってみます。



教会の中は、緊張感ある静けさよりは、穏やかな気分にさせられるアットホームな雰囲気があります。



街の名所を刺繍したパッチワーク。よく出来てる!



教会の一角には子供用スペースが。
椅子に備え付けてあるクッション?も赤い地に教会が刺繍してあって可愛い!



全体像の模型を見て、初めてどんな形をした教会なのか分かりました。
小さな街の家々の中に立っているから、外側からだと一部分しか外観が見られないんですよね。

のんびり内部を廻っている間、ふと上を見ると、細長い振り子が左右に揺れているのを発見。



天井の穴から振り子だけが突き出ている…。
上からは階段を降りるような足音が響いてきます。
この上に塔に登る階段があるのかな?



入口から入って右側に塔に入るための入口を見つけました。
ただ、入口傍には誰もいないので、売店係の方に声を掛けなければ。
来る前に他の方の旅行記を見て「誰もいなかったから登れなかった」
なんて話も目にしたので、ちょっと不安が過ります。



売店は無人でしたが、呼び出しボタンがあったので一安心。
ボタンを押すと、奥から恰幅のいいおじさんが出てきました。
「塔に登ることはできますか?」と訊くと「いいよー、じゃあ入場料ねー」とあっさり返事が。
他の観光客も登りたそうにしていたので、皆でおじさんに入場料£3.50を渡し、入口へ案内して貰いました。
(おじさんはおつりを持っていなかったので、他の客から貰った小銭をそのまま他の客におつりとして渡したりしていたw)



扉の中に入ると、狭い空間に上へと向かう階段が。
「頭に気をつけて!」とのおじさんの注意だけでなく、
階段のあちこちに頭上注意の警告の貼り紙があります。



ドラマの中でも、エリザベスが塔に登っていて、階段の幅が狭いのは知っているつもりでしたが、
実際に登ってみると、上に行く程どんどん登りにくくなっていく…。



ほとんど蟹歩きです。
そうしてひょこひょこ上へ登るうちに、やっと部屋に辿りつきました。



むむ、この天井に張り巡らされた紐は…。



ああ! ここで教会の鐘を鳴らすのか! それもこんな8人掛りで!
ほんの数人もいれば出来る仕事なのかと思っていました。



鳴らす順番も、決まりがあるようですね。
残念ながら、鐘がなるのは日曜と木曜だけらしい…。
実際に音を聴いてみたかったな。



部屋の中には、塔に備え付けられた時計の歯車も見る事が出来ます。
先ほどの振り子の上は、こうなっていたんですねー。
時計は14世紀に地元ウィンチェルシーの職人によって取り付けられたものらしく、
英国内で最も古い、現在も機能している教会の時計のひとつなのだとか。
実際の時計は、今歩いてきた場所とは別の方向なので後で見るとして、今は塔のもう少し上を目指します。



今までよりさらに急な階段を登ると、人気のない窮屈な部屋に出ます。
…そうだ、エリザベスもここをすり抜けてたなあ。



おお! ここに鐘があった!



大きな8つの鐘が2-4-2と並んでいますが、階段から見下ろしても大きくて全て入りきれません。
この鐘を、下の部屋で操作して鳴らすんですね。



天井に続く階段の上で撮っている間も、足元が急でカメラ落としそう…。怖い。
ビクビクしながら階段の先まで登ると、天井に小さな網扉が着いています。
へっぴり腰のまま、やっとのことで扉を開けて外に出ます。
すると…



「うわあ! なんていい眺め!!」

美しい景色に思わず声を漏らしてしまった私。
風は強くてよろめいてしまうほどですが、文字通りライの街並が一望出来ます。
ライの名所の一つ、イプス・タワーもはっきり見えますね。



今まで歩いて来たピンク色の家や、駅の方角も。



ラム・ハウスの前には、修学旅行?の学生たちの姿が見えます。



庭の中までよく見える!
ドラマの中で、エリザベスが仮病を使って家に引きこもるルチアを塔の上から覗き見する場面があるのですが、
さすがに実際には教会から庭は見えないだろう…と思ってました。



ちゃんと見えるではないですか!
EFベンソンは自分の庭が教会から見えると分かった上で書いていたのかな。
変なところで感動しました(笑)。



遠くの川や湿地だけでなく、街の通り一つ一つの通行人まで観察することが出来ます。
狭い階段を登って来た末に出会うこの眺めは格別です。
しかも他の観光客はこの塔の外まで登ってこないのか、
私一人でこの景色を独り占め出来ました。



町議会にはためくユニオンフラッグ越しに見るライの街並。
海外からの観光客のみならず、英国内の人々にも愛される街であることがよくわかる、
ノスタルジックな味わいがあります。



塔の外壁を見ると、訪れた人が名前等を書き残しているようです。
十分景色を満喫した後は、また元の階段を下っていきます。
急な階段は降りる方が怖い…



そして外へ出て、正面から見た教会と塔の外観。



せっかくだからもっと時計を拡大して写真を撮っておけばよかったなー。

次回は、さらに街を歩きます。
コメント
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