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『週刊現代』の反中国デマゴギー~『改竄の総力ワイド』①

世の中には、人類の不幸をメシの種にする卑劣な連中がいる。
5月31日付け『週刊現代』の「緊急大特集大陸の天災人災」という記事はその代表格である。刺激的に『総力ワイド』などとふるった見出しをつけてはいるが、平気で男性記者を「女性記者」に間違えるなど、のっけから極めて信憑性にかける記事内容である。改竄のトップバッターは「中国政府がひた隠す驚愕の真相 胡錦濤国家主席は大地震を訪日前に知っていた!」というたいそうな見出しの記事である。記事の形をとってはいるものの、これは悪辣な反中国のデマゴギーである。世界人口の少なくとも1/4はいる中国人民である。世界人口の1/4を相手に、『週刊現代』の『作者』はいい度胸ではないか。
『週刊現代』のデマゴギーを以下検証してみることにする。

1.改竄の手口①
『週刊現代』は、四川の地震翌日から連日行われている国務院新聞弁公室のプレスブリーフィング(13日分)を改竄する。日本語には「見てきたようなうそをつく」とよくいうが、『週刊現代』はまさにそれである。
5月13日に実際に行われたブリーフィングを以下で紹介する。
青色の箇所は、『週刊現代』がたくみに改竄する箇所である。よく注意しどのように改竄されるのかを見てほしい。


(実際の5月13日国務院新聞弁公室のプレスブリーフィング)
シンガポールの「聨合早報」の男性記者
「張宏衛氏(中国地震局ニューススポークスマン)にお尋ねします。私たちは四川地震局の7名の職員から苦情を受け取りました。
彼らの身内の方が、(地震発生の)数日前に地震の予兆を感じていたとのことですが、局では、オリンピック前に不安な情報を漏らしてはだめだと止められた、というのです。
そこでお尋ねしたいのですが、これほどの大地震は予め警戒することはできなかったのでしょうか、また、このような苦情についてはどのようにお考えでしょうか?
張宏衛:「まず、そのような推測は根拠のないものです」
この後司会が「では専門家から地震の予測、予報の状況について紹介いただきます。」といい、張暁東(中国地震台ネットワークセンター副主任)から、地震の予測については世界的な難題であると説明が続くのである。

 では、『週刊現代』はどのように改竄したのか。『週刊現代』の原文を以下引用する。実際の5月13日国務院新聞弁公室のプレスブリーフィングの青色部分に対して赤色にしてあります。特に、『週刊現代』の脚色されている部分は斜体にしています。(斜体部分の言葉は中国語では「けなす」意味に使われる)

(週刊現代)
「会場が凍りついたのは、質疑応答に移った時だった。シンガポールの有力紙『聨合早報』の女性記者が、次のような爆弾質問を行ったのだ。
「われわれは四川省地震局の7人の職員からタレコミをもらっています。彼らは地震発生の数日前から、今回の大地震を予知していたにもかかわらず北京オリンピック前に国内を動揺させてはいけないという上層部からの圧力で、地震発生を事前に公表できなかったと証言しています。これを説明してください。壇上の張宏衛中国地震局スポークスマンの顔色が見る見る青ざめていく。結局「そのような予知というのは、道理に合わない」とかわすのが精一杯だった。」

 まず、実際に行われたプレスブリーフを見れば、『週刊現代』のいう地震「予知」などという言葉は一切出てこない。ここが「みそ」である。
「地震局職員の身内の方が地震の予兆を感じた」という話は、不安をあおるだけだという局内での話しで止められた、という苦情である。
『週刊現代』はわざわざタレコミという言葉を使うが、実際のプレスブリーフでシンガポールの記者が使っている言葉は、中国語でいうところの「投訴」である。日本語にすれば「苦情」にあたる。例えば、買ったバッグが悪かったなどと消費者協会に申し出るような行為である。
『週刊現代』のいう「タレコミ」というのならば、中国語では「告密」となり実際のシンガポールの男性記者の発言とは違う。こんな改竄をされたのではシンガポールの「聨合早報」の記者もたまったものではない。「彼」の知らないところで何と「女性記者」に変えられたうえ、5W1Hの柱がずたずたにされてしまっているのである。シンガポールの記者に対する冒涜ではないか。こんないい加減な記事をなぜ書けるのか。『週刊現代』は日本の読者をなめきっているからではないか。
地震局の張スポークスマンは「地震局職員の身内の人が予兆を感じていた」ことに対し、「そのような推測は根拠がない」といっているのである。
「予兆」とは地震雲とかねずみやかえるが大量移動するとか、なまずの異常行動である。「予兆」「予知」「予測」は内容が異なる概念である。しかしながら『週刊現代』はこれを地震局職員の「予知」と改竄する。
これまでの箇所では、『週刊現代』が様々な修飾語をつけ様々に改竄を加えて「地震局職員」の「予知」なるものをデッチあげたことを覚えておこう。『週刊現代』は、日本の読者を侮辱しきっている。
 彼らの文脈を要約すれば、四川の地震の数日前に四川地震局職員7名が地震の「予知」をしたのに、局の圧力で公表できなかった、と「タレコミ」があった、となる。
地震局職員といえば地震の専門家である。その専門家が地震「予知」をしていたのに、地震局の上層部がその公表を抑えた、となれば誰だって中国はけしからん、という思いを胸に抱く。『週刊現代』の狙いはまさにここにある。政治的下心をもった「反中国」の政治誘導である。大地震は中国の「大人災」だったとどうしてもいいたいのである。「人災」というシナリオにあわせて書いている。「中国」の胡錦濤国家主席や温家宝総理が「けしからん」がまずありきである。しかも今回の地震で中国が一致団結して地震の被災から立ちあがるのが気に入らない。
『週刊現代』は出だしで「男性」記者を「女性」記者と、とんまな間違いをさらけ出しながら、そのことすら気づいていない。何と破廉恥な間違いだ。さらにはその記者の発言を見る影もなく改竄する。シンガポールの有力紙に対する侮辱だ。

 

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