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日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」 №4 「宇宙」

 日本のマスコミがほとんど報じない「ニュース」  №4

今回のテーマは「宇宙」です。少し長くなります。
 
1、「国際宇宙ステーション(ISS)」に滞在するアメリカ人飛行士二人が地球に帰還できなくなっているというニュースが、日本でも報道されました。

 現時点で、当初の8日間の滞在予定が、既に2ヶ月を超えています。帰還予定船のガス漏れ故障が原因です。未だ故障の原因解明に至らず、再発射は絶望的です。

 もとより、2003年に飛行中のスペースシャトル「コロンビア」が大気圏再突入後に空中分解してしまう大事故が発生し、スペースシャトルの打ち上げが無期限停止となったため、その後の宇宙飛行士の交代にはもっぱらロシアのソユーズ宇宙船が使われるようになっていたそうです。

 今、「代替」機を飛ばせる技術力がある国は、ロシアと中国だけです。ただ、ロシアについては言うまでもなく、未だ全方面での「制裁」を課している手前、さすがに“助けてください”とは言えないようです。残る中国についても、アメリカが当初から「国際宇宙ステーション計画」から中国を排除してきたために、本船との(接続)規格が異なる上に、アメリカには今なお「ウルフ修正条項(*後に詳細説明)」というものあって、あまり現実的ではありません。そこで、マスク氏の民間機の使用を追及することになったそうですが、すべてがうまくいっても帰還は来年(!)にずれ込むそうです。

 宇宙で取り残された二人は、どれ程心細いことでしょう。酸素は、水は、食べ物は・・・あの狭い空間に半年以上も閉じ込められるストレスは想像を超えるでしょう。たぶん私なら発狂してしまいます。アメリカ政府による「敵視外交」が生んだ“犠牲者”とも言えるでしょう。無事帰還を願うばかりです・・・。
 

2、アメリカ主導の「国際宇宙ステーション」の“寿命”は今年(2024年)末までです。そうなれば、世界中で稼働する宇宙ステーションは中国が独自で稼働させているものだけになります。そこでアメリカは「国際宇宙ステーション」の運営を2030年まで延長する方針を固めましたが、その延長運営(特に有人飛行)に関してはロシアの技術協力なくしては困難で、そのロシアは「日本や欧米などと共同で運用する国際宇宙ステーションに関し、2024年までの共同運用終了後の撤退は決定している」と表明すると共に、今後は中国に協力する意向を示しています。アメリカの「延長案」の成否は、今回の「帰還事故」を見る限り、かなり危ぶまれるのが「現実」です。
 

3、「先端半導体」を象徴とした、アメリカの中国に対する先端技術の「封鎖」や「制裁」は見境のないものです。「華為(ファーウエイ)」創業者の娘をカナダで逮捕させ、“人質”として2年にわたって拘禁し続け、屈服を迫るという、ほとんど「強盗」か「山賊」まがいのことまで平気でしています。実はこれはアメリカの“常套手段”で、過去では日本の「東芝」やフランスの先端通信企業の幹部職員も同じ目に遭っています。最近では、韓国サムスンと台湾の半導体企業TSMCのトップがアメリカの呼びつけられ、企業機密(取引相手、取引額、在庫量、会計等等)の資料をすべて提出するよう強要されています。

 韓国政府の抗議と抵抗も空しく、結局言われるままに提出したばかりか、台湾政権に至っては何ら抵抗さえせず、「TSMC」に至っては、その無謀な要求を丸呑みしたばかりか、まったく採算が合わないことを知りながら、莫大な費用を投じてアメリカ国内に大規模工場を作ることさえ承諾させられています。これが「半導体支配」を目論むアメリカのいわゆる「チップフォー」成立の実態です。
 

4、こうした先端技術の「封鎖」や「制裁」は中国建国以来続いていますが、象徴的なのは「宇宙領域」です。

 米議会は2011年、米国の宇宙計画に中国は参加させないと議会で決定し、これによってNASAや米科学技術政策室(OSTP)は中国との協力や、2国間で合意などを結んではいけないことになりました。いわゆる「ウルフ修正条項」です。

 これはかなり徹底したもので、通常のNASAの見学コースでさえ、中国人は足を踏み入れることができないばかりか、米国で行われるNASA関連の国際会議などでも、中国人は締め出されています。既に入国した中国人研究者を会場で阻止するという事態も起こっています。無論、こうした処置に対し、アメリカを含む他国の研究者たちから批判が噴出し、2013年には米国人の科学者らが、NASAのからむ国際会議から中国人締め出しに抗議の声を上げたこともあります。

 当然ながら中国人飛行士や科学者は国際宇宙ステーションにも乗ることは許されず、研究者を招待するなど予算を中国人に対して使うことも禁じられています。つまり、中国人だけに的を絞った「排除措置」を取っているのです。
 

5、こうした「排除措置」の“お陰”で、中国は独自の「宇宙大国」への道を突き進みます。中国が“挙国体制”を採ったときのエネルギーは実に凄まじいものです。想像を超える短期間で、独自の宇宙ステーションを完成させ、2020年にはアメリカの「GPS」に替わる「北斗」衛星測位システムを完成させ、2024年の6月には、月の裏面への着陸と試料の採取など、目を見張る成果を次々と達成していったのです。

 中国はアメリカと違って、こうした成果を「人類の共通財産」と考えています。無論、このことで、「中国が如何に善人か」、と言いたいわけではありません。各国の共同研究が長期的視野に立てば、世界の人々にとって“福音”であるばかりではなく、中国にとっても有利なことだからです。「一帯一路」や「人類運命共同体」に共通する思想です。

 習近平氏は中国独自の宇宙ステーションに関して、「どの国でも参加することを歓迎する」と述べています。その実、この宇宙ステーションにはロシア、インド、ドイツ、ポーランド、ベルギー、イタリア、フランス、オランダ・・・など数多くの国がすでに国際協力プロジェクトを立ち上げています。

 ついでに言えば、本年6月、無人月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側から1935.3 gのサンプルを回収して帰還しましたが、これら貴重なサンプルもすでに各国の研究所に提供しています。
 

6、面白いのは、アメリカの反応です。中国宇宙ステーション完成に伴う、NASA長官の記者会見には文字通り“開いた口が・・・ウンヌン”でした。
曰く:アメリカも参加する用意がある。中国はそれを受け入れるべきである。但し、船内の「公用語」は“国際慣例”に従って「英語」とするべきである・・・。
さらに記者の質問に答えて:この件に関しては「ウルフ修正条項」の適用から除外してもよい・・・
 ・・・アメリカ白人の「傲慢さ」と「非常識さ」は私たちの想像を遙かに、遙かに超えています!!

 あまり良い例えとは言えませんが、物乞いが薄汚れた皿をさし出し、「そこの人、この皿に食べ物を入れさせてあげよう。但し、中華や日本食ではだめだ。日頃食べ慣れている最高級のステーキに限る!!」

 琉球で、レイプ事件や交通事故が起こったとき、アメリカの駐日大使か、軍司令官かの記者会見を思い出しました。曰く:アメリカは善意から、日本当局(警察)にも(加害兵士の)事情聴取(だけは)させてあげよう・・・。そう言われてヘラヘラ喜ぶのは日本政府くらいでしょう・・・
                                                   墨面  2024/8/18

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