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原発汚染水を海に流すな! 「政府と東電のウソ」にダマされてはいけない!

原発汚染水を海に流すな!
「政府と東電のウソ」にダマされてはいけない!
 日本政府は8月24日から内外の強い反対を無視して、原発汚染水を海に流し始めた。中国は日本産の水産物の輸入を全面的に禁止したが、これは嫌がらせでも言いがかりでもない、自国民の健康と安全を守るための当然の処置だ。むしろ、多くの日本人の方が政府と東電とマスコミのウソにダマされている。私たちは本当のことを知らなければ、自分で自分の身を守ることさえできない!

1,福島原発の事故とは何だったのか?
 

 2011年3月11日に発生した地震によって福島第一原発が崩壊した。この事故で大気中に放出した放射能の量は、最も危険な放射性物質と言われるセシウム137の量で換算すると、広島型原爆の168発分にのぼる。一発で広島の街を壊滅させた原爆のその168倍だ。放出された放射能の80%は東側、つまり太平洋の方へ流れたが、20%はその時に降った雨や雪に混ざって福島をはじめ東北と北関東(東京も含む)の陸地に降り注いだ。〈この数字は日本政府がIAEA(国際原子力機関)に報告した数字から算出したもの〉
 セシウムの半減期は30年、まだ事故から12年しかたっていないので当時の約80%の線量が残っている。住宅地は汚染土を取り除いたが、山の中はそのままだ。それらの放射能は今も雨が降るごとに川から海へと流れ込んでいる。
 事故前に福島第一原発の中にあった放射性物質は広島型原爆の7900発分だ。まだ7732発分の放射性物質が原子炉の底にデブリとなって残っている。それらのデブリに直接触れた水が汚染水だ。
 政府は「この汚染水をALPS(多核種除去設備)によって浄化し、トリチウム以外の63種類の放射性物質はほとんどを除去した。トリチウムは弱い放射線しか出さず、しかも半減期が12~3年と短く、水で基準値以下に薄めて放出すれば問題はない」と説明している。しかしこれは真っ赤なウソだ。
 まず、核分裂で発生する放射性物質は800核種以上もあり、政府が測定して除去したとしているのは63核種のみだ。しかも測定したのはタンクの中の真ん中の綺麗な上澄み液であり、上に浮いていたり、下に沈んでいるスラッジなどにはケタ違いの放射性物質が含まれている可能性が高い。また、現在原発内に貯蔵されている134万トンの汚染水のうち、71%にはいまだに基準値以上の放射性物質を含んでおり、まだ何回もALPS を通さねばならないことがわかっている。
 また、核分裂で生成される成分は放射性物質だけではなく、カドミウムやテルルといった安定した毒物もある。カドミウムは富山で発生したイタイイタイ病の原因物質として有名だ。これらの物質が含まれていないか検査したという報告はない。
 また、トリチウムは害がないように言っているが、トリチウムは水と性質が全く同じなので、生物の体内に入るとすぐに細胞の中に取り込まれる。するとその放射線で遺伝子を破壊することが報告されている。トリチウムを放出している原発周辺で白血病が多発している事例はいくつも報告されている。決して安全ということはありえない。

2,政府はなぜ海洋放出に固執(こしゅう)するのか?

 政府はいまだに青森県の六ケ所村に使用済み核燃料の再処理工場を建設中だ。原発からでる使用済み核燃料を再処理してあらたにウランとプルトニウムを生産するという構想だが、1997年に完成する予定が、26年間も遅れている。今は2024年に完成すると言っているがすでに26回も延期しているのでわからない。ただ、これがもし完成するとケタ違いに大量のトリチウムを海洋放出する。福島第一原発の原子炉に溶け落ちた燃料は250トンで、それに含まれるトリチウムは3.4ベタベクレル(ベタは1000兆倍という意味)だが、六ケ所村の再処理工場から排出する予定のトリチウムは1年間で18ベタベクレル。福島第一原発の中にある全てのトリチウムの5倍以上のトリチウムを毎年海洋放出する計画だ。つまり、もし「トリチウムは危ないから海洋放出はやめます」と言ってしまえば、日本の原子力政策は完全に破綻(はたん)するのだ。
 東電や政府は今、こんなサギをやっている。地元の市民や高校生を前に、ガンマ線しか測れない測定器にトリチウムが入ったビンを近づけて、針が動かないことを確認させて安心させている。トリチウムはもともとベータ線は出すがガンマ線は出さない!

この記事は次の二つのネット番組を参考にしました。
「原子力市民委員会 公開フォーラム・『いま改めて処理汚染水の海洋放出問題を考える」
「汚染水はなぜ流してはならないか」小出裕章講演会
               (次回に続く 山橋)
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