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台湾海峡情勢をめぐる「戦う覚悟だ」との麻生発言は緊張を激化させ、戦争の危機を招く

台湾海峡情勢をめぐる「戦う覚悟だ」との
麻生発言は緊張を激化させ、戦争の危機を招く


 記事:「台湾海峡情勢をめぐる『戦う覚悟だ』との麻生発言は緊張を激化させ、戦争の危機を招く」を、“脱原発・放射能汚染を考えるNo.297 2023年8月15 日”(脱原発・放射能汚染を考える北摂の会)より許可を得て転載します。転載理由は、自民党の麻生太郎副総裁が2023年8月8日に台湾・台北市内で行った講演(「戦う覚悟」発言)への抗議の意思表示のためです。 (伊関)


「台湾海峡情勢をめぐる「戦う覚悟だ」との
麻生発言は緊張を激化させ、戦争の危機を招く」

自民党の麻生副総裁が8 月7日から3日間、現職の副総裁として初めて台湾を訪問した。台北市内で講演し、「台湾有事」を念頭に「戦う覚悟」が求められていると、対中戦争に備えるべきとも受け取れる発言をした。この麻生氏の発言は台湾だけでなく、日本そして中国で大きな反響を引き起こした。この発言について麻生氏周辺からは「外務省と相談した上での発言だ。岸田総理の口からは言えないから、麻生さんが発言した」と説明している。


【「台湾有事」を前提に「戦う覚悟」を強調】

麻生氏は、台湾外交部などが主催するシンポジウムで、東アジア情勢について、「日本と台湾を取り巻く環境は大きく変化して、非常時に変わりつつある」と説明し、「大事なことは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ。抑止力には能力が要る。そして、抑止力を行使する意志を持ち、それを相手に教えておくこと。その三つが揃って抑止力だ」と、対中抑止力の強化を訴えた。

その上で、「今ほど日本、台湾、米国など有志の国々に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」「戦う覚悟だ」「いざとなったら、台湾海峡の安定のために防衛力を使うという明確な意思を相手に伝えることが抑止力になる」などと強調した。

また、与党民進党の次期台湾総統候補の頼清徳、蔡英文総統と会談。そして記者会見で「台湾は(総統選挙で)きちんとした人を選ばないと、中国と手を組んでもうけ話に走ると、台湾の存在が危うくなる」という露骨な「内政干渉」の発言を行った。


【日中平和友好条約45年!日中の平和と友好を守れ!】

今回の麻生氏の発言は、米国の中国敵視政策と「台湾有事」に迎合した発言であり、岸田政権が進める軍拡と戦争準備の一環である。発言は中国の内政問題への介入であり、日中友好に真正面から敵対するものだ。我々は日中友好のためにも「戦わない覚悟」を持つべきだ。


【中国が「台湾海峡情勢の対立をあおった」と批判】

中国外務省は9日、「日本の政治家が勝手なことを言い、台湾海峡情勢の緊張を騒ぎ立て、対立をあおっている」と強く批判する報道官談話を発表し、日本側に申し入れた。中国政府はこの言動は、「『1つの中国の原則』と中日の4つの政治文書の精神に反する」と強調し、「中国政府は(日本に台湾を割譲した)清政府ではない。日本の政治家には台湾問題について言う資格などはない」と批判した。


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