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謙虚に中国に学ぼう。目を覆うコロナ対策日本の後進性。

謙虚に中国に学ぼう。
目を覆うコロナ対策日本の後進性。


 中国で医療翻訳のお仕事をされている吉川さんのお便りをご紹介いたします。吉川さんは井上さんのご友人で昨年から日本のコロナ禍にあって度々貴重なお便り資料をお送り頂いております。井上さんとは「『アジアから問われる日本の戦争』展」や、朝鮮学校への差別なき無償化適用を求める「火曜日行動」で共に活動する友人です。
 4月25日3回目の緊急事態宣言が発出されました。1年たっても克服の目途が立たない日本のコロナ禍。日本はいったい何をしているのか。
 中国は3カ月でコロナを克服し経済のV字回復を成し遂げた。中国批判や中国の悪口を言っている場合ではない。謙虚に中国に学ぶべきです。現実を直視できず日本の後進性に目をつぶっていては日本の衰退は必至です。私はここでも日本の発展のカギとなるのはやはり日中友好だと思います。(伊関)

ご無沙汰しています。

大阪で新型コロナ感染が急拡大しているので、大変心配しています。

さてこの度、今年2月に中華医学会呼吸器病学分会と中国医師協会呼吸器科医師分会から発表された
『中国成人COVID-19の診療と防疫指針』を翻訳しました。何人かの先生と日本感染症学会にメールでお送りしました。感染症学会の提案で、HPには中国の原文にリンクを公開し、和文が必要な人から連絡があれば学会の事務局が配布してくださることになりました。
https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31

この指針は、エビデンス医学の立場から現時点までのCOVID-19への認識や対策を整理し、武漢から始まる中国での経験や、社会防疫の方策などにも言及した、中国本土で最も権威のある豊富な内容となっています。

感染症パンデミックでは、医療だけでなく、社会全体でどう戦うかが、みんなの生命を左右します。
この点、中国では先端的なITなどと人海戦術を結びつけて、一人ひとりのやる気をうまく組織できたなあ、と思います。

すでに破綻しているオリンピックに汲々として人民の生命を顧みない日本政府には強い怒りを覚えます。

一人ひとりの生命をどう守るか、ほんとに自衛するしかなくて大変だと思いますが、
極力外出を避けて、感染しないように注意してください。

(略)

お元気で旅行に行かれたとのこと、よかったです。
郁子さんと行った旅行のことを思い出しています。

「友人とのおしゃべりや”移動”そのものにとても癒されました。」
まさしくそうですね。
新型コロナ情勢下で、人と会っておしゃべりしてごはん食べることも、どこかに出かけることも推奨されなくなってしまいましたが、人間の基本的欲求ですよね。

中国では外出が制限されたのは正味3か月くらいで、去年の5月ごろからは市内なら大体自由に行けるようになりました。初めて外に行った時は、土を見ても樹を見てもうれしかったです。
だから日本やほかの国で、1年以上も断続的に外出が推奨されない、感染のリスクがあるというのは大変つらいと思います。

中国は感染症との戦いの歴史が長いからか、「with コロナ」という考え方はなく、ゼロになるまで徹底的に検査、隔離するので、外国からきた変異株が広範に広がったことはありません。
また「後遺症(long COVID)」についても、第一波の時の経験が主ではないかと思います。

人の社会にこんなに広く蔓延し、あちこちで変異を繰り返し、また社会的対策や医療崩壊の有無によって感染力や致死率が変わってくるウイルスなので、世界各地の経験をたえず共有してはじめて太刀打ちできるのではないかと私は思います。

先日『新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン(試行第8版修訂版)』が発表され、翻訳中です。
これはPDF公開OKだと思うので、できあがったらお送りします。

(略)

中国は1日に1000万人近いペースでワクチン接種が進んでいます。
南京では不活化ワクチンになるそうで、効き目はファイザー製ほど高くはないと思われますが、昔からの製法のワクチンなので安心感があります。私も接種会場の問診のボランティアに応募しています。

国内の市中感染がほぼない、あっても短期間で制御、
国民の大多数がワクチン接種すみ
という条件がクリアできつつあり、冬季オリンピックも開催できるのではないでしょうか。

日本とくに関西はこれからしばらく大変だと思いますが、
気をつけてお過ごしください。

            吉川淳子
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