懐かしの拡張ボードにSound Blaster16というものがあります。
これ、初期からパソコンの自作をしていた人、おおむね1998年以前の人しか知らないアイテムだと思います。当時のNECとアップル以外のパソコン(いわゆるDOS/V)は、クリエイティブテクノロジーのSound Blaster16か、その互換サウンドカードを搭載するのが標準でした。
当時は、まだWindows3.1やWindows95が全盛で、パソコン内部もOSも16ビットと32ビットが入り混じっていました。Windows上のソフトなら、どこのサウンドカードでも、音が鳴ったのですが、まだMS-DOSソフトが残っていたため、16ビットバスのISAバスのSound Blasterかその互換製品で、リリースを指定席(IRQ 5・DMA 1,5・I/O 220)に入れておかないと、音が鳴らないという問題があり、初心者にはかなりハードルが高い設定変更でした。
当時はUSBがまだ無かったので、ジョイスティックやMIDIなどもSound Blaster経由で接続するのが一般的でした。
基板上を見ると色々コネクタがあることがわかりますが、当時のパソコンの光学ドライブは、音楽CDを再生する場合、データ転送系統とは別系統でサウンドカードへ音を転送する必要がありました。そのためサウンドカード上には、必ず光学ドライブからアナログ音声の入力コネクタがありました。
このSound Blaster16シリーズはかなりのバリエーションがあり、IDEコネクタがある製品もあって、パソコンは一時期サウンドカード経由で、光学ドライブを接続していました。マザーボード上のIDEポートが光学ドライブ対応になったので、この機能は急速に廃れたのですが、手持ちのSound Blaster16は過渡期の製品のため、基板上のパターンだけ残っています。
もともと、1996年製の富士通製のFMVの下位モデルが搭載していたカードで、前年モデルと翌年のモデルはマザーボード上にオンボードのチップだったのですが、この年のモデルだけ、独立したサウンドカードをスロットに挿していました。
それで、肝心の音質ですが、お世辞にも良いものでありませんでした。シンセサイザー音源が比較的安価なFM音源のみで、一昔前のゲーム機並の音楽再生しか出来ませんでした。ただし、上位のSound Blaster32とSound Blaster64はPCM音源を搭載していて、比較的まともな音が出ました。上位のSound Blaster32とSound Blaster64は、名前だけ見ると、Sound Blaster16の32ビット版64ビット版のように感じますが、16ビットのISAバス接続で、シンセサイザー音源以外の基本的なところで互換性がありました。
1990年代後半のパソコンは事実上、このSound Blasterシリーズを接続するためだだけに、マザーボード上に16ビットが残っていましたが、2000年代に入るとサウンドカードも32ビット化していきました。
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