トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

 i  西加奈子

2018-03-13 15:25:49 | 本 2018年
物語は
「この世界にアイは存在しません」
で始まる

高校の数学の教師のことば

二乗してマイナス1になる
そのような数はこの世界に存在しないんです

虚数
実数ではない複素数

数学の教師の話に動揺したのは
ワイルド曽田アイ

まるで自分の存在を
否定されたような感じ

父がアメリカ人
母が日本人で
二人の養子

シリアに生まれた

裕福な家にもらわれ
恵まれた環境の中で育てられ

もし自分が存在しなかったら
別の誰かが自分の代わりに
ここにいたかもしれない

そんな気持ちの中で
アイは世界中で亡くなった人の数を
毎日ノートに書き留めるようになった

その中に自分の代わりがいたかもしれない

高校大学と
自分の生きている意味を探し求める

そんな時親友ができる

彼女ミナはレズビアン

アイとはそういう関係に
ならなかったけれど

そんなLGBTの話や
東日本大震災
不妊
流産

難民の話
シリアからの難民が
航行の途中で船が転覆
3歳の男の子が遺体で発見されたニュースは
アイの心に深く残る

読みながら
なんとなく
頭の中でアイのイメージが滝沢カレンになる
アイはハーフではないのに

しかしアイはストレスから過食症になり
太りだしてしまう
イメージはカレンちゃんだから
太らないでと祈りながら読み進む

ようやく生活を改め
痩せてきてホッ!

アイちゃん死んじゃうのかなあ
死んじゃだめだよとハラハラ

自分がいなかったら
誰かがここにいたかもというのは
どこにでもある話

受験だって
入社試験だって
結婚だって

常に人はその度
選ばれて生きている

アイの頭の良さ
どこかで活かしてほしいなあなんて・・・
コメント
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