トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

空飛ぶ広報室 有川浩

2016-07-31 14:23:01 | 本 2016年
主人公は
ブルーインパルスのパイロットを目指し
航空自衛隊に入り
実現する寸前に
相手側に責任のある交通事故で負傷し
普通の人間なら
なんともないことが
パイロットには致命傷になる傷を負い
断念し
広報室にやってきた
空井大介

それと
帝都テレビの稲葉リカ

世間の人も稲葉リカも
自衛隊のことをよくわかっていない

陸海空は
陸軍海軍空軍ではなく
陸上自衛隊 陸自
海上自衛隊 海自
航空自衛隊 空自


陸軍とかだと
日本に軍隊が存在することになってしまう

駐屯地は陸自だけ
空と海は日ごろ駐在している基地が
有事においても
そのまま拠点となるが
陸は出動がかかってから
出かけて行った先が活動拠点になる
 
平時に駐在している基地が拠点にはならない

自衛隊員は
いざということが来ないことを願いつつ
いざという時のための練成に励む
無駄に終わらねばならない訓練に
命を懸けてのぞんでいる


民間に研修に行った広報の片山
隊での経験が通用しなかった
それは仕方がない
自衛隊は倒産しない

幹部になると3年ごとに移動
新人を一から育てなければならない
仕事の引継ぎ等がスムーズにいくように
昇格試験を受けずに長く同じところにいるのは比嘉

自衛隊という男が中心の世界
女性として仕事を続ける難しさ
ゆえに柚木はわざとおっさんぽく振る舞う
それにしても
人前で尻を掻くという行為はどうか?
おっさんだって人前ではあまりしないだろうに・・・

自衛隊のPRのためのCM
格好良く飛び立つシーンも
よそを攻撃する連想になりかねない

自衛隊というだけで無条件に嫌われることもよくある事

そしてまた好きも嫌いもなく
無関心という人も

愛の反対は無関心

無関心が一番救いようがない

自衛隊は自分たちをアピールするために
こんなに一生懸命やっているのか

5人組のアイドルグループ宙(そら)
嵐をイメージしているんだろう

彼らにブルーインパルスを体験させる番組
「宙色バラエティ」

ブルーインパルスに乗せるためには
事前にチャンパーと言われる
低圧訓練を受けなければならない

高度が急激に上がって
気圧が急激に下がるとき
ゲップやおならは我慢してはならない

気圧が下がると空気が膨張する
体内でも同じことが起きる

我慢したまま更に高度が上がると
口や肛門からガスが排出できなくなる
そして内臓を圧迫する

体内にガスを溜めないようにするには
食事をよく噛んでゆっくり食べること

なるほど!!

そしてストーリーは
東日本大震災時の
松島基地へ

空井は移動で当時松島にいたのだ

生きている間に
阪神より酷い震災が起きるなんてと言う隊員

自衛官も被災している

しかし国民は自衛官である彼らに
被災者の資格を認めていない

我々はどんな状況にあっても支援する側に回るのは
当然の義務
被災したことは同じでも
我々は有事の訓練を受けていると語る隊員

大きな災害があったとき
一家の大黒柱は被災地へ急行する
たとえ家族が同じ被災地にいたとしても見知らぬ他人を
助ける任務を優先する

テレビなどの報道では扱われないことも
書かれている

まずはトイレ
水は津波の水を汲んできて流した

そして
生理用品やおむつ

防衛省の女性隊員たちがそれらを
たくさん差し入れしてくれた

たとえ
支援物資に入っていたとしても
それは被災者に届けるもの

そして自衛隊のトイレには
「お疲れさまです
 差し入れです!
 女性陣の”姫”の日にお役立てください」
のメモが

なんと粋なことか

生活必需品も全国基地の自発的なカンパだと
支援物資はいっさい使えないのだ

そしてあとがき

広報室の方々
モデルがいるんですねえ

そしてこの本を出したこと自体が広報

ドラマ化もされていて
空井は綾野剛

稲葉リカは新垣結衣

広報室長 鷺坂は柴田恭兵
コメント
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